[過去ログ]
【俺の妹】伏見つかさエロパロ20【十三番目のねこシス】 (807レス)
上
下
前
次
1-
新
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索
歴削→次スレ
栞削→次スレ
過去ログメニュー
590
:
風(後編) 35/63
2011/07/18(月)10:28
ID:8mgfk2k0(19/48)
AA×
[240|
320
|
480
|
600
|
100%
|
JPG
|
べ
|
レス栞
|
レス消
]
590: 風(後編) 35/63 [sage] 2011/07/18(月) 10:28:03.85 ID:8mgfk2k0 その茶碗は、市長の夫人らしい初老の女性に手渡された。二人は一言も言葉を交わさずに、茶碗を受け渡 し、初老の男性と女性は、軽く頷き合うかのように礼をした。 控え目な動作の中に、空気そのものを重く高密度にするような緊張があり、何も分かってない若造の俺も 背筋を伸ばし、居住まいを改めた。 茶の湯って、やっぱすげぇな。 怠惰な俺の日常とは正反対の世界だぜ。 その女性は、ゆったりとした自然な動作で茶碗を傾けて濃い目に点てられているであろう茶を一服すると、 先ほどの男性と同じように、懐紙で茶碗を拭い、その茶碗を掌の上で少しだけ回していた。 後は、その繰り返しだった。どうすればいいのか、俺にも分かった。多分、あやせも分かっているだろう。 要は、相手に敬意を抱いて茶碗を受け取り、又は受け渡す。受け取った茶碗の茶は、後の人のことを慮っ て、一口だけ味わう。飲み終えたら、自分の唇が触れた箇所は懐紙で綺麗にして、その部分が相手の手元に 来ないように、茶碗を心持ち回すということだ。 『何てことはないはずなんだが……』 この重い緊張に包まれた中、自然な振る舞いができるだろうか。俺は少々心許ない。 ふと見れば、あやせの奴も表情を強張らせている。モデルの仕事で、ステージとかに上がるのは場慣れし ているんじゃないかと思うが、茶事はそれ以上に緊張するものらしい。 茶碗はその女性から、先ほど俺と保科さんを揶揄したどっかの寺の住職に手渡された。その住職も、先ほ どの剽軽な振る舞いなどは微塵も感じられない引き締まった表情で茶碗を受け取り、その茶碗から一口、茶 を味わっている。 「大丈夫ですよ……。雰囲気は厳かですけど、いつもの高坂さんらしく、自然体で振る舞ってくださいな」 俺の緊張感が最大値に達しそうなのが分かるらしい。もう、座布団なしで緋毛氈の上に座っていることも 気にならなかった。 ただただ、ぴーんと張り詰めた空気の中に俺が居て、その空気の中でつつがなく所作を行う、それだけで 頭が一杯だ。 どれくらいの時間が経ったのか、茶碗が保科さんのところまで回ってきた。 保科さんは優雅な振る舞いで茶碗のお茶を一服すると、招待客と同様の手順を踏んで、俺に茶碗を渡して くれた。 「リラックスしていいんですよ……」 か細い、囁くような声で、保科さんが俺を励ました。その励ましがあったからってわけじゃねぇが、俺も どうにか無難に所作をこなせたらしい。 俺は、最後に控えているあやせのために、ほんの一口だけ茶を残し、これも保科さんがそうやったように 茶碗を拭ってあやせに手渡した。 「……お兄さん……」 あやせは何かを言いかけたが、それだけだった。場の雰囲気からして私語は慎むべきと思ったのかも知れ ない。 そのあやせも、俺同様ガチガチに緊張しているようだったが、無難に所作をこなし、茶を飲み終えた。 「結構なお手前で」 そんな声が、どこからか聞こえてきた。 その声で、俺は、緊張感に満ちた茶事の核心部が滞りなく進行したらしいことを感じ取った。 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1308729425/590
その茶碗は市長の夫人らしい初老の女性に手渡された二人は一言も言葉を交わさずに茶碗を受け渡 し初老の男性と女性は軽くき合うかのように礼をした 控え目な動作の中に空気そのものを重く高密度にするような緊張があり何も分かってない若造の俺も 背筋を伸ばし居住まいを改めた 茶の湯ってやっぱすげぇな 怠惰な俺の日常とは正反対の世界だぜ その女性はゆったりとした自然な動作で茶碗を傾けて濃い目に点てられているであろう茶を一服すると 先ほどの男性と同じように懐紙で茶碗を拭いその茶碗を掌の上で少しだけ回していた 後はその繰り返しだったどうすればいいのか俺にも分かった多分あやせも分かっているだろう 要は相手に敬意を抱いて茶碗を受け取り又は受け渡す受け取った茶碗の茶は後の人のことを慮っ て一口だけ味わう飲み終えたら自分の唇が触れた箇所は懐紙で麗にしてその部分が相手の手元に 来ないように茶碗を心持ち回すということだ 何てことはないはずなんだが この重い緊張に包まれた中自然な振る舞いができるだろうか俺は少心許ない ふと見ればあやせの奴も表情を強張らせているモデルの仕事でステージとかに上がるのは場慣れし ているんじゃないかと思うが茶事はそれ以上に緊張するものらしい 茶碗はその女性から先ほど俺と保科さんをしたどっかの寺の住職に手渡されたその住職も先ほ どの軽な振る舞いなどは微塵も感じられない引き締まった表情で茶碗を受け取りその茶碗から一口茶 を味わっている 大丈夫ですよ雰囲気は厳かですけどいつもの高坂さんらしく自然体で振る舞ってくださいな 俺の緊張感が最大値に達しそうなのが分かるらしいもう座布団なしで緋毛の上に座っていることも 気にならなかった ただただぴーんと張り詰めた空気の中に俺が居てその空気の中でつつがなく所作を行うそれだけで 頭が一杯だ どれくらいの時間が経ったのか茶碗が保科さんのところまで回ってきた 保科さんは優雅な振る舞いで茶碗のお茶を一服すると招待客と同様の手順を踏んで俺に茶碗を渡して くれた リラックスしていいんですよ か細いくような声で保科さんが俺を励ましたその励ましがあったからってわけじゃねぇが俺も どうにか無難に所作をこなせたらしい 俺は最後に控えているあやせのためにほんの一口だけ茶を残しこれも保科さんがそうやったように 茶碗を拭ってあやせに手渡した お兄さん あやせは何かを言いかけたがそれだけだった場の雰囲気からして私語は慎むべきと思ったのかも知れ ない そのあやせも俺同様ガチガチに緊張しているようだったが無難に所作をこなし茶を飲み終えた 結構なお手前で そんな声がどこからか聞こえてきた その声で俺は緊張感に満ちた茶事の核心部が滞りなく進行したらしいことを感じ取った
上
下
前
次
1-
新
書
関
写
板
覧
索
設
栞
歴
あと 217 レスあります
スレ情報
赤レス抽出
画像レス抽出
歴の未読スレ
AAサムネイル
ぬこの手
ぬこTOP
0.090s