[過去ログ] 範馬勇次郎VSナバール (648レス)
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(2): 三沢さんVS勇次郎 2008/04/09(水)13:19 ID:wwp2ATgX(5/5) AAS
そんな中、思考だけが勇次郎を取り巻いた。
(なぜだ。なぜ。最強の生物じゃなったのか。ここまで。それに海皇から直に名を受け告いだ俺の消力がぁ。)
「体だけじゃダメなんだよ。」
「どう言う意味ですかね。小橋選手。」
小橋選手は意味もなく握り拳を作り、
「あれですよ。三沢さんは格闘神という事です。いいですか、人間が言われてると通り、トラやライオンなどの野生動物に勝てないかと言ったら勝てるんですよ。
そのために人間は武器を作りましたよね。石斧から始まり剣、槍、弓、銃、爆撃機、核ってね。逆にそんな武器を持ってる人間に動物はまず、勝てません。
しかし、しかし、ですよ。核兵器さえも肘一つで無にする人物がいたらどうします。えっと、勇次郎君でしたっけ、彼はたしか、麻酔銃で行動不能でしょ。
話になりませんよ。でも、あのリング勝者は出来るんですよ。」
「あー、小橋選手なんか人が違ったような説明ありがとうございました。」
三沢さんは一息吐き、
「消力、君の技じゃないよね。それにどれだけそれ練習した。全然モノにしてないじゃん。
君が今まで勝てたのはその体だけ、技ではなく反射神経だけ、何もないんだよ君には。
対等者以上の存在を目の前にした今の君は牙を無くした子犬にも劣るよ。」
ノアマットで大の字になっている範馬勇次郎の瞳は涙で濡れていた。見かねた秋山がノアタオルを投げ入れる。
舞い降りたタオルを三沢さんは掴み、範馬勇次郎の顔に被せ、
「だが、子犬だからこそ強靭な牙が生える。」
ゴングが打ち鳴らされ、勝ち鬨を受けた三沢さんはリングを降りる前に、
「練習は辛いぞ。」
一言、勇次郎の心に響かせ、涙を飲み込みながら頷かせた。

翌日から浅子トレーナーの基、練習に励む 静電 誘次郎 に改名した範馬勇次郎の姿があった。
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