[過去ログ] 怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第6夜 (965レス)
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264: 怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜 2017/11/10(金)12:11 ID:5lcpOkQV(3/13) AAS
「おお、こ、これは……!」
「素晴らしい! 素晴らしいですぞ!」
「やはりアクアメロディはエロ可愛いですな!」
(……えっ?)
教室の隅からそんな聞き捨てならぬ台詞が聞こえてきたのは、話題が一段落してからだった。
気づかれぬようさりげなく視線を向けた先では、いわゆるオタクグループが集まって盛り上がっている。
彼らは一冊の雑誌を囲んで、先程の自分たちと同じくアクアメロディについて会話を繰り広げているようだが
エロ可愛い、などという台詞が出てくるあたり、どうにも方向性が異なっている様子。
話題の張本人としてはどんな会話をしているのか気になってしまい、美音は思わず聞き耳を立ててしまう。
「むう……この見えそうで見えないアングルは正に匠の技」
「絶対領域の強調具合と言い、わかっていますなー!」
(アングル? 絶対領域? い、一体何を見ているの……?)
彼らの口調から正体不明の悪寒を感じた少女は一計を案じ、ポケットから一粒のビーズを取り出すと
さりげなくそれをオタクグループたちのちょうど真上の天井に到達するように指で弾いた。
ピシッ―――
狙い違わず着弾したビーズは落下することなく天井に張り付き、内部に仕込まれた機能が発動する。
それに合わせ、友人に断って席を立った美音は女子トイレの個室に入り、そしてスマホを開いた。
画面に映し出されたのはオタクグループの少年たちの頭と、その中央で開かれている雑誌の内容。
そう、先程のビーズの正体は高性能の小型監視カメラにして盗聴器だったのだ。
(こんなことに使うのは気が引けるけど、気になるし……)
姿をメディアの前に堂々と見せた以上、情報のアンテナを張り巡らせておくことに越したことはない。
どんな義賊だシティのアイドルだと称えられていても、自分が犯罪者であることは変わらないのだ。
何よりも、一ヶ月前に知ることとなった「あの男」の存在のこともあるのだから。
(いけない、あの男のことはまた後で考えるとして、今はこっちを……)
思考が横道に逸れそうになったことを反省しながら、美音はビーズから送られてくる情報に集中する。
ズーム機能を使えば雑誌の内容は鮮明に見えるし、音声もクリアなので問題は何もない。
しかし、否、だからこそ問題は起こってしまった。主に美音の羞恥心を刺激するという意味で。
「え……ええっ!! こ、これって!?」
狭いトイレの個室の中で、少女の絶叫ともいえる声が上がった。
かなりの大声ではあったが、幸いにも他に利用者はいないらしく、非難の声が上がることはない。
しかし美音にホッとする余裕はなかった。何故なら―――
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