[過去ログ] 【第13号機】新世紀エヴァンゲリオン【第13使徒】 (821レス)
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454: 【安らぎの契約(第19回)(2)】LASキッチー ◆8U.wBEFm.PLF 2015/03/14(土)21:51 ID:IcqhDE6M(2/13) AAS
マンションに着いた時には日はかなり傾いていた。
送迎の車を降り、一人きりになるとアスカは意識して緊張させていた自分の頬が緩むのを感じる。
「ふふ……」
シンクロ率の改善。
エヴァパイロットへの復帰。
吉報中の吉報。
足取りが自然と軽くなる。
夕日の差すマンションの敷地内を気がつくと走っている。
早くこの事を伝えたい。
いつか、こんな風に誰かに伝えるために走ったことがあった気がする。
幼いある日に、赤い夕日を浴びながら。
たかだか、シンクロ値が最低基準値に達しただけ。
そんなことに胸を弾ませている。
数か月前の自分に見られたら、どんな顔をしてさげすむだろう。
だけど、それで良い。
(アタシ、戻ったのよ。エヴァパイロットに)
今の自分にはそれで十分すぎる。
(これからは足手まといなんて目で見させない)
(これからはアタシも戦える)
(だからアタシを……)
「ねえ、シンジっ!」
玄関の扉を開けた先は薄暗い廊下。
リビングに人の気配も無い。
「そっか……。アイツまだ帰ってなかったもんね……」
弾んだ息が収まっていくのと同時に感情の高まりも落ち着いていく。
自室で窮屈な制服を脱ぎ捨て、ショートパンツとスポーツブラという軽装に着替える。
リビングに戻り、部屋を見渡すと、部屋の荒れっぷりに今更ながら気がつく。
「ミサトもねー。シンジばっかりに頼っているからこうなるのよ……」
思わず呟いた言葉に、自分もかとアスカは苦笑する。
たまっていた汚れ物を洗濯機に放り込むと、部屋をかたずけ始める。
レトルト食品の袋やらビールの空き缶やらのゴミを片付け、掃除機をかける。
「たまには掃除するってのも悪くないわね」
自分が動くごとに部屋が少しずつ、だが確実に綺麗になっていく。
それがなんだか嬉しい。
こんな気分で掃除をしたことは初めてだった。
(シンジもこんな風に思うのかな?)
それならば、シンジが熱心に掃除をしていたのも分かる気がする。
パイロットの仕事ではないと、リビングの掃除をシンジに押し付け続けた自分が恥ずかしくすら感じた。
だが、そんな風にシンジの気持ちを想像できたことが何故か嬉しかった。
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