[過去ログ] Fate/stay night [Realta Nua] 16日目 (976レス)
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(1): 2007/05/04(金)01:24 ID:7xZ+1ATF(1/6) AAS
>>839
一色三順というか三連刻だろ
920: 2007/05/04(金)11:45 ID:7xZ+1ATF(2/6) AAS
「―――ふん。そうだな、俺のコトはよく知ってるよな。
セイバーの忠告も聞かず、いつも迷惑かけてたんだ。俺がバカなんだってコト、まだ覚えてたワケだ」
 カラカラに乾いた舌を動かす。
 生きた心地など一分(いちぶ)もない。
 道場で試合をした時、セイバーは一分以下の力で俺と打ち合い、俺は彼女に一撃も与えられなかった。
 つまり、絶対に勝てない。
 彼女と剣を合わせれば、その瞬間、俺は首を跳ばされる。
 故に、何が何でも隙を見つける。
 なければ作る。
 無駄話でも同情でも、とにかく少しでもセイバーの気を引くしかない。
省20
921: 2007/05/04(金)11:46 ID:7xZ+1ATF(3/6) AAS
「―――投影(トレース)、開始(オン)」
 その武器を作り上げる。
 投影の中でも、最も負担の少ない名剣。
 アーチャーが生涯の象徴(シンボル)とした、錬鉄の夫婦(めおと)剣。
 陽剣干将、陰剣莫耶。
 際立った能力こそないものの、剣としての頑丈さは折紙つきだ。
 これならセイバーの剣と打ち合っても、一撃二撃で砕かれる事はない。
「―――アーチャーの剣。私の剣を真似ないのですか、シロウ」
「――――――――」
 ……断線する思考を、なんとか一本に纏め上げる。
省21
922: 2007/05/04(金)11:47 ID:7xZ+1ATF(4/6) AAS
 ―――どうでもいい。
 衛宮士郎では放てぬ一撃、衛宮士郎では防げぬ一撃は如何なる奇跡か。
 ―――どうでもいい。
 炸裂する閃光、一秒毎に生まれ変わる衝撃は何事か。
 ―――そんなコトは、本当にどうでもいい。
 ―――それは、死に至る暴走でありながら、穏やかな眠りだった。
 超人的に翻る体。
 稲妻となって迅る刃。
 思考は十手先まで澄み渡り、一手防ぐ毎に、五秒後の生存(じぶん)が予測できる。「は――――」
 防戦一方。
省22
923: 2007/05/04(金)11:47 ID:7xZ+1ATF(5/6) AAS
 俺はあのセイバーと、こうしてマトモに打ち合えている――――!
 ―――勝機はあるかもしれない。
 セイバーは聖剣を使わない。
 こんな洞窟で聖剣を使えば天井を崩すからか、それとも別の理由か、とにかくセイバーは剣技だけで俺と戦っている。
 それならまだ耐えられる。
 セイバーが聖剣を使わない以上、いつか必ず隙が見えてくる……!
「は――――は、あ――――!!!!!!」
 スピードを上げる。
 ギアをハイに叩き込んでアクセルを踏み砕く。
 手首に巻きついた聖骸布がもどかしい。
省21
924: 2007/05/04(金)11:48 ID:7xZ+1ATF(6/6) AAS
 即死でなければどんなに剣を受けようと構わない。
 運動精度が低下するのは困りものだが、幸い傷みはない。
 これならあと五回はセイバーの剣を受けられる。
 その先は予測がつかない。
 だから次の五回のうちに、セイバーの隙を見つけ、そこに残った力を叩き込むしかない。
「―――不可能だ。その方法では私を倒すどころか、傷一つつけられない」
 だが。
 そんな俺の思惑を、セイバーは一言で切り捨てた。
「――――どうして。俺は、おまえと戦えてる」
「その体でよく吠える。……いえ、その体だからこそ無謀な策を強行する。いかに血が出ず、いかに中身が剣になろうと、貴方の肉体は限界だ。このまま打ち合えば、次はその剣(からだ)ごと粉砕する」
省21
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