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【クリアリ】クリフトとアリーナの想いは Part13【アリクリ】 (982レス)
【クリアリ】クリフトとアリーナの想いは Part13【アリクリ】 http://wktk.5ch.net/test/read.cgi/ff/1366979958/
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195: きゅうりの旋律 〜凶兆と吉兆と〜 1 [sage] 2013/06/15(土) 00:41:57.89 ID:0J1tk9DP0 素敵なSSが多くて嬉しい限りです。 さて、大昔のポカーンからで恐縮ですが、前スレの634-637 の続きを。 私もやっと >>140のツリーに入れそうです。 by きゅうりの人 ===================================== 暖かな日差しの花畑で突然、隣に座っていたシンシアがつぶやいた。 「ソロ…さよなら…」 「えっ?」 寂しそうな微笑みを浮かべて光の中に消えていくシンシア。 「待ってくれ、シンシア、俺は…!」 ここで離れたら二度と会えない気がして、ソロは必死で手を伸ばした。 「好きだーっ!」 ソロは、叫びながら宿屋のベッドから転げ落ちた。 隣のベッドから、驚いて跳び起きたクリフトが心配そうに見つめる。 「大丈夫ですか?」 「あ、ああ、すまない…」 うつむくソロの瞳から大粒の涙が次々と零れ落ち、床に落ちていった。 薄暗い部屋で、クリフトはそれに気づいたのか気づかないのか。 「…私で力になれることがあったら、言ってくださいね。」 何かを言おうとしたが声にならず、ソロは無言でベッドに身体を横たえた。 翌朝、宿をチェックアウトする2人に宿の主人は、満面の笑みで言い放った。 「ゆうべは おたのしみでしたね」 「違うっ…! おいクリフト、お前も何か言えよ!」 「もう…慣れてきました…」 「慣れるなっ!」 ソロの尽力でブランカ王子になり、アリーナと両思いだと分かっている。 それでもクリフトは、アリーナとの結婚に近づけないでいた。 世界中がソロとクリフトの禁断のラブロマンスを祝福する異常事態。 誤解を解く方法を見出せないまま、クリフトとソロは祝福され続けていた。 http://wktk.5ch.net/test/read.cgi/ff/1366979958/195
196: きゅうりの旋律 〜凶兆と吉兆と〜 2 [sage] 2013/06/15(土) 00:44:44.41 ID:0J1tk9DP0 さて、ブランカではきゅうりが大豊作。 クリフト王子を祝して農家がこぞってきゅうりを栽培した結果、供給過剰に。 市場には食べきれないほどのきゅうりが溢れ、大量に廃棄されるほど。 そこで、できる限りきゅうりを消費しようと、国主導できゅうり祭りを開催中。 王室主催できゅうり料理のコンテストも開催中。 「クリフト、きゅうり料理コンテスト、絶対に入賞しろよ。」 「え、私は審査員ですよ。」 「へっ?」 王子のクリフトは審査員長になっていた。 「王子ですし、サントハイムのコンテストでは入賞していますし。 きゅうりで私を祝して頂いているわけで、お受けしないわけにはいきませんよ。」 ソロは頭を抱えた。 「そっか…困ったな。 お前の場合、料理コンテストでアリーナに思いを伝えれば良いんだけどな。 前のコンテストの件もあって、HOMO疑惑を吹き飛ばすインパクトもあるし。」 「でも審査員長ですから、無理なんです。」 「例によって、またキウイと合わせた料理だらけになる気がする。 お前、審査員長なんだから、キウイのは選ぶなよ。」 「そういうわけにも…公平な立場で選ばないと。」 律儀なクリフトに、ソロはため息をついた。 「ここでお前がキウイを選んだら、もうシャレになんねーぞ?」 http://wktk.5ch.net/test/read.cgi/ff/1366979958/196
197: きゅうりの旋律 〜凶兆と吉兆と〜 3 [sage] 2013/06/15(土) 00:45:38.21 ID:0J1tk9DP0 「ソロ!」 ブランカの城から出てきたソロを呼び止めたのは、アリーナだった。 「おう、アリーナ、元気そうだな!」 「私は元気よ!」 以前と変わらず元気なアリーナに、ソロは安心した。 「で、遥々ブランカまで来て、どうしたんだ?」 「ソロに言いたいことがあるの!」 その言葉に、ソロの気が一気に重くなった。 「あ、あのさ、俺とクリフトは…」 ソロは誤解を解こうと試みようとするが、アリーナは構わずまくし立てた。 「ソロには悪いけど、私、クリフトを奪ってみせるわ!」 「へっ?」 予想外の言葉に、ソロは目を丸くした。 「クリフトがブランカの王子になったんだから、身分の差はもう関係ないの! だから私、クリフトをソロから奪ってみせるわ! 今日から私とソロは恋のライバルよ!」 堂々と宣戦布告するアリーナに対し、ソロは困惑した。 「あのさ…」 「何も言わないで!」 ソロの言葉を遮り、アリーナは勢い良く言葉を続けた。 「今はクリフトはソロの恋人。それでいいの。 でも、クリフトを私に振り向かせてみせるわ! 正々堂々、恋のライバルとして戦うわよ! きゅうり料理コンテストで入賞して、世界中に注目される告白をするわ!」 呆然とするソロを置いて、アリーナは一方的に言葉を残して走り去って行った。 ソロは後を追うこともできず、その場で固まっていた。 「…ということがあってな。」 ブランカ城内のクリフトの部屋で、アリーナとの一件をクリフトに話すソロ。 「アリーナがその気になってくれて良かったな!」 笑顔のソロとは対照的に、クリフトの顔は青ざめていた。 「おいっ、どうしたんだ?」 「恐ろしいことに…」 「へっ?」 「サントハイム城内の方々のご無事を祈るのみです…」 http://wktk.5ch.net/test/read.cgi/ff/1366979958/197
198: きゅうりの旋律 〜凶兆と吉兆と〜 4 [sage] 2013/06/15(土) 00:46:47.10 ID:0J1tk9DP0 間もなく、サントハイムから急な使者が訪れた。 「ああ、兵士長様、お久しぶりです。」 訓練の相手に駆り出された関係で、クリフトは顔見知りだった。 「兵士長…?」 まさか兵士長が来るか…といった感じでつぶやく大臣に、隣のソロがささやく。 「サントハイムの兵士長で間違いないぜ…です。」 訓練に協力したことがあったので、ソロも顔見知りだった。 「クリフト様…どうかお助けください…」 クリフトの顔を見るなり、彼は泣き崩れた。 あまりのことに、クリフトとソロは、彼に駆け寄った。 「おいっ、どうしたんだ?」 「姫様が…」 「ああ、姫様の料理ですか?」 「はい…」 ソロには話が理解できなかった。 「アリーナの料理がどうしたんだ?」 「姫様は作った料理を皆に振舞われ…地獄が…」 「?」 よく分からなかったソロは、クリフトの顔を見た。 「姫様の料理は…その…悪魔に祝福されたかのような…」 「…要するに、マズいのか?」 「…毒消し草も欠かせません」 「……」 「なんだかよく分からんが、大変なことになってるんだな…」 ただならぬ様子に、ソロも事の重大さを察した。 屋外では厚く雷雲が立ち込め、今にも雨が降り出しそうだった。 まるでこれから起きる惨劇を暗示する凶兆のように。 http://wktk.5ch.net/test/read.cgi/ff/1366979958/198
199: きゅうりの旋律 〜凶兆と吉兆と〜 5 [sage] 2013/06/15(土) 00:48:08.68 ID:0J1tk9DP0 クリフトたちはサントハイムに直行した。 昼間というのに、サントハイム城は閑散としていた。 「おい…魔物にでも襲われたか?」 かつての魔物の巣になったサントハイム城の記憶がよみがえる。 「姫様のお目に止まらないよう、皆が部屋に鍵をかけております。」 「どういうことだよ…」 兵士長の説明に、ソロは首をかしげた。 「門番もいない城って、城の体を成してないだろ。」 「ええ、今のこの城は、地獄です。」 「あれ?クリフトじゃないの!」 そのときクリフトを呼び止めたのは、アリーナだった。 「ソロと…兵士長? 何やってるの? まあいいわ、そんなことより、お城に誰もいなくて困ってるのよ。 兵士長、どうなってるの?」 問われた兵士長は困った表情を浮かべた。 「兵士たちは特別訓練中で…」 「兵士だけじゃないわ。みんないないのよ?」 「さあ…どこに行ったのか…」 「不思議よねー」 次の瞬間、地獄への扉が開いた。 「ねえクリフト、私、クリフトのためにきゅうり料理を作ったの! 食べていって! みんなも一緒にね!」 http://wktk.5ch.net/test/read.cgi/ff/1366979958/199
200: きゅうりの旋律 〜凶兆と吉兆と〜 6 [sage] 2013/06/15(土) 00:51:06.59 ID:0J1tk9DP0 誰もいない食堂に、兵士長とクリフトとソロ。 アリーナが作ったという物体を目の前に、3人は震えていた。 「これは…料理なのか?」 まさにきゅうりの戦慄。 「大丈夫です…お2人が口に入れたら、すぐにキアリーをかけます。」 「……」 アリーナが次々と持ってくる物体に、悪寒が止まらない。 「姫様!」 突然、クリフトが立ち上がった。 「え、何?」 呼ばれたアリーナは、きょとんとしてクリフトを見る。 「今までずっとお慕いしておりました! 結婚してくださいっ!」 訳の分からないタイミングに呆然とするソロ。 虚を突かれて呆然とするアリーナ。 「え、あの、何?」 言われた意味を飲み込めず、アリーナの思考は停止していた。 「結婚…?」 アリーナの顔が、だんだんと赤くなっていった。 「こんなタイミング…卑怯よ…」 「プロポーズ、受け入れていただけますね?」 無言でうなずくアリーナを、クリフトはそっと抱きしめた。 「では、今すぐブランカ王に報告に行きましょう。 正式に婚約して、すぐにでも結婚式を…」 早くブランカに行こうとするクリフト。 しかし、運命は彼らを放さなかった。 「待って、せっかくだから、料理は食べていってね!」 「ご結婚…これはめでたいっ! 急ぎ、サントハイム王に報告して参ります!」 兵士長は、弾かれたように猛然と食堂を飛び出した。 「おっ、俺もサントハイム王に…!」 どさくさに紛れて逃げ出そうとするソロ。 「ソロは食べて行って!」 「くっ…」 http://wktk.5ch.net/test/read.cgi/ff/1366979958/200
201: きゅうりの旋律 〜凶兆と吉兆と〜 7 [sage] 2013/06/15(土) 00:52:49.03 ID:0J1tk9DP0 シンシア、お前ならどうする? これを食べたら…お前のところに行けるのかな… 「さあ、遠慮しないで、早く食べてね!」 震える手で料理を口に運んだソロは、意識が急激に遠のくのを感じた。 クリフトが小声で唱えたキアリーが、残酷にも意識を引き戻す。 地獄だ…地獄だ… 朦朧とした意識の中、ソロは隣のクリフトが料理を口に運ぶのを見た。 全身が、震えていた。 「どう?」 無邪気に聞くアリーナに、クリフトは言葉を返せなかった。 「ねぇ、何か言ってよ!」 そんなクリフトを助けようと、ソロが小声でささやいた。 「頭が真っ白…頭が真っ白になったと…」 意識が飛びかけているクリフトは、ソロの言葉を繰り返すしかできなかった。 「あ…頭が真っ白になったと言いますか…」 「もう、何を言ってるのか分からないわ!」 「あ、ブランカ王のところに行くのよね! すぐによそ行きの服に着替えてくるから、待っててね!」 駆け出したアリーナは、食堂の出口で振り返った。 「毎日、クリフトのために料理してあげるね!」 満面の笑みを残して、アリーナは走り去っていった。 「毎日作るんだってよ…」 うつむくクリフトの瞳から大粒の涙が次々と零れ落ち、テーブルに落ちていった。 ソロはそれに気づいたのか気づかないのか。 「…俺で力になれることがあったら、言ってくれ。」 「せめて、私の無事をお祈りください…」 クリフトとアリーナに幸せあれ! http://wktk.5ch.net/test/read.cgi/ff/1366979958/201
202: きゅうりの人 [sage] 2013/06/15(土) 00:57:32.94 ID:0J1tk9DP0 というわけで、やっとたどり着きました。 告白して涙のハッピーエンドです。 なんか色々間違っている気はしますが、ポカーンオチは回避できました。 気が向いたら続編を書きますが、これで終わっても良さそうな感じ。 野菜&料理縛りで書き続けるのって、なかなか厄介なんです。 と言うか、どうして私は野菜と闘ってるんだろう・・・ それでは失礼いたしました。 引き続き、皆様の素敵なSSを楽しみにお待ちしております。 http://wktk.5ch.net/test/read.cgi/ff/1366979958/202
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