[過去ログ] 【とある魔術の禁書目録】鎌地和馬総合39フラグ目 (508レス)
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214: 2015/02/08(日)15:49 ID:mikFwVhq(4/14) AAS
「……私が、あんまりそそる身体してないってのは知ってるわ。
 でもさ、これでも一応、私だって、女なんだから。
 『はけ口』くらいにはなるはずでしょ。
 そう思って、楽しんでってくれれば」
「はけ……バカ野郎!!
 そんな風にやるもんじゃないだろ、こういうのって!
 お前は恩とか借りのためなら、好きなやつじゃなくても身体を差し出すってのかよ!?」

美琴の手が、ベッドのシーツを固く固く握り締めた。
彼女が顔を上げる。その瞳が、憤怒の色を宿している。
それは雄弁に、「そんなんじゃない」と言っていて。

――でも決して、「好き」とは言わない。

彼に好きだといったなら、想いを伝えてしまったなら。
少しでも彼に意識してもらえる存在に例えなれたとしても。
「このバカ」はまた、彼女を置いていってしまうかもしれないから。
大切な人ほど戦場から遠ざけるお人よしにまた置いていかれるのは、彼女はもううんざりだ。

美琴の知らないところで、上条は誰かのために、あるいは周りの世界のために戦い、命を賭けて、傷つき、いつのまにか戻ってきている。
彼女が知るのは、全てが終ったあと。
もうそんなこと、美琴は耐えられない。
それは――彼女にとって想いが彼に届かないことよりも、なお辛く、苦しくて、我慢がならない。

美琴は決めた。
自分は上条にとって、使い勝手の良いただの「力」でいようと。
下手に距離を近づけて、彼に自分を頼るのを躊躇させたくないと。
上条の横で戦うことができればいいと、助けることができればそれだけでいいのだと、そう決めた。
彼への想いを、一生秘めていくことに決めた。
彼を――生涯、愛し続けることに決めた。

だけれどせめて、貞操くらいは捧げさせてほしいと、上条を半ば騙して無理矢理この場に呼びつけた。
そして来た上条へ、さもそこに何の感情もないように言った。
「今までの借りを返させて」と。
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