[過去ログ] 【妄想】ショタ小説を書こう!【創作】 (761レス)
上下前次1-新
抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) レス栞 あぼーん
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
463: 今夜、君の立つキッチンで・57 2008/12/31(水)15:31 ID:0TU+lwdb0(1/8) AAS
【 13−1 】
「…………」
眠りから覚め、うっすらと瞳をあけるとしばし――キトラは天井を見つめたまま放心していた。
頭が重く、まぶたの下には鈍い痛みが慢性的に響いていた。
「そっか……また、お酒飲んだんだったね」
そして、昨晩の深酒もまた思い出す。しかしながらその飲酒以降の出来事は、どう記憶の束を辿っても思い出せなかった。
「リッコが来てくれんたんだったなぁ」
ようやくそれだけを思い出す――しかしそれ以外の、昨晩の出来事はやはり思い出すことは叶わなかった。
「…………」
アルコールの残る脳(あたま)と覚醒しきれぬ体――それらがシンクロせぬがゆえ機能することが出来ないキトラの意識はただ、目の前に
省16
464: 今夜、君の立つキッチンで・58 2008/12/31(水)15:32 ID:0TU+lwdb0(2/8) AAS
【 13−2 】
「――『オイラがキトラのおよめさんになる』」
その一言が思い出されると同時、途端曖昧であった夢の内容(すべて)は明らかとなった。
あの夢の中の――あの過去の中の自分、そしてリッコの言葉、さらには二人の仕草に至るまで、それら全ては鮮明にキトラの心(なか)に
蘇っていた。
「そうだ……あの日、リッコは僕にプロポーズをしてくれたんだ」
呟き、キトラはさらに思い出していく。
「自分のことを、『お嫁さんにして』って僕に言った――」
ベットから起き上がる。
「だから僕も言ったんだ――『今はともだちになって』って」
省17
465: 今夜、君の立つキッチンで・59 2008/12/31(水)15:33 ID:0TU+lwdb0(3/8) AAS
【 13−3 】
「リッコ? リッコー!!」
食堂に辿り着き、さらにキトラはリッコを探す。
―――伝えるんだ……あの日の、あの日の“答え”を!
遂には台所に至る。
そしてようやくそこにて、
「――……リッコ」
「ん? あ、おはよう。キトラ♪」
キトラは見つけた。
窓から射す朝陽の淡い光彩に彩られたメイドのリッコを――誰よりも、会いたくてかなわなかったその人に、ようやくキトラは巡り会えた。
省16
466: 今夜、君の立つキッチンで・60 2008/12/31(水)15:34 ID:0TU+lwdb0(4/8) AAS
【 13−4 】
「……まいったなぁ」
そして一言。
「そんな昔のこと……今さら言われたって」
「り、リッコ……」
「そ、そんなの、今言われたって困っちゃうよッ」
いつも通りの笑顔を作りながらキトラの返事をリッコは一笑に付す。しかしその声は――ひどく震えていた。
「子供のころの、話でしょ……」
語りがなら祖の小さな体が小刻みに震え出す。
「そういえば、そんなことあったかもしれないけど……」
省21
467: 今夜、君の立つキッチンで・61 2008/12/31(水)15:35 ID:0TU+lwdb0(5/8) AAS
【 13−5 】
「他には?」
「…………」
重く、震えたため息をリッコはつく。
そして、
「オイラ達は――“男の子”でしょ。絶対に、結ばれないじゃないか!」
叫ぶよう言い捨てて、リッコは再びきつく瞳を閉じた。
昨晩のことは、やはりキトラは記憶にないようであった。リッコもそれは判っている。
昨晩のキトラの言動、そして行動は、すべてアルコールの力がさせたものだとリッコは思っていた。昨夜のことは――リッコにとっても
キトラにしても、全て“夢”であったのだ。
省20
468: 今夜、君の立つキッチンで・62 2008/12/31(水)15:36 ID:0TU+lwdb0(6/8) AAS
【 13−6 】
そうしてキスとも言えないようなその触れ合いから離れると、
「もう一度言うから、よく聞いてね」
リッコ一点を見つめ、
「僕は――リッコ、君の事を愛してる。だから結婚しよう。いつまでも、僕と一緒にいて」
そして告げられるキトラの言葉に――
「ッ……き、キトラぁ!」
遂にはリッコの瞳から涙が溢れた。リッコを縛り付けていたタブーは全て消え失せた。
幼き日の約束は今――10年の時を以ってして、ここに結ばれたのだった。
「キトラぁ、オイラなんかでいいの? オイラなんかで、いいのッ?」
省13
469: 今夜、君の立つキッチンで・63 2008/12/31(水)15:40 ID:0TU+lwdb0(7/8) AAS
【 14 】
【 14 】
.
あれからも―――僕達の生活は続いている。
僕はあいかわらず仕事に追われる毎日で、ちっともリッコに構ってやれないのが申し訳ない。リッコもリッコで連日、
食事の用意に僕の世話にと追われる毎日だ。
そんな変わり映えのない毎日ではあるけれど、僕達は楽しく過ごしている。この間もリッコと二人で、訳のわからない
掃除道具達を前に奮闘したものだ。
あれから、いくつも戦争やそして村の人達とのいざこざ――たくさんの出来事があったけれど、それでも僕達は支え
合って生きている。
省17
470: 今夜、君の立つキッチンで・64 2008/12/31(水)15:44 ID:0TU+lwdb0(8/8) AAS
>>460
長いものをスイマセンでした。
全て貼り終えました。
スレの雰囲気を悪くしてしまったこともスイマセン。
これで去ります。
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 0.027s