[過去ログ] 【俺の妹】伏見つかさエロパロ20【十三番目のねこシス】 (807レス)
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167(1): 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:16 ID:+shN39gM(1/30) AAS
・仮題「夏祭り」
・非エロ
・あやせ×京介
・30レス程度
前後編のうちの前編になります
投下してもおkでしょうか?
169: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:28 ID:+shN39gM(2/30) AAS
それは例えるなら、夜空にきらめく綺羅星の一。
赫赫たる輝きは仰いだ者の目を惹きつけてやまず、
されど所有欲を懐いた者には冷ややかな一瞥を投げかける。
見渡せば、夢破れた者たちの屍の群れ。
「あやせ、今まで何人にナンパされた」
「覚えてません。
お兄さんがいけないんですよ、わたしを30分も待たせるなんて」
「桐乃を説得するのに手間取っててな」
「それで、あの子は……?」
「電話で話したとおり、家で休ませてる。
省13
170(1): 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:29 ID:+shN39gM(3/30) AAS
「今何か言いました?」
「浴衣、似合ってるって言ったんだよ」
「そ、そうですか?
お兄さんなんかに誉められても全然嬉しくないですけど、
一応は、誉め言葉として受け取っておきます」
あやせはフイと顔を背け、
「今日お兄さんと一緒に出かけるのは、桐乃に頼まれて、仕方なくですから。
その点だけは勘違いしないで下さいね」
「へいへい」
俺のことは精々、ナンパ避けにでも使ってくれ。
省6
171(1): 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:29 ID:+shN39gM(4/30) AAS
「じゃあ、もし誰かに俺たちの関係を聞かれたら、何て答えればいい?」
「そうですね……」
あやせは人差し指の腹を唇に当て、可愛らしく小首を傾げると、
「兄妹ということにしておきましょうか」
兄妹、ねえ。
「知り合いに会った時はどうするよ?」
省10
172: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:30 ID:+shN39gM(5/30) AAS
肩を竦める俺を余所に、あやせは
「もうすぐ電車が来ます」
と踵を返し、駅構内へと歩き出した。
ナンパに失敗した男どもの怨嗟の視線を背中に浴びつつ、浴衣姿の後を追う。
さて、ここらで俺とあやせがデートするに至った経緯を説明しておくか。
事の発端は数日前。
桐乃が隣町のお祭りに行きたいと言い出したことがそもそもの始まりだった。
暇を持て余していた俺は一も二もなく承諾し、経つこと数日、
俺たちの予定を聞きつけたあやせが突然の参加を意志表明、
本人曰く、前々からそのお祭りに興味があった、というのは桐乃向けの建前で、
省12
173: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:31 ID:+shN39gM(6/30) AAS
耳を澄ませば、祭り囃子の清音が聞こえる。
遠くに見えるのは御神輿だろうか。
お面を付けた子供が「まだ帰りたくない」と泣きながら、親の手に引かれていた。
「あやせは今まで、このお祭りに来たことはあるのか?」
「小さい頃に、両親に連れられて何度か。
でも、ここ数年は遠慮してました。
暴走族の集会に使われたり、スリや置き引きが増えたりと、悪い噂ばかり聞くようになったので」
「一日限りになったのもそれが原因らしいな」
晩飯の席で、親父(現職の警官)が喋っていたことを思い出す。
何年か前までは、祭りは二日間に渡って開催されていた。
省9
174: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:31 ID:+shN39gM(7/30) AAS
「結局、あやせはどうやってお袋さんを説得したんだ?」
「友達のお兄さんも一緒だと言ったら、渋々納得してくれました。
もっとも、もしお母さんがお兄さんの素性を知っていたら、
絶対に認めてくれなかったでしょうけど」
冷ややかな目つき。たまりませんなあ。
ちなみにあやせが言った俺の素性とは、近親相姦上等の変態鬼畜兄貴のことである。
今更それを訂正する意志も元気もないとは言え、
「一応、俺はあやせのお袋さんに、保護者役を期待されているわけだよな?」
「まあ、そうとも言えますね」
「そこで、だ。
省7
175: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:32 ID:+shN39gM(8/30) AAS
まあいい。
「お前が嫌なら無理強いしないが、はぐれないようにしろよ」
この歳で迷子になったら笑い者だぜ。
「お、お兄さんまでわたしを子供扱いしないで下さい。
お互いがお互いを見失わないよう、意識していれば大丈夫です」
「心配になったら、いつでもお兄さんの腕に抱きついてこいよ。
俺はいつでもウェルカムだ」
「わたしはいつでもノーサンキューです」
そいつは残念。
俺は誰からも必要とされない右手をポケットに仕舞いつつ、
省7
176: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:33 ID:+shN39gM(9/30) AAS
あやせが言った。
「へえ……きちんと当たりクジも用意されているんですね。
三等以上の景品なんて、所詮は人目を引くための飾りだと思ってました」
「実際、ほとんどのクジ屋はハズレクジしか用意してないんだろうさ。
けどガキの頃なんて疑うことを知らねえから、馬鹿みたいに小遣いを注ぎ込んだよな」
「仲間を見るような目でこっちを見ないで下さい」
「隠すなって、誰もが通る道だろ?
百円玉数枚で豪華景品を手に入れる夢を見るのは」
「わたしは三回ほど挑戦したところで、無垢な子供を食い物にする仕組みに気づきましたから」
あやせ様は幼少期より素晴らしい炯眼をお持ちで。
省11
177: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:34 ID:+shN39gM(10/30) AAS
列の最後尾に並び、クジ箱の前に着く頃には、
背後には先の一等賞獲得の噂を聞きつけたのか、長蛇の列が出来ていた。
クジ箱には『一回:三百円、二回:五百円』の文字。
気のよさそうな店主の「二回の方がお得だよ」の言葉を半笑いで聞き流し、
俺とあやせはそれぞれ三百円を手渡した。
まずは俺から。
箱に手を突っ込み、勘とセンスで一枚の紙片を掴み取る。
最初から当たる期待なんかしてないっての、
というようなクールな風体を装いつつ、内心では八百万の神様に祈りを捧げる。
あのう、二等の音楽プレイヤーが欲しいんですけどなんとかならないですかね?
省13
178: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:37 ID:+shN39gM(11/30) AAS
クジの中身を確認した店主の手が、ミニクラッカーの寄せ集めに伸び……その隣のハンドベルを鳴らした。
カランカラーン。
「おめでとう、特別賞だ!」
おいおいマジかよ。
特別賞なんてあったのか。
けど、展示されてる中に特別賞の札付きの景品なくね?
「ちょっと待っててくれるかい。景品は別のところに置いてあるんだ」
と言って、店主が屋台の裏手に消える。
あやせが譫言のように呟く。
省9
179: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:38 ID:+shN39gM(12/30) AAS
「はいよ。大切にしてやんな」
「あ、ありがとうございます」
「ハッ、桐乃への土産を買う手間が省けてよかったじゃねえか」
と俺が言うと、あやせは困惑気味の表情になって、
「確かにあの子は大喜びするでしょうけど、
これを持ったまま歩くのは流石に恥ずかしいので……お兄さんに預けておきますね」
「おう……」
って自然に受けとっちまったが、なんで俺?
「だって、お兄さんなら"そういう趣味の人"と思われても問題ないじゃないですか。
むしろ白い目線が心地良いんじゃないですか?……変態」
省12
180: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:40 ID:+shN39gM(13/30) AAS
さて、次に俺たちが足を止めたのは、夏祭りの露店といえばコレをおいて他にない、金魚すくいの屋台である。
といってもあやせは通り過ぎる気まんまんだったようで、
「急に立ち止まってどうしたんですか?」
「金魚すくいやろうぜ」
「構いませんけど、やるならお兄さん一人でどうぞ」
「寂しいこと言うなよ。やりたくない理由は何だ?」
「大人気ないじゃないですか。あんな小さな子供たちに交じって金魚すくいだなんて……」
待ち合わせ場所で顔を合わせた時から思っていたが、
どうもあやせはまだ、祭りの雰囲気に乗り切れていない感じだな。
矜持は捨てて童心に還る、これ縁日の鉄則だぜ?
省10
181: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:41 ID:+shN39gM(14/30) AAS
「くっ……分かりました。
実際に証明すればいいんでしょう、実際に証明すれば」
おー釣れた釣れた。
「ただの勝負じゃつまらねえし、そうだな、
多くすくえた方が、後で何か食べ物を奢るってのはどうだ?」
「の、望むところです」
硬貨を支払い、ポイと椀を受け取って、水槽の前に陣取る。
チビッ子たちよ、俺の肩に乗ったメルルに興味津々なのはいいが、
どうか俺とあやせの神聖な戦いの邪魔だけはしないでくれよな。
「それじゃ、始めるか」
省7
182: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:42 ID:+shN39gM(15/30) AAS
「兄ちゃんすごいな」と店主。
「わぁっ、どうしてそんなに上手いのー?」と背後の子供たち。
へっ、これも一重に練習の賜さ。
新しい椀を店主から受け取り、恐らくは数で俺に負けているあやせを煽ってやろう、と隣を見ると、
「……………」
あぁ……。まぁ、その、なんだ。
「久しぶりだもんな、初めから調子が出ねえのは仕方ねえよ」
省10
183: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:43 ID:+shN39gM(16/30) AAS
「何度やったって、同じです」
「やってみなくちゃ分からねえだろ。
それにな、物事には何でもコツがあるんだよ。金魚すくいだって例外じゃない」
あやせの右手に自分の手を添える。
あやせはぴくりと肩を震わせ、しかし、我慢してくれた。
他意がないことを直感的に悟ってくれたのかもしれねえな。
「ポイを水につけるときは、ゆっくりじゃなくて、思い切りよくだ。
あとは金魚は追いかけるな。寄ってきてくれるのをじっと待て」
「………」
「いい位置に金魚が来たら、ポイの面の端っこですくいあげる。
省10
184: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:45 ID:+shN39gM(17/30) AAS
「出来たじゃねえか」
「……こんなに簡単なことだったんですね」
「だろ?さ、次は自分一人の力でやってみな」
数分後。
屋台から離れたあやせの手には、水草模様が描かれた金魚袋があった。
「酷いです。わたしを置いてきぼりにするなんて」
「他の利用客にスペースを空けてやろうと思ってな。
で、何匹すくえたんだ?」
「四匹です。お兄さんと一緒にとったのも入れて。
お兄さんには遠く及びませんね。
省9
185: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:46 ID:+shN39gM(18/30) AAS
「……先に屋台を離れたのは、これを買うために?」
「まあな」
「いくらしたんですか?」
「聞くな。俺だって初心者相手に賭け試合吹っ掛けたことに、罪悪感を感じてんだ」
その罪滅ぼしがコレだ。さあ、遠慮なく食え。
あやせはしばしフランクフルトを眺め、
やがて熱さを確かめるように唇を付け、あむ、と先端に齧り付いた。
「どうだ、美味いか」
「はい、とっても……あ、お兄さんも」
無垢な笑顔で俺にフランクフルトを差し出しかけ、慌てて引っ込めるあやせ。
省8
186: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:47 ID:+shN39gM(19/30) AAS
「目がすっごくいやらしいです」
「気のせいだろ」
「いかがわしい妄想をしているようなら、即刻ブチ殺しますよ」
「失敬な。次にどこに行こうか考えてたんだよ」
というのはもちろん嘘で、あやせもそれを承知しているんだろうが、
右手に金魚袋、左手にハンドバッグの状態では万全の殺害ができないと判断したらしく、
「お化け屋敷……はどうですか?」
と俺の話題転換に乗ってくれた。
つーか、この祭りに来てから初めてだよな。あやせが行き先を指定したのって。
「このお祭りのお化け屋敷は、その怖さで有名なんです。
省8
187: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/29(水)15:48 ID:+shN39gM(20/30) AAS
というわけでお化け屋敷である。
見た目は打ち捨てられて久しい蒼然の廃屋、奏でるは物寂しい和楽の調べ。
一日限りの興行の割りにはえらく意匠が凝らされた造りだな。
「前の方がゴールされるまでしばらくお待ち下さいね」
と受付の女性に言われ待つこと数分、
わんわん泣き喚く小さな男の子と、その母親と思しき人が入り口から現れた。
「今年も相当怖そうですね」とあやせ。
「入る前から怖じ気づいててどうするよ」
「お、怖じ気づいてなんか……!
わたしがゴールできなかったのは、小学校に入る前の話ですよ?」
省9
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