[過去ログ] 【妄想】ショタ小説を書こう!【創作】 (761レス)
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411: 今夜、君の立つキッチンで・15 2008/12/27(土)11:07 ID:xKsN2EBR0(1/13) AAS
【 4−1 】

 少し考えた結果、リッコにはエドナが使っていた部屋に入ってもらうことにした。
「うわー、ここがオイラの部屋?」
 一階の、キッチンにほどなく近いそこがエドナの――新しき住人・リッコの部屋であった。
 6畳ほどの部屋には、ドアの正面に窓がひとつ。そしてその両脇の壁面それぞれにベットと衣装ダンスがひとつずつ置かれただけの、
質素な造りとなっている。――このレイアウトはエドナの生前からまったく変わっていない。
 巨万の財を成すマクスウェル家の中においても、彼女は質素倹約を好(よし)とした。それは使用人としての美徳よりはむしろ、素朴で
飾らない彼女の性格が反映されてのことだろう。
 エドナの死後も、キトラは幾度となくこの部屋を訪れていた。当初は彼女の遺品を整理すべく目的で訪れたが、今も見た通り彼女の荷物は
少ないもので、むしろここで過ごす時間の大半はエドナの生前を追憶するばかりのものであった。
 強く生きよう、彼女の影を引きずらないよう生きようと決心したキトラではあったが、やはりここに来て、そして彼女の匂いに包まれて
いると、そんな誓いも涙の先にかすんでしまうような気がした。
 だからこそ、ここにリッコを置こうと思った。
 それはエドナの代わりとしてではなく、むしろ彼女の “優しき亡霊”との決別をする決意の表れであった。
「うは♪ 服があるー」
 突然のリッコの声にキトラは我に返る。
 そうしてどこを見るでもなく投げかけていた視線を戻すそこには、かの衣装ダンスからエドナのメイド衣装を取り出しているリッコの姿があった。
「すげー、メイドの服だぁ。ねぇ、着てみてもいい?」
「えぇ?」
 これまた突然の申し出にキトラは間抜けな返事を返す。
「き、着るって――それ、女の子の服だよ?」
「女の子の服は着ちゃいけないの?」
「そんなことはないけど……でも、おかしいよ」
「だけど、メイドの服でしょ? だったらいいんだよ。だってオイラはここのメイドだもん。ね、ご主人様♪」
 見上げながら微笑んでくるリッコの笑顔に押し切られ、キトラは言葉を飲む。
 そうしてなんと応えたらいいものか考えあねぐ主人を、
「ほらほら。オイラ着替えるんだから、外に出ててよ♪」
 リッコは楽しそうにその背を押して、部屋から出す。
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