[過去ログ]
【クリアリ】クリフトとアリーナの想いは Part13【アリクリ】 (982レス)
上
下
前
次
1-
新
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索
歴削→次スレ
栞削→次スレ
過去ログメニュー
921
:
秘められた恋 2/3
2014/09/15(月)20:53
ID:KapdKcF70(3/7)
AA×
[240|
320
|
480
|
600
|
100%
|
JPG
|
べ
|
レス栞
|
レス消
]
921: 秘められた恋 2/3 [sage] 2014/09/15(月) 20:53:47.38 ID:KapdKcF70 幸せそうに微笑む二人。写真の裏にはこう記されていた。 『クリフト。たとえ添い遂げられずとも、あなたは私が愛した最初で最後の人です』 風のうわさ程度だが、話には聞いたことがあった。 かつて世界を闇の恐怖から解放した、天空の血を引く勇者と七人の英雄たち。 その一員である若き王女の活躍と、誠実な臣下であった聖職者の献身。 そして、許されることなく終焉を迎えた彼との悲恋。 「クリフト?ねえ、そこに…いるんでしょう?私よ…アリーナよ」 両の瞳こそ開いてはいるが、もう女王の視界には誰も入り込む余地はない。 青年はしばらく黙考していたが、何かを決意した表情で立ち上がると、 人払いをして自分以外の者を部屋から下がらせた。 二人だけになった部屋で青年はひざまずき、養母の手をそっと握り締めた。 『アリーナ姫様、お久しぶりでございます。長い間お待たせして申し訳ありません』 無論、クリフトはここにはいない。 目の前の青年が、彼のふりをして話しかけているのだ。 「…本当だわ、長すぎよ。でも、きっと帰ってきてくれると…思ってた」 青年は胸にこみ上げる思いを必死に押さえ、淡々と演技を続けた。 乗りかかった船とはいえ、ここで中途半端にやめてしまえば 直ちに我が身は自責の念に押しつぶされてしまうだろう。 今の自分は息子ではない。養母が今でも想いを寄せる彼の人なのだ。 青年は心の中でそう言い聞かせ、自らを奮い立たせた。 「もう…どこにも行かないで。もし行くなら…今度は…私も連れて行って」 『私は姫様のおそばにずっとおります。もうどこにも参りません。だからご安心下さい』 養母は最後の力を振り絞り、涙を浮かべて笑った。 無垢であどけない少女の頃を彷彿させる、ありったけの笑顔で。 その直後、わずかに残る砂時計の砂が完全に落ちきったかのように、 波乱に満ちた女王の人生は、静かに幕を下ろした。 「養母上…」 青年は堪え切れず、目頭を押さえて嗚咽した。 彼の悲痛な声を聞きつけた神官長を始め、大勢の重鎮たちが駆けつけたが、 女王の魂は、すでに永遠の眠りへと誘われたあとだった。 数日後、前女王の葬儀と自らの戴冠式を無事に終え、 新たな国王となった青年は、昔養母とよく遊んだ中庭に足を運んでいた。 のどかな春先らしく、花壇はまばゆいばかりの黄色で埋め尽くされている。 ふと足元を見ると、鮮やかな緋色と淡い群青の花が支え合うように咲いていた。 緋色は緩やかな巻き毛、青色は清潔感のある短髪を思い起こさせる。 写真の二人を偲び、青年が複雑な面持ちで花をじっと見つめていると、 花壇の手入れを終えた老齢の庭師がこちらに近づいてきた。 http://wktk.5ch.net/test/read.cgi/ff/1366979958/921
幸せそうに微笑む二人写真の裏にはこう記されていた クリフトたとえ添い遂げられずともあなたは私が愛した最初で最後の人です 風のうわさ程度だが話には聞いたことがあった かつて世界を闇の恐怖から解放した天空の血を引く勇者と七人の英雄たち その一員である若き王女の活躍と誠実な臣下であった聖職者の献身 そして許されることなく終を迎えた彼との悲恋 クリフト?ねえそこにいるんでしょう?私よアリーナよ 両の瞳こそ開いてはいるがもう女王の視界には誰も入り込む余地はない 青年はしばらく黙考していたが何かを決意した表情で立ち上がると 人払いをして自分以外の者を部屋から下がらせた 二人だけになった部屋で青年はひざまずき養母の手をそっと握り締めた アリーナ姫様お久しぶりでございます長い間お待たせして申し訳ありません 無論クリフトはここにはいない 目の前の青年が彼のふりをして話しかけているのだ 本当だわ長すぎよでもきっと帰ってきてくれると思ってた 青年は胸にこみ上げる思いを必死に押さえ淡と演技を続けた 乗りかかった船とはいえここで中途半端にやめてしまえば 直ちに我が身は自責の念に押しつぶされてしまうだろう 今の自分は息子ではない養母が今でも想いを寄せる彼の人なのだ 青年は心の中でそう言い聞かせ自らを奮い立たせた もうどこにも行かないでもし行くなら今度は私も連れて行って 私は姫様のおそばにずっとおりますもうどこにも参りませんだからご安心下さい 養母は最後の力を振り絞り涙を浮かべて笑った 無垢であどけない少女の頃をさせるありったけの笑顔で その直後わずかに残る砂時計の砂が完全に落ちきったかのように 波乱に満ちた女王の人生は静かに幕を下ろした 養母上 青年は堪え切れず目頭を押さえて咽した 彼の悲痛な声を聞きつけた神官長を始め大勢の重鎮たちが駆けつけたが 女王の魂はすでに永遠の眠りへと誘われたあとだった 数日後前女王の葬儀と自らの戴冠式を無事に終え 新たな国王となった青年は昔養母とよく遊んだ中庭に足を運んでいた のどかな春先らしく花壇はまばゆいばかりの黄色で埋め尽くされている ふと足元を見ると鮮やかな緋色と淡い群青の花が支え合うように咲いていた 緋色は緩やかな巻き毛青色は清潔感のある短髪を思い起こさせる 写真の二人を偲び青年が複雑な面持ちで花をじっと見つめていると 花壇の手入れを終えた老齢の庭師がこちらに近づいてきた
上
下
前
次
1-
新
書
関
写
板
覧
索
設
栞
歴
あと 61 レスあります
スレ情報
赤レス抽出
画像レス抽出
歴の未読スレ
AAサムネイル
ぬこの手
ぬこTOP
0.439s*