[過去ログ] クリフトとアリーナの想いは Part12 (545レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
329: 恋をしては……恋をしても…… 後編 3/14 2011/09/17(土)18:43 ID:e3/StdJB0(4/16) AAS
「だって私今でも覚えてるもの。神父さまが初めてお外で教えてくれたお勉強。
お空がこんなに澄んでるのはなんでだろうって。海がこんなに青いのは、葉っぱがこんなに緑なのは、風がこんなに気持ちいいのは。
それはみーんな神さまがそのようにお作りになったからだって。
でもひとつだけ神さまが思い通りにお作りにならなかったものがあるって。それが人の心ですよって。そのあと草の上でお昼寝したのよねっ」
「そうでしたっけ。嬉しいですよ。そんな過去のことを覚えていてくださるなんて」
「神父さまの聖水のまき方がすごーくカッコよくて、夜寝る時いっつもまねしてたんだから」
「そんな、夜もまねしていたのですか。恥ずかしいですよ」

神父さま嬉しそうに笑ってる。私も嬉しくなってきた。

「あとねあとね、クリフトと初めて3人でお勉強した時のことも覚えてる!
クリフトったらぶあっつい教科書持ってくるから私はお外でお勉強したいってけんかになっちゃって、そしたら神父さま大爆笑してたわよね。
あなた方にはまず講義とは何かからお勉強しなければなりませんねって。
それで結局お外に出たのよね。あの時のクリフトの引きつった顔おかしかったー。外でする講義など聞いたことがありませんって」
「よく覚えてますねえ」

しゃべっててはっとした。そうだ、神父さまが初めてお勉強を教えてくれた時がクリフトのいない時だったんだ。
クリフトと初めて3人でお勉強した時はクリフトがお城に戻ってきてからのこと。
そうよ、どうして今まで思い出せなかったんだろう。なんでクリフトといっしょにいた記憶しかなかったんだろう。うーん。
そんなことをぼんやり考えてたら神父さまの手が少し震えた。私は思わず神父さまを見る。

「神父さま震えてる。寒いの?」
「おや、そうですか?寒くはないはずですが……もう少しおふとんをしっかりかぶってみましょうか」

神父さまは手をほどいておふとんを口もとまでかぶった。私はすき間が空かないように神父さまをひっぱる。
そんなに近づいたら恥ずかしいですよって神父さまがおっしゃったけどすき間が空くと寒いのよって教えてあげて私はもっとひっぱった。
クリフトも冷えるといけないからおんなじようにひっぱる。みんなで密着ー。
なんだか神父さまとクリフトを守ってあげてる気分。やっぱり寝るときはまんなかにいるのがいちばんだわ。

「神父さまーもう一回手つなご?」
「…………」
「つなごー?」
「……姫さまは甘えんぼさんですねえ」
「えーいいじゃない、つなぎたいんだもん」

神父さまは笑いながらもう一度手をつないでくれた。
なんでだろ、私神父さまの前だとすっごく素直になれるの。思ったことなんでも言える。甘えんぼって言われてもぜんぜんいやじゃないし。
クリフトの前だとすぐつんけんしちゃうのに。反対のこと言っちゃう時もあるのに。なんでだろ。
クリフトの前だって思ったことなんでも言えたらいいのに。いっつも迷惑かけてごめんねって。いっしょにいてくれてありがとうって。
これからもいっしょにいてねって。……だめ。やっぱり言えない。なんか悔しい。よろしくって言うのでせいいっぱいだわ。
1-
あと 216 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.006s