[過去ログ] 【第13号機】新世紀エヴァンゲリオン【第13使徒】 (821レス)
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494: 【安らぎの契約(第20回)(7)】LASキッチー ◆8U.wBEFm.PLF 2015/09/05(土)12:54 ID:qYz2sLp1(7/8) AAS
「……アイツ、人の事なんだと思ってるのよ」
アスカはエレベータを待ちながら俯き一人呟く。
足先から1メートルも離れていない扉はなかなか開かない。
あの後、シンジはまだ泊り込みが続くため、ミサト達のところに戻っていった。
結局、シンジとはロクに会話をしていない。
「アタシは、アンタの精液便所じゃないのよ……」
半ば強制とは言え、あんな場所での行為に同意してしまった自分にも腹が立つ。
チン、とエレベータの到着音が鳴り、アスカは顔を上げる。
自分の中でどうどう巡りしていた思考が外に向かう。
「……!」
開いた扉の先を見て、アスカは口元を引き締める。
「ふん……久しぶりね」
自分と同じ学校の制服に身を包んだ少女が立っていた。
綺麗に刈りそろえられたショートカットの髪、抜けるような白い肌、色素の薄い瞳。
ファーストチルドレン・綾波レイ。
「そうね」
しばらくぶりに会った少女は相変わらず、そっけない。
初めて会った時とまったく変わらない。
アスカの後ろで扉がしまり、エレベータが動き出す。
だが、日本でのシンジやレイとの出会いから自分達にはどれだけの出来事があっただろうか。
自分は、惨敗の連続、正規のパイロットの任を解かれた状態だ。
一方のこの少女は、窮地に会って機体を失いながらも使徒を倒し、奇跡の生還を果たしている。
自分が果たしたかったエヴァパイロットとしての責務を見事に果たした。
だから、綾波レイには自分を如何様にでも評する権利がある。
嘲笑も哀れみでも。
なんでも言うが良い。
そうしてくれたほうが有り難い。
だが、綾波レイにそんな俗なものを期待するのは無理だったようだ。
エレベータの動作音のみの静寂が続く。
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