[過去ログ] クリフトとアリーナの想いは Part12 (545レス)
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132: 恋をしては……恋をしても…… 中編 5/12 2011/05/04(水)05:46 ID:X/MX6nGM0(6/14) AAS
「でもでも、結局やることは何も求めるなってことなんでしょ?」
「まあ、はい。極端に言えばですが、そういうことですね」
「そんなのつまんないじゃない」
「一つの考え方ですから姫さまは姫さまの思うようにすればいいのですよ」
「そんなの、だってそんなの……」

したいことをがまんして周りの言うことだけ聞いてる人生なんて、私はそんなのぜったいにいや!
どうして神父さまはクリフトにそんなこと言ったんだろう……。よし!神父さまが戻ってきたら問い詰めよう!

「姫さま……」
「なに?」
「その……」
「ん?」
「……申し訳ありませんでした……」
「え?」

さっきよりもしずんだクリフトの声。ちょっとドキッとした。

「だから謝らないでったら。さっきのこと?それならもうぜんぜん気にしてないわ」
「いえ、先ほどのこともありますが、それに関係して、その……今回の一件のことです」
「一件?」
「王のご病気は無事治せたものの、私は……結局何のお力にもなれませんでした。ただ面倒を重ねただけで……」
「えっと……あ、さえずりの蜜のこと?さっきとぜんぜん関係ないじゃない。
私はクリフトに感謝してるわ。だって、もしあのままさえずりの蜜を持ち帰ってたら窃盗になってたんだから」
「…………」

「あの時は……言葉が何一つ出てこなくて……姫さまをお止めしただけの責任を私は何一つ果たせていません。
おふたりの力がなければエルフたちを説得させることはできなかったでしょう……」
「っもう、なにいってるのよ。お父さまのご病気は無事治ったんだから、過ぎたことはもういいじゃない」
「そう言えるのはさえずりの蜜が手に入ったからでしょう。もしあの時、もとよりエルフたちが戻ってこなかったら……」
「クリフト……」

どうして今さらそんなこと……。エルフたちは戻ってきたんだから戻ってこなかったときのこと考えたって……。
時々クリフトのことがわからなくなる。クリフトだってがんばってくれてたのに。あんなに大声で叫んでくれてたのに。
ほんとは高いところが苦手だったのに……。

「もしさえずりの蜜が手に入らなかったら、またみんなで違う方法を探すまでよ。だから大丈夫!ね?」

私は力強く言ってにっこり笑ってみせた。いいこと言えたかな。これでクリフトの気持ち、少しは晴れてくれるかな。
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