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若返る女・成長する少女10 [転載禁止]©bbspink.com [無断転載禁止]©bbspink.com (186レス)
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32: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/06/23(日) 15:54:12.49 ID:yPf3OGGQ スイムスイムの変身シーンを見たい。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/32
33: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/06/28(金) 23:38:21.73 ID:HZdCk5Nz いちごぷろみす級に抜ける漫画ないかな http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/33
34: yumu [sage] 2019/07/24(水) 18:41:20.47 ID:J3zr5H/M 若返りメインの話です 安達瑠璃子は出版社勤務のキャリアウーマンだった。 ライター、そして小説の編集の後、28歳にしてファッション雑誌のチームリーダーを任されていた。上司の期待値も高く、若干高飛車な性格ではあったが仕事ぶりは優秀だった。 さらに魅力的だったのはその容姿で、身長は172センチ、バストサイズはFカップ、長く伸びた綺麗な黒髪は大人の落ち着きと色気を醸し出していた。 そのため、男性陣だけでなく後輩の女性社員や、若い雑誌の女性モデルからも一目を置かれていた。 高慢で優美、気高く凄艶、強気で上品でクレバーな女性だった。 将来は昇進して地位を揚げ、大好きなブランド品に身を包み、ちやほやされながら充実した仕事をして、何不自由ない暮らしを送ることが夢だった。 だがそんな才能に恵まれた安達瑠璃子にも嫌いなものはあった。 それは子供や赤ん坊だった。 写真で見る分にはまだ可愛いと思えるが、実際に目にする子供は涎や鼻水を垂らして、土を触った手で服を弄り、ソースの付いた料理を手づかみで口にしたり、場所も関係なく泣きわめく。 行く先々で、例えば店内を大声で騒いだり、汚したり、泣いたりしている子供を見る度に瑠璃子は反射的に避けていた。幼稚な行為というのは子供も大人も関係なく大嫌いだった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/34
35: yumu [sage] 2019/07/24(水) 18:46:04.49 ID:J3zr5H/M ある日瑠璃子は職場近くのオシャレなカフェにて、子育て雑誌を受け持っている別部署のチームリーダーと打ち合わせをしていた。 彼女は瑠璃子と同期で、退社していく同性の同僚もいる中、社内で唯一気を許して話せる戦友的存在だった。 瑠璃子はカフェラテにシーフードプレートを口にしながら、仕事の情報を交換していく。 「最近はファッション雑誌も幼稚なモデルが増えたわねぇ、可愛い系って言うの?」 「まぁ時代の流れだしね、それで、そっちに新しく入った派遣社員の女の子はどうなの?」 同期の女性がアイスコーヒーを口にしながら瑠璃子の様子を尋ねる。 「全っ然ダメ!仕事を覚えるのも遅いし、言いたくないけれど給料泥棒って感じ?」 「そうなんだぁ、でも何だか気真面目そうな感じだったじゃん」 「見た目だけね、何ていうかああいう童顔で子犬みたいな性格の子って苦手なのよねぇ」 瑠璃子は先月入って来た、派遣社員の女の子を思い出す。どこかオドオドしていて、背も低く幼児体型。 可愛い子ぶった全体の雰囲気が、大人の雰囲気を醸し出す自分とは相容れない存在だと感じていた。 現に今日も、多くの雑用をその子に押し付けて、早々とランチに出向いてきたのだ。 「うぇぇぇっっっん!!」 「チッ!」 店内の奥で、歩きはじめたばかりの幼児が泣き出し、母親が必死で泣き止ませているところをみて、瑠璃子は思わず舌打ちした。 「まったく、子連れでこういうカフェに来てほしくないよね」 「まぁまぁ、まだ小さいんだし仕方ないじゃない」 「でも、せっかくの雰囲気の良さが台無しにならない?」 「あれくらいの子供は泣くのも仕事みたいなものよ」 苛立つ瑠璃子を別部署の女性は必死で宥める。 「仕事だったらまだ我慢できるけれど、プライベートの空間にガキはいて欲しくないわね」 「あら、瑠璃子って子供を作らないタイプ?」 「作らないっていうか……眼中にないって言うか、基本的に子供って苦手だから出産なんて考えた事も無かったわ」 「へぇ……そうなんだぁ」 「ところで次の企画だけど、そっちは子育ての、えっと“子供の目線”っていう内容だっけ?」 「そうそう、子育てって大人の考え方中心でしちゃいがちだから、子供が今どういう考えを持って行動するかっていう内容、結構斬新な記事よ?」 瑠璃子は、子供が鼻をほじったり指をしゃぶったり、先ほどの子供の様に店内で泣いている時の心情を考えたが、幼稚な思考なんて全く分からず理解したいとも思わなかった。 「ふぅーん、大変だね、まぁ私も来週からパリコレの下見に行かなくちゃいけないから大変なんだけれどね」 「うわぁー、羨ましいぃー私なんて、自然体験学習の取材で来週から群馬の山奥だよ」 「紫外線が強くなってきているし頑張ってねぇ、フランス土産買ってくるからさ」 「はいはい、期待しているわよ期待のファッション誌のチームリーダーさん」 気が付くと、先ほどまで奥の方で泣いていた子供とその母親は居心地が悪くなったのか、姿は店内から消えていた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/35
36: yumu [sage] 2019/07/24(水) 18:51:26.22 ID:J3zr5H/M 仕事が終わり、ホテルのバーラウンジで瑠璃子は彼氏と落ち合う。 フランスに行くと言う事でブルゴーニュ産の白ワインを楽しみながら、互いの仕事の話に花が咲く。 彼氏は才能ある年上の小説家で、瑠璃子が担当した際にいち早くその才能を見抜き大成させた。 文学賞を受賞した後に、瑠璃子と交際が始まった。契約している作家と編集の恋愛は出版社的にはNGであったが、瑠璃子の強いアプローチと手腕は彼を強く魅了した。 バーを出てホテルに入ると、コニャックをチビチビと口にした後、一糸まとわぬ姿となり絡み合った。豊満な瑠璃子の身体に溺れる様に彼氏は汗を流し、瑠璃子は体全体で受け止めた。 仕事も、恋愛も、財力も、生活も全てが満ち足りていた。大人のアトラクティブで自由で、俗世的な日々を瑠璃子は堪能していた。 翌朝、彼氏と熱い口づけを交した後にホテルを出る。一旦家に帰って朝食を済ませてから出社しようとタクシーを捕まえた。 止まったタクシーはここらでは見かけない車種だった。個人タクシーなのかもしれない。 「お客様、どちらまで行きましょうか?」 ドライバーは女性だった、おそらく瑠璃子と同じくらいの年齢だろう。髪は短く、表情は帽子により読み取れなかった。 「〇〇駅の方までお願い、近くになったらこちらから細かい指示をしますので」 「かしこまりました」 瑠璃子は、私と同じくらいの年齢でタクシーの運転手なんて、大変な人生ねぇ、とボンヤリ考えていた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/36
37: yumu [sage] 2019/07/24(水) 18:58:26.99 ID:J3zr5H/M 「お客様、子供はお好きですか?」 少し走ったところでドライバーから質問を投げかけられる。 「えっ?まぁ……どっちかっていうと苦手な方かと思いますけれど」 急に変な話題を振られて瑠璃子は戸惑う。そういえば、最近似たような質問を受けた気がした。 「それじゃあ大変ですねぇ」 「な、何がですか……?」 「申し遅れました、私はこういうものです」 そういうと女性は名刺を渡してきた。そういえば車内にはタクシーなのに写真付きの身分証が置かれていない事に気づく。 名刺には【全日本魔術協会 塚井麻穂】と書かれていた。 「あなた、タクシーの運転手じゃなかったんですか!?」 名刺を見て驚いた瑠璃子は思わず声を上げる。 「ハイ、私は依頼人により仕事を請け負いました塚井と申します」 「スミマセン降りますので!車を止めてくだ……!?」 怪しい車に乗ってしまったと思い、車を止めてもらおうと外を見て声を失う。 車窓の外は真っ白で、まるで雲の中を走っている様に、信号もビルも人影も何も見えなかった。 「降りれませんよ、何せ今は魔法空間の中ですからね」 塚井麻穂という女性はさも当然といった様子で運転を続けている。 「いやいや、ちょっと嘘でしょ、なにこれ手品?それともドッキリ?どっかにカメラがあるんでしょ?」 「いえいえ、嘘だと思うなら自分の身体を見てみたらどうですか?それでも手品だと思いますか?」 「えっ……?」 瑠璃子は塚井麻穂言われて車窓に映る自分の顔を見て青ざめる。 「なにこれ……!ちょっと!!」 そこに映っていたのは、高校生くらいの顔になった自分の顔だった。大人びているがどこかあどけなく、10代後半の自分の顔に間違いなかった。 気付けば、服のサイズも合わなくなってきている。バストカップは若干緩くなってきており、履いていた靴も少し緩くなり、気づけばスーツも大きく感じる。 「今は魔法による時間空間の中を移動しておりますので、お客様の身体はどんどんと時間を遡って若返っています」 「そんな!!冗談でしょ!?お願い止めて!止めなさい!」 瑠璃子は塚井の肩を抑えようとしたが運転席には透明な硬いガラスのようなもので覆われており、触れる事すら出来ない。 ドアを開けようとしてもロックが掛かっており、出る事が出来ず、窓ガラスも開けられない。 そうこうしているうちに瑠璃子の身体はさらに若返っていく。 バストは既に膨らみ掛けの状態まで縮み、手足も細く短くなりストッキングが脱げそうになる。縊れたウエストは少しずつ寸胴体型になっていき、顔に丸みが出て来る。 ショーツがずり落ちない様に何とか服の上から押さえつけながら窓に映る姿を見つめると、そこには泣きそうになった小学生くらいの自分の顔が映っていた。 「嫌ぁっ!子供になんかなりたくない!!お願いやめてぇっ!」 車内に甲高くなった自分の声が響き、これが現実なのだと思い知らされる。瑠璃子はさらに小さくなり続ける身体に恐怖した。 陰毛はすっかりと無くなり、Fカップのバストは既に真っ平になっている。 初潮を迎えた年齢から退行すると一気に身体は子供から幼児になっていく。 おへそ周りが丸く膨らみ、歯が乳歯へと変化していく。 スーツは既に上だけ羽織っている様な状態で手足はより短くなり、筋肉が無くなった分柔らかな脂肪が身を纏う、そのため全体的に細い体つきからプニプニとした文字通りの幼児体型に変化する。 手の平は紅葉の様に小さく、爪も髪も細くなっていくのが感じ取れた。 「あぁっ……あぅっ……」 息が苦しい、身体が熱かった。 昨晩彼氏のイチモツを受け入れていた艶美な秘部も、一本筋の幼い割れ目となり、魅力的なヒップラインは消えうせ柔らかな桃のようなお尻になる。 高かった鼻も低くなり、頬に肉が着いたせいか口が上手く動かせない。頭部が大きくなったためバランスがとり辛く、靴が脱げ裸足で立っていると倒れそうだった。 先ほどまでゆったりと座っていたタクシーの椅子は今ではテーブルのような高さになっている。 身長はすでに100cmを下回っているだろう、顔を確かめたいが社内の窓にすら顔が届かない。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/37
38: yumu [sage] 2019/07/24(水) 19:04:56.91 ID:J3zr5H/M 「もうすぐ到着しますので、仕上げをしておきますね」 塚井が声を掛けると被さるように身にまとっていたスーツや靴が変化して瑠璃子の身に纏っていく。 彼氏と会う様で履いていたシルクのショーツは綿生地の分厚い幼児パンツとなる。 イチゴやサクランボといったいかにも小さな女の子が好きそうなピンクを主張した柄だ。 ボリュームあるFカップを包んでいたブラジャーは花柄の薄い肌着キャミソールになり、真っ平になった上半身を覆う。 スーツのジャケットはキッズトレーナーに変わる。ボタンの無く着やすい洋服は瑠璃子のサイズまで小さくなると、肩や裾の部分にはふんだんにフリルが出来る。 胸元にはアニメに出て来るプリンセスのイラストが描かれ、嫌でも着ている人物を幼稚な印象に思わせる。 スカートはハートマークがちりばめられたカットパンツへと変わる。ゴム生地素材で、ウエストも柔らかく伸び縮みする、児童が走り回っても大丈夫な綿生地素材となり短くなった瑠璃子の下半身を包む。 脱げたストッキングはコットン素材の靴下になり、小さな瑠璃子の足を包むとウサギのイラストが現れ、口元にはピンク色の小さなリボンが施される。 自分へのボーナスと思って海外で買ったパンプスはテープで止めるタイプの子供用の靴に変わる。赤一色だったスムース素材は、子供が走っても痛くないゴム質で柔らかいスポンジ底へと変わり、赤い運動靴にはハートや星のマークがちりばめられる。 長かった髪も縮みだし、毛先が肩より上に来たところでパッツンと揃えられる。前髪は短く大きなおでこが主張してくる。所謂ショートボブだが、小さくなった瑠璃子にはおかっぱ頭と言った方がよりイメージに近いだろうか。 最後に化粧ポーチや、大事な仕事のノートが入っていたバッグだった。 これも海外のショップで購入した瑠璃子お気に入りのハンドバッグだった。 バッグは小さい筒状の形になるとステンレスのフォルムに、樹脂のキャップが付いた子供用の水筒へと姿を変える。 溢さない様にシリコンゴムで出来たストローがワンプッシュで開くタイプだ。 可愛らしいクマのキャラクターが描かれたカバーが付けられ、バッグの持ち手は水筒の首掛けになって瑠璃子の首にぶら下げられる。 何十万もしたブランドバッグは一個千円するかしないかの安物のキッズ用水筒になってしまう。 バッグの中に入っていたものは中身の麦茶になったのであろうか、車内のどこにも落ちていなかった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/38
39: yumu [sage] 2019/07/24(水) 19:08:50.16 ID:J3zr5H/M 「お待たせ致しました、到着です」 タクシーが止まるのに合わせて瑠璃子の変化も終わる。 長身で魅力的なスタイルだった大人の女性はタクシーにいなかった。 開かなかったドアが自動で開きヨタヨタと出てきたのは、走ったら転んでしまいそうな足元のおぼつかない小さな幼女だった。 大きな頭につぶらな瞳、不安げな顔は今にも泣き出しそうだった。 小さくなった恐怖からか、アニメプリンセスの描かれたトレーナーの裾をギュッと掴むその姿は、怖がりで人見知りな女の子を彷彿とさせる。 「お代は結構ですよ、どうですか、小さな3歳児になった気分は?」 タクシーの外には塚井麻穂が降りて来て、しゃがんで瑠璃子の目線に合わせる。 瑠璃子よりも小さな体格だった塚井は、今ではしゃがまないと若返った瑠璃子の目線にならなかった。 「何よコレ!最悪っ!!3歳って何!?早く元に戻しなさいっ!!」 泣き顔から一転、怒りの表情となり大声で叫ぶ瑠璃子は、塚井の髪を掴もうとするが、筋力が落ち鈍くなった身体ではヒラリと簡単にかわされる。 「私は依頼を受けただけですので勝手に元へ戻す事は出来ません」 「誰に依頼されたのよっ!?」 「お答えできません」 怒りからか、思わず拳を強く握る。あれだけ女性的で大人びていた自分が、今ではチンチクリンな幼児になってしまっているのだ。 着ている服も瑠璃子が着るにはあまりにも幼稚で恥ずかしいデザインだった。外でなければ今すぐに脱ぎ捨てたい気分にだった。 「それでは依頼主のご注文通りに、最後の魔法をかけます」 「ちょっ!やっ、やめてよっ!!」 瑠璃子は塚井の手を振りほどこうとするが、大人に手を掴まれると小さくなった体格では敵うはずがなく、頭に手を触れられると脳がキューっと締め付けられる感覚になる。 度数の強いお酒を一気に飲んだ時のような、睡眠薬を何錠も飲んだ時のような、体全体が宙に浮いたと思った瞬間、一気に目の前が明るくなった。 「……な、なにしたの?」 自分の身体や辺りを見回すが、変わったところは無い。しかし瑠璃子は何故だか口が……いや舌先が上手く動かない気がした。 「安達瑠璃子さん、あなたには幼稚化の魔法を掛けました、それによりあなたの言動一つ一つが、あなたが幼稚だと思う仕草になります」 瑠璃子は、何を勝手に、いい加減にしないと警察を呼ぶわよ! と言ったつもりだったが、口から出てきた言葉は。 「そんなのいやだもんっ!」 発せられた舌足らずで、地団太を踏みながら大声を出したのは紛れもない瑠璃子自身だった。 それは瑠璃子自身が恥ずかしくなるほど幼稚な行動だった。 「フフフ、これからのあなたは、動きも、喋り方も、食べ方も、癖も、雰囲気も全てが幼稚だと思う動きになります、どんなに嫌で恥ずかしくて情けなくても魔法が解けるまでは一生そのままです」 なんで私がそんな恥ずかしいガキにならなくちゃいけないのよ!と叫んで殴りかかろうとした。 はずだった 「るりこは、はずかしくないもんっ!」 だが実際はほっぺたを膨らませて、いかにも拗ねた様な言い方をする自分自身に困惑する。 「プッ……フフフ、そうですね瑠璃子ちゃんは恥ずかしくないもんねぇ、でもそうやって親指をおしゃぶりしていると笑われちゃいますよ?」 「んむっ!?」 瑠璃子は塚井に指摘されて、自分が親指をチュウチュウと咥えているのに気付きスグに引っこ抜く。 自分でも気づかないうちに、様々な仕草が幼児特有の恥ずかしい言動に変換されてしまう。 瑠璃子自身は大人の行動をしたつもりだが、実際は正反対の動きや喋り方となって表れてしまう。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/39
40: yumu [sage] 2019/07/24(水) 19:12:23.88 ID:J3zr5H/M 「それでは最後に、今日からここが職場の代わりに瑠璃子ちゃんが通うところですよぉ?」 塚井が瑠璃子の背中を押して、手で指示した先には保育園の門があった。 小さくなった瑠璃子にとってはまるで競技場の様に大きな施設に感じられた。 「ほら、何て言うところだか分かりますか?」 瑠璃子は入口に掛かれている文字を読み上げる。 ももいろ保育園って……なんで私が保育園なんかに行かなくちゃいけないのよ!? と叫んだつもりだったが。 「えっとぉ……んっと、なんてぇよむにょ?」 口から出てきたのは、困った様に質問を投げ返す情けない口調だった。 気づけば、また親指が口の中に入れられており、おかげで上手く喋れずにだらしない言葉使いになってしまう。口の横からは涎が垂れてきている。 「そっかぁ、まだ文字は読めないもんね、ここはももいろ保育園っていう場所で、瑠璃子ちゃんはここの年少さんのヒヨコ組に通うんですよ?」 瑠璃子は戦慄した。到底現実とは思えない魔法使いとやらに見るも無残な幼児にされた挙句、言動まで幼稚にされ保育園に通わされるなど悪夢としか思えなかった。 瑠璃子は塚井に手を引っ張られる様にされながら保育園の中無理矢理入れられる。 驚く事に、これも魔法の効力なのか園内にいる誰もが瑠璃子と塚井の事を不審に思っておらず、それどころか毎日会っている様な素振りで接してくる。 「あらぁ、瑠璃子ちゃん、おはよう!」 保育園の入り口では、保育士と思われる女性が手を振って瑠璃子を呼んでいる。恐らく瑠璃子本来の年齢よりも若い、20代半ばの小柄で可愛らしい女性だった。 瑠璃子は名も知らない保育士に助けを求めようとした。 あの、信じられないかもしれませんが、私はこの人の魔法で小さくされたんです!警察を呼んでください! と叫んだつもりだった。 「ゆかりしぇんせー、おはよぉーございましゅっ!!」 気付くと瑠璃子は大げさなほど頭を下げて、名前も知らない保育士をゆかり先生と呼び朝の挨拶をしていた。 「今日も瑠璃子ちゃんは元気だねぇー」 ゆかり先生と呼ばれた女性は瑠璃子の頭を撫でて褒めて来る。 瑠璃子は必死になって今のは違うんです、これも魔法で……と伝えようとしたが。 「えへへへへぇ」 発せられたのは、褒められて嬉しかったのか間の抜けた笑い声だった、瑠璃子は自分がそんな恥ずかしい笑い方をして、しかも口元から涎が垂れそうになっているのが屈辱的でしょうがなかった。 「それではお預かりいたします」 「はい、お願い致します」 塚井は保育士にペコリと頭を下げると、園外に止めてあるタクシーまで帰っていく。 ちょっと待ちなさい!と瑠璃子は引き留めようとするが。 「ばぁいばぁぃー!」 出てきた行動は、手を大きく振って別れの言葉を言う事だった。それを見た塚井は笑いをこらえながら小さく手を振り返す。 次にあったら絶対にころしてやると瑠璃子は心に決めた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/40
41: yumu [sage] 2019/07/24(水) 19:13:00.93 ID:J3zr5H/M 続きは明日投稿予定 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/41
42: yumu [sage] 2019/07/25(木) 15:38:42.80 ID:WW1NuMXn 本当はこんな事をしている場合ではない、時計を見ると時間は既に9時半を回っていた。 いつもであれば出版社に出社している時間だ。先ずは外部に連絡をしなければいけない。 だが、携帯の入っていたバッグは水筒になってしまい、大人だった時の痕跡はどこにも残っていない。 それならば、園内にある電話を借りて助けを求めるしかないと瑠璃子は考え込んでいた。 記憶力の良い瑠璃子は出版社の番号から彼氏の携帯番号まで暗記している。 警察でも何処でも良い、保育園から電話が掛かれば、きっと不審に思い調査してくれる、そしていくら魔法が掛かっているからといっても、様々な手段で伝えればきっと自分が大人だった安達瑠璃子だと信じてもらえるはずだと、思い立ってスグ行動に移した。 はずだった。 「えっとぉ、もしもしぃー、るりこはねぇ……ひよこぐみなのぉ!」 幼稚化の魔法が掛けられている瑠璃子は、ヒヨコ組を出る事も無出来ず積み木のおもちゃを手にすると電話に見立てておままごとの様に会話を始めてしまった。 違う、違う、こんなごっこ遊びに興じている場合じゃないのに……こんな幼稚な行為を辞めて、電話を借りに行かなくちゃ。 「あのね、るりこね、おしごとのぉ、おでんわをするんだよぉ?」 誰もいない、架空の相手に対し積み木を耳に当て本心とは裏腹に愉快そうに会話を続ける。すると、近くにいた同じクラスの女の子が瑠璃子と同じように会話を始める。 「もしもし、るりこちゃんですかぁ?わたしは、ゆいなです!」 こんな恥ずかしいガキみたいなおままごとなんか今すぐに止めたかったが魔法が掛けられている瑠璃子は、はたから見れば夢中になった様に電話のおままごとを3歳児と一緒になって楽しんでいた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/42
43: yumu [sage] 2019/07/25(木) 15:46:38.95 ID:WW1NuMXn 「はぁーい、それでは朝の挨拶をはじめまーす!」 結局ゆかり先生が皆に声を掛けるまで遊びから抜け出せなかった瑠璃子はぐったりとしていた。 幼稚化魔法の影響は行動全体には反映していない、例えば手を上げたり、返事をしたりする時は自分の思い通りの行動が出来る。ただ大人としての振る舞いが出来ないのだ。 「それでは、朝のお歌をうたいましょう!」 ゆかり先生がピアノを弾くと、ひよこ組の園児が立ち上がる。もちろん瑠璃子もしたくはないが身体が反射的に周りの幼児と同じように動いてしまう。 周りを見渡せば、同じくらいの背格好をした幼児たちが落ち着きなく動き回っている。ある男の子はヘラヘラと笑い、ある女の子は恥ずかしそうにモジモジとしている。 大人びた自分とは真逆の全体から滲み出る幼児特有の雰囲気にため息が漏れる、だが今やこんな幼児たちと同じ存在なのかと思うと情けなくなり、同時にこんな存在にさせた塚井麻穂に対し殺意が湧いてくる。 気が付くと瑠璃子自身も親指を根元まで咥えながら、身体をゆらゆらと動かしてしまっている事に気づき、慌てて親指を抜いて姿勢を正す。 気を抜けば幼稚化の効力で恥ずかしい幼児としての行動をしてしまう自分が悔しかった。 大人であれば、振り付け付きの童謡など恥ずかしくて、やったとしても小声になってしまうだろう。 瑠璃子も周りの幼児と交じってお歌を唄うなんてまっぴらごめんだった。 しかし。 「せんしぇー!おはよぉー!みなさんっ!おはよぉー!」 実際は大声を張り上げる様に歌う自分だった。リズムも音程も関係なしでただ大きな声を出しているだけ。 止めて、こんな幼稚なお遊戯なんかやりたくない!だがいくら心で叫んでも、幼稚なダンスは止められない。 想像以上の幼稚さ、その恥ずかしさに瑠璃子は顔を赤くして泣きそうになる。 「おっはなぁーも!にこにこ!わらっていましゅっ!」 手はまるでサルのおもちゃの様にパンパンと思い切り叩き、ピョンピョンと跳ねながら歌う仕草は、周りの三歳児と比べても十分すぎるほど幼稚に見えた。 恥辱的とも言える朝のお遊戯が終わると、ようやく自由の身となれる。息を切らしながら瑠璃子はいましたばかりの醜態を忘れようとしていた。 さらに並行してキャリアウーマンとしての瑠璃子の脳内では、あらゆる作戦を考えていた。 いくら幼稚化の魔法を掛けられていたとしても、操られるのは言動だけ、心までは魔法に掛かっていない。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/43
44: yumu [sage] 2019/07/25(木) 15:56:06.58 ID:WW1NuMXn 朝のご挨拶が終わっても教室内は相変わらずやかましく、耳障りな子供の声が響き渡り瑠璃子をイラつかせていた。 3歳児といえば声のボリュームを調整する事も無く、大きな声で叫びまわるのが普通だ。お喋りをするのが楽しくなってきている時期だ。 しかし、瑠璃子にはそんな事は関係なく、冷静になりたいが騒々しく皆落ち着きが無い。 しかも自分自身も喋ろうとすると、他の子と変わらず大声で舌の回らない幼児言葉で話してしまうというのに嫌気がさしていた。 そんな中、先ず瑠璃子が行ったことは筆談だった。 喋ろうとしても、幼児特有の支離滅裂な話し方、口調になってしまう中。小さな手で不器用になってはいるが文字は書けそうだった。 3歳児が文字を書き、大人とコミュニケーションと取って助けを求めれば、いくら何でも保育士も不審に感じてくれるはずだ。 早速瑠璃子はお絵かきコーナーから画用紙とクレヨンを持って来ると、文字を連ねた。 『私の本当の姿は出版社に勤める28歳の会社員です、信じられないかもしれませんが塚井麻穂という女性によってこの様な身体にされて、保育園に連れて来られました。 お願いします、警察か出版社に連絡を取って下さい』 多少不器用な文字にはなったが、ここまで書ければさすがに大人たちも不振に思うはずだと、クレヨンを箱に戻した。 はずだった。 「アラ!瑠璃子ちゃん、とっても上手に描けわねぇ!これは瑠璃子ちゃんのお顔かなぁ?」 後ろからゆかり先生が声を掛けて来る、思っていた反応と違っていたので改めて画用紙を眺めて絶句した。 そこに描かれていたのはいびつな丸と線で出来た落書きだった。 おそらく人の顔であろう絵はいかにもお絵かきを始めたばかりと言わんばかりの下手くそなもので、瑠璃子が一生懸命書いていたはずの手紙は、実際は幼児の拙いお絵かきになっていた。 これは違うんです!これは魔法の影響で……本当は文字を書こうとしたんです!そう言おうとしたのだが。 「うん!えっとねぇ、るりことぉ、ねこちゃんがぁ、いっちょにね、あしょんでるのぉ」 きっと言われなければ、描かれているものが猫だなんて分からないであろう。 今日何度目であろうか、自分の意思とは違う、口にするだけでも恥ずかしくなってくる幼児口調で本物の3歳児と同じような台詞になってしまう。 「そっかぁ、それじゃあ後で壁に貼っておこうか?」 「やったぁ!」 やったぁじゃない!心の内では怒鳴っているが、瑠璃子の本心は誰にも伝わる事が無い。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/44
45: yumu [sage] 2019/07/25(木) 16:04:46.25 ID:WW1NuMXn 他にも色々とこの状況を打破しようと動き回った。 魔法に掛けられたとして、ここの園児という立場に認識されているのであれば、保育園内には自分が通っている痕跡が無いはずだと思ったが 実際は何故か自分のロッカーがあり、身に覚えのない工作道具や遠足に行った時の写真があったりと、年少のヒヨコ組に通う安達瑠璃子ちゃんという存在は確かな証拠として存在していた。 さらに小さな体格では保育士たちの目を掻い潜って保育園から抜け出せるはずもなく、それどころか幼稚化の魔法により、気づけば3歳児たちと一緒に遊んでしまうのだ。 瑠璃子の意識ではこんなガキたちと一緒に遊ぶなんて嫌だし屈辱的だと感じていても、気持ちとは裏腹に顔は締まりのない笑顔になり、呂律の回らない口調となり、おぼつかない足取りでヒヨコ組の皆とボール遊びや粘土遊びに興じてしまうのだ。 Fカップのボリュームあるバストも、細く長い足も、男性たちを虜にし続けて来た魔性の微笑みも失った今の瑠璃子では色仕掛けなんて出来るはずが無く、むしろ下着や胸元が見えるのさえ気にせず、恥ずかしげもなく動き回ってしまう。 瑠璃子自身制御の効かないこの身体はまるで催眠術にでも掛かってしまった様に幼稚で痴態な行動を繰り返すのであった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/45
46: yumu [sage] 2019/07/25(木) 16:13:01.46 ID:WW1NuMXn 気付けば正午を迎えようとしていた。 ももいろ保育園はお弁当ではなく給食システムの様で、皆でテーブルを囲むと配膳されたプレートが先生達によって運ばれる。 瑠璃子自身も空腹を覚えていた。改めてお腹をさするとポッコリと丸く突き出たお腹がそこにはあり、今朝までの縊れたウエストラインが消滅している事に再度ショックを覚える。 プレートの上には焼うどんに、小さなオムレツ、カボチャの煮物にお味噌汁、そして半分に切られたバナナが盛り付けられていた。 お子様ランチのような恥ずかしい昼食を想定していた瑠璃子からしては、思っていたよりも質素で少量の昼食に安堵していた。 いつもで有ればご飯を食べる時は長い髪をひとまとめにしていたが、魔法によりおかっぱ頭にされていた事に気づき改めて自分の身体が若返ったのだと実感して悲しくなった。 「いただきまーす!」 音を立ててうどんを啜る音、口の周りをオムレツのケチャップで汚している子、お味噌汁飲もうとして胸元にこぼしている子、口に物が入っているのに喋っている子。 昼食の光景全てが瑠璃子にとって不快でしかなかった、いつもであれば優雅に人気のフレンチやオーガニックカフェ、休日であれば彼氏と昼間にワインでも飲みかわしているところだ。 だがこの状況では仕方なしと覚悟を決めて、お箸を手に取って口に運ぶことにした。 多少不器用ではあるが、箸でうどんを掴むと音を出来るだけ立てずに食べる。お味噌汁を一口飲んでカボチャの煮物の甘味にどこか懐かしさを覚えた。 はずだった。 「瑠璃子ちゃん、スプーンやフォークを使って給食は食べましょうねぇ」 ゆかり先生の声が聞こえハッと我に返る。気づくと右手にはケチャップの付いたオムレツが握られており、手づかみで口にしていた。 スグにオムレツをフォークにさして食べ直すが、手にはベットリとケチャップが着いており、身体は反射的にハートマークがちりばめられたカットパンツやトレーナーでゴシゴシと拭ってしまう。 嫌っ!こんな子供じみた食べ方なんてしたいわけじゃないの! 瑠璃子が困惑する中、お味噌汁を飲めば口元を汚し先ほどの子供の様に胸元に染みを作ってしまう。うどんを食べれば口元にソースが付き、これも袖もとで雑に拭い取る。 カボチャはフォークから零れ落ちアニメプリンセスの描かれたトレーナーには味噌汁の染みの上からカボチャの黄色い汚れがこびりつく。 今すぐにでも洗面台に行って汚れを落としたいのだが、幼稚化魔法の影響で瑠璃子の身体は汚れを気にする事無くバナナに手を伸ばす。 「あのね、んっ……るりこぉ、バニャニャねぇ……んぐっ、しゅきなんだよぉ」 バナナを口にしながら隣の女の子に話しかけるものだから、クチャクチャと不快な音を出しながら喋り続ける。 隣の女の子も洋服や口元を汚し、無邪気にバナナを食べながら喋る瑠璃子の事をポカーンと見つめていた。 最早3歳児にさえ呆れられるような醜態に、瑠璃子の精神は限界に近かった。 大人びていて、可憐で、エレガントな安達瑠璃子が今では、誰が見ても幼稚で考えの浅く、同い年の中でも明らかに稚拙な部類に入る可愛らしい3歳児だった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/46
47: yumu [sage] 2019/07/25(木) 16:23:40.54 ID:WW1NuMXn 僅かな量ではあったが、小さくなった身体には十分だったようで、空になったプレートを片付け終わると若干の倦怠感に襲われる。 結局のところ半日の間、大人で有る事の証明も、塚井の消息も、職場に連絡する事も出来なかった。 「はーい、それじゃあ、お昼寝の準備をするのでー、おトイレ行きたい子は行ってきちゃってねぇー」 ゆかり先生の声が再度教室に響く。そういえば保育園はお昼寝なんてあるのかと瑠璃子はぼんやりと考えていた。 社会人の立場からしたら、遊んで昼食を食べてお昼寝をするなんてこんな贅沢な事は無かった。しかしそれは若返っていなければの話である。 もしこのまま戻らなければ……瑠璃子はこれから先の悪い未来を思い浮かんで背筋を凍らせた。 このまま幼稚化魔法に掛かったまま保育園に通い、小学校に通い、中学生をやり直す。考えただけで顔が引きつる。 「るりこちゃん、いっしょにおトイレいこう!」 瑠璃子が立ち尽くしているところを見て、朝に一緒に遊んだゆいなちゃんが手を引っ張ってトイレに連れて行く。 えっ何ココ!?思わず瑠璃子は心の中で呟く。 目の間に広がるのはトイレだったが、保育園の児童用トイレというのは瑠璃子の想像している物とは大きく違っていた。 先ず個室が存在せず、剥き出しの児童用の小さな便器がいくつか置いてあるだけだった。 一応手すりはついていたが、これではトイレで排泄している様子が丸見えだった。 児童が使用すると言う事で、個室にせずにスグに保育士たちが子供の世話を出来るような仕組みになっているのだろうが、大人の瑠璃子が使用するにはあまりにも恥ずかしすぎるトイレだった。 さらに年少組のトイレは男女兼用となっており、すぐ近くでは男子用の小さな小便器が置いてある。 「あれぇ、るりこちゃんは、おトイレしないのぉ?」 気付けばゆいなちゃんは、恥ずかしげもなくズボンも下着も膝まで降ろして便器に腰かけている。 それを見て思わず瑠璃子はそんな所で排泄出来る訳ないじゃない!そう叫びながら顔を高揚させながら、トイレを出た。 はずだった。 「うーんー……でるかなぁ?」 瑠璃子は小さな便器に近づくとズボンとパンツを一気に足首まで降ろして座り込む。 止めて!止めて!今すぐズボンを履かないと!小さな子にこんな恥ずかしい姿を見せないでぇ! 意識ははっきりとしているが、身体は下半身を丸出しにしたまま動かない。トイレは子供たちが出入りしており、瑠璃子の様子は誰からも丸見えだった。 さらに幼稚化魔法の影響で、便器に座ってもスグに用は足せず、腰を揺らしたり洋服をいじったりととにかく落ち着きが無い。 一方のゆいなちゃんは既に用を足し終わり、ズボンを履き直して手を洗っていた。 「るりこちゃん、おわったぁ?」 「うんー!まってぇー!」 まだ終わっていないにも関わらず、適当にズボンを履き直すとゆいなちゃんに向かって走り出した。 せめて、手を洗わせて!と瑠璃子の意識は蛇口にあったが、身体はいう事を聞かず既に給食で汚たトレーナーで雑に手を拭いた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/47
48: yumu [sage] 2019/07/25(木) 16:31:07.00 ID:WW1NuMXn 「はぁーい、それじゃあおやすみなさーい」 カーテンのしまった体育館の様なところにはマットのような布団が広がっており、それぞれが用意したタオルケットを敷いた場所で児童たちは横になる。 眠くない子もいるようで、電気を薄暗くした後にゆかり先生は童話を優しい声で読みだした。 瑠璃子も言われるがままタオルケットの中に潜り込んだ。給食以降の自分の幼稚な行動を思い出してげんなりとしていたが、お昼寝の時間であれば安心だった。 横に寝ているだけならば、幼稚も何も関係が無い。むしろこの時間を使って改めてこの現状をしっかりと確認する必要があった。 幼稚化の魔法はどこまで影響力があるのか?出版社の仕事はチームリーダーの自分抜きで大丈夫なのか? 塚井麻穂の正体は?全日本魔術協会とは何なのか?元に戻る手立てはその協会にあるのか? せめてスマホがあればネットで調べられるのにと瑠璃子は悔しがる。 塚井麻穂を殺せば魔法は解けるのか?そもそも何で私がここの保育園に通わなくてはいけないのか、何か理由はあるのか? それから依頼人とは誰なのか?私に恨みがあるのであれば殺せば良い、つまり殺せない理由があったのか?それはこの保育園と関係があるのか? 様々な考えが小さくなった頭の中に過る。 そもそもこれは現実なのか?幻覚の可能性は無いか? それに例えば私が大怪我をして病院に運ばれれば事態は何かする変化するのではないか? 3歳児になったという事は保険証や戸籍はどうなっているのか? 長々と思考を繰り返す中、ある程度考えはまとまってきていた。 先ずは今日一日を過ごして様子を見る事が重要だ、出版社の仕事は後からでも事情は説明できる。 少なくとも来週のパリコレの視察までに事態が解決の方向に進めば良い。 それから、自分にこの忌まわしい魔法を使った塚井と再度接触して、出来れば交渉を取り味方にする手立てはないか? 周りの児童がスヤスヤと寝息を立てて寝ている中、一人野望に燃える瑠璃子であった。 しかしながら、そう思っていただけで現実は違っていた。 「瑠璃子ちゃん、起きる時間よ?」 「んんぅーー……?」 いつの間にか眠りに落ちていた瑠璃子はゆかり先生に肩を揺らされてゆっくりと目を覚ます、電気は付けられてカーテンの外からは眩しい光が漏れてきている。 辺りを見回すと、他の子供たちは起きて遊び始めている、瑠璃子はヒヨコ組の中でも最後の方まで眠ってしまっていたようだった。 ぼんやりとしたところで、口周りが涎でベトベトな事に気が付く、どうやら寝ている時も親指をしゃぶっていたようで、指の皮が若干ふやけている。 寝まいと決めていたのにしっかりとお昼寝をしてしまった恥ずかしさを感じつつ起き上がろうとしたところで、下半身に違和感を覚える。 「んっ…………えっ、う、うしょっ……!」 スグにその感覚が、濡れたパンツがお尻に張り付いている感覚だと気づく。溜めこんでいたものを出し切った様な開放感がどこかある。 生暖かくグショッと広がる感触、生暖かい液体が冷えて身体がブルッと小さく震えた。 そしてタオルケットの中から酸っぱいような独特のアンモニア臭がから鼻につく。 紛れもない、おねしょの痕跡だった、それもちょっと漏れた程度ではなく、タオルケットやズボンまでビッショリと濡れている、しっかりと出し切った量だった。 「どうしたのかなぁ…………あらあらぁ!瑠璃子ちゃん、ちょっとお着替えしましょうねぇ」 瑠璃子の異変に気づいたゆかり先生が、タオルケットごと抱きかかえると別室に急いで運ぶ。 誰かが後ろから、おしっこもらしてるーと大きな声を出している。 瑠璃子は自分がしてしまった事に混乱しており、否定したかったが言い訳も出て来ず、何も言えずゆかり先生に抱きかかえられていた。 そして、ただただ股間周りを包む濡れた衣類が不快でしかなく、情けなかった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/48
49: yumu [sage] 2019/07/25(木) 16:52:52.97 ID:WW1NuMXn 「あら、代わりの下着ってこれしかないんですか?」 「ハイ、調度今はこれしかなくて……洗濯しちゃったばっかりで」 保育園内にある医務室のようなところに瑠璃子は連れて来られていた。 大人が使用する部屋に入り、今の自分の小ささに思わずたじろぐ。 椅子も机も全てが大きく、自分一人ではとうてい座れそうにない、ドアの取っ手だって今の自分では背伸びをしてやっとだ。 「瑠璃子ちゃん、着ていたのは保育園でお洗濯するから、代わりにこの服を着てもらっていい?」 ゆかり先生が取り出したのは、黒のハーフパンツだった。それ自体は問題では無かったが、下着を見て瑠璃子は固まる。 「いやぁっ!」 自分の感情通りの声が出る、ゆかり先生が持っていたのは女児用の紙おむつだった。 ピンク色のモコモコの吸収剤が備わった独特のシルエット。おむつの正面にはクマのキャラクターが笑っていた。 そんな、赤ちゃんじゃあるまいし!そう言おうとした。 「るりこ、あかちゃんじゃないもん!」 ほぼ同じニュアンスで台詞が出た事に再度驚く。この調子ならば、おむつを履くのを逃れられるかもしれない。 「あら、これはおねしょパンツって言っておむつじゃないのよ?」 「えぇーっ!」 「これは寝る時だけのパンツで、瑠璃子ちゃんよりもお姉さんだって履いているのよ?」 いかにも小さい子に言う台詞に瑠璃子は苛立つ。 「うっしょだー!」 「ほらここにパンツって書いてあるでしょ?」 ゆかり先生はパッケージを見せてくるが、そこには夜専用おむつとしっかり明記されていた。 やっぱりおむつじゃない!そんなの大人の私が履くわけないじゃない!と叫んだ。筈だった。 「ほんとぉー?」 幼稚化魔法の影響で文字が読めないといった台詞を口にして、焦る。 違う、違う、そんなの履きたくない!しかしいくら叫んでも瑠璃子の口からは一言も発せられない。 「そうよ、それにパンツに描かれているクマさんだって、瑠璃子ちゃんに履いてほしいと思うなぁ?」 ゆかり先生はいかにも子供だましといったふうにおむつを左右に振って興味を持たせてくる。 「しょれはいたら、るりこも、おねえたんになれる?」 「そうよー今日は練習で履いてみましょうか、帰る頃には瑠璃子ちゃんのパンツも乾くと思うから」 嫌だ!嫌だ!何で私がそんなもの! 「じゃあーはくー!」 はくーじゃない!3歳児になったからって紙おむつなんて嫌!しかし身体は両手を上げ喜びながら、紙おむつに足を通していく。 カサカサとした感触は明らかに、布で出来たパンツとは違い、分厚い吸収剤が歩くたびに意識させられる。 履いているだけで、私は一人でトイレに行く事が出来ませんという証を示しているようなものだ、そんなものを瑠璃子が許すはずがなかった。 しかし、幼稚化魔法はお姉さんが履くパンツだと勘違いしたという認識で行動しており、 どれだけ瑠璃子が脱ごうとしても、紙おむつに手を掛けるのがやっとで幼稚な動き次第では大きめのハーフパンツが少しでもずり落ちれば紙おむつがしっかりと見えてしまいそうだった。 おねしょで汚したズボンとパンツが手洗いで外に干されるのを見ながら、瑠璃子はワナワナと震えながら医務室を後にした。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/49
50: yumu [sage] 2019/07/25(木) 17:04:42.16 ID:WW1NuMXn 瑠璃子のイライラはマックスに近かった、ただでさえ嫌いな子供たちに囲まれ、自分より年下の保育士にお昼寝の失態を片付けられた挙句紙おむつまで履かされたのだ。 これ以上の屈辱は無かった、本来であればこんな嫌なことがあった時は仕事終わりにスポーツジムで汗を流した後に、クラブにでも行ってお酒を飲んでストレスを発散したいところだった。 しかし、今はボール遊びで汗を流し、クマのキャラクターが描かれた水筒の麦茶を飲む。 上着のトレーナーは涎やソースを拭いたせいで湿った汚れがこびりついており、下半身はおねしょにより汚したため借り物のハーフパンツ、下着は紙おむつ、大人びていた瑠璃子の雰囲気とは真逆だった。 さらに言えば、遊びや食事、会話をとっても他の3歳児よりも幼いというのがさらに屈辱的だった。 例えば、先生が「みんな右手を上げて―」と言われた際、他の子が右手を上げている中、瑠璃子の身体は右と左が分からずに迷っている素振りをしてしまう。 先生が三角形を「これは何て言う形かなぁー」と質問すれば瑠璃子は「たんたくけー!」と答えてしまい、隣の女の子から「ちがうよー、さんかくけいだよー」と指摘されてしまう。 語彙力も、滑舌も、3歳児というよりは、言葉を覚えたばかりの赤ん坊の様な言い方に瑠璃子自身耐えられないでいた。 何もしないでいようと思っていても、遊んでいる光景が目に入ると勝手に近寄って行ってしまう。 話さないでいようと思っていても、誰かが近くにいると自分から喋ってしまう。それに気づけば親指をチュウチュウと咥えるおしゃぶりの癖が出てきてしまう。 瑠璃子がようやく落ち着く事が出来たのは、トイレの外にある手を洗う小さな洗面台だった。 周りに誰もおらず、遊ぶものも無い。呼吸を整えて、再度鏡に映る自分を見つめる。 クソガキ……そう心の中で呟いた。ノーメイクで、無邪気な顔は世間の事も何一つ分からず、赤ちゃんの様な可愛らしい雰囲気を放っている。 それ故に無知そうな表情、ダサい髪型をしているのが、あのモデル顔負けのスタイルを誇り、男性たちの目線を集めていた自分だとは思いたくなかった。 瑠璃子は怒りの表情に変わると、小さな拳を強く握って鏡に映る自分の顔を力いっぱい殴った。拳からジンワリと痛みが広がり、その痛みに一瞬顔をしかめた。 はずだった。 「……んぁっ?」 何が起きたのか一瞬分からなかったが、鏡に映る自分の顔を見て思わず口を開けてしまう。 殴りかかった右手は、人差し指を突き出すようにして自分の鼻の穴をグリグリとほじっていた。 鏡に映る自分の顔は間抜けそうに口を開けて鼻の下を伸ばしながら、隠す様子も無く鼻の奥まで指を突っ込んでいる。 「なっなっなっ……」 声にならない、スグに指を引っこ抜き、怒りと混乱から思わず左手で洗面台に向けて拳を振り下ろした。 はずだった。 「……ふぁっ!」 今度は左手で反対側の鼻の穴をほじくりかえす、反対の穴からは鼻をほじったせいで鼻水が垂れて来る。 それでも瑠璃子の身体は半目になって鼻の下を滑稽なほど伸ばしながら、鼻をほじるのを止めない。口からはフガフガと息が漏れてくる。 鏡が目の前にある分、いかに自分が周りを気にせずに剽軽な表情をしているのかが嫌でも目に入ってくる。 「あーっ、やだぁーるりこちゃーん!」 横を通り過ぎるヒヨコ組の女の子に間抜けそうに鼻をほじる顔を見られて笑われる。 それでも指は鼻をいじり続ける、数秒たってようやく指が抜けると、そこには黄ばんだゴミがくっ付いており急いで蛇口で洗い流した。 怒りでどうにかなりそうだった、こんな惨めな思いを体験したのは生まれて初めてだった。こんな思いをするくらいなら死んでしまいたかった。 僅か一日で瑠璃子は経験した事の無いストレスに押しつぶされそうになっていた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/50
51: yumu [sage] 2019/07/25(木) 17:15:48.21 ID:WW1NuMXn 長くなってきたので渋にまとめました。続きを読まれる方は下記からどうぞ。 ttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11443603 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1487512860/51
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