【風と木の詩】竹宮惠子作品について語りましょ★part13

【風と木の詩】竹宮惠子作品について語りましょ★part13 (356ﾚｽ)
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267: 花と名無しさん [] 2023/05/13(土) 23:15:39.49 ID:5C7jAh4P0

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──少年達の隔離された世界としての面白さが全寮制スクールにはあると思うのですが『風と木の詩』に関してはいかがですか。

竹宮　私はそもそも『風と木の詩』のために、ホモセクシュアルの状況を作るために学校制度を考えたところがある。
　　　本当はフランスには、イギリスのバブリック・スクールのような制度はあまりないんだけど、
　　　無理矢理にもってきて…私学だから良いんだとか言って。

増山　それがマンガのすごいところね。

──フランスにはないんですか？

竹宮　ちょっと違うんじゃないかな……
　　　映画の『悲しみの天使』みたいに、あれも全寮制だけど、
　　　パブリック・スクールほど規律や上下関係は厳しくなくて、もっと上級生と下級生は仲良くしやすい環境。

◇

イギリスは1967年まで男性同士の性交渉は犯罪だったからね。
『if～もしも～』みたいにイギリスの寄宿学校を風木の舞台にすることはできなかった。

ドイツも統一後まもない1871年5月15日に男性同性愛を禁止する刑法典175条が制定され、
ドイツ再統一後の1994年3月10日まで施行されていたから、1880年の風木の舞台には使えない。

たしかに、ドイツの寄宿学校はフランスと比べて清潔な環境なんだけど、
萩尾さんの『トーマの心臓』とか寄宿舎漫画がドイツのギムナジウムだったから
倦厭されたという事情もあるだろう。

フランスは18世紀前までは、宗教の影響によって法律上、同性同士の性的関係が罰せられていた。
同性愛者の性的関係についてはフランス革命までは犯罪とみなされており、死刑が科せられることもあった。
最後の死刑の例は1750年。ただし、1791年に刑法典が定められたことによって、罪ではなくなった。

ということで、竹宮さんがどうしても風木の舞台をフランスの寄宿舎にしたかったのは、
そういう歴史的な背景があるからだろうね。

http://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/1655693610/267

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