[過去ログ] 怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第6夜 (965レス)
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529: 2019/06/17(月)03:46 ID:HN0oIb7Q(4/7) AAS
「様子を伺ってばかり。普段運動不足なのでしょうけれど、もう少し頑張ってくれませんか?」
呆れ混じりの挑発に、浮かび上がり始めた感情を慌てて心奥に押し込む。
「まだ子どもだろう! 大人を馬鹿にするんじゃない!」
そう怒鳴りながら飛びかかるものの、またしても身を翻らせて避けられてしまう。
「いや大人だから偉いとかないですし。一人の人間として評させてもらったまでです」
怪盗はなおも憎たらしい言葉を平気で投げかけてくる。
私の苛立ちがそろそろやりきれなくなりそうになったそのときーーー
どんっ!!
不意に後ろから衝撃を受けた。
「おじさんボケてない? 私もいること、忘れないでね♪」
「ぐっ……!」
思わず前につんのめり、膝を屈してしまう。
声の方向を見やると、カルマンと呼ばれていた少女がニヤニヤと笑っていた。
片脚を軽く上げているところを見るに、どうやら蹴りつけられたのだとわかった。
上等なスーツに残った靴跡を恨めしく思いながら、すぐさま立ち上がり抗議をする。
「いい加減にしろ馬鹿者! 未成年だからって許されると思ったら大間違いだ!」
叫びながら首元を掴みにかかるがーーー
「おっと〜♪」
後方宙返りで難なく逃げられてしまう。
こちらがいくら血気に逸っても小馬鹿にしたような笑みは変わらない。
「にしし♪」
そして娘はくるりと身をひねり、生地が食い込んだ尻を向けぺちん!と叩いてみせた。
こちらに顔を向け、イタズラっぽく舌を出すという無礼も重ねながら。
「鬼さんこちら〜〜♪ 手のなる方へ〜〜♪ あっ、手じゃなくてお尻か!」
街灯にライトアップされ、紅いてらてらとしたコスチュームまでが嘲笑するように光を照り返していた。
その様が私の憤りを更に煽ったのはもちろんだが、先程自身の裡で生まれた劣情が再び首をもたげ始めているのも感じた。
それが段々と大きくなっていることも。
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