[過去ログ] 【今こそ】ロシア語入門・初級スレッド【ロシア語】 (1002レス)
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500: 吾人 (オイコラミネオ MMc6-P7MY) 2024/11/03(日)11:16 ID:w9FfmFopM(1/2) AAS
さて、1990年代のある時リトアニアの首都ビリニュスの通りを歩いていたら、知りあいのリトアニア人にばったり出会って、近くのカフェに座って暫くお話することになった。
その時吾人はオレンジジュースを注文し、知人はリンゴジュースを注文したのだが、吾人は何気なく「オレンジジュースは飲まないの?」と質問したら、「オレンジジュースは高いからね」との返事だった。
確かにリトアニアでは栽培出来ず、西欧からの輸入に頼らざるを得ないオレンジは、外貨不足の当時のリトアニアではいわば高級品だったのであり、悪いことを訊いてしまったなぁという後悔とともに、
やはり東欧の代表的な果物はリンゴなんだなぁという認識を改めて強くした次第であった。
リトアニア語でオレンジは apelsinas といい、ロシア語 апельсин とほぼ同形と言える。
(リトアニア語の語尾 -as は男性名詞単数主格語尾で、借用語にも普通に適用される)
リトアニア語もロシア語もこの語を(低地)ドイツ語から借用しており、
低地ドイツ語の一変種・オランダ語の appelsien が語源という説が有力である。
もっとも現代オランダ語では sinaasappel という方が普通だが。
ここで、-sien とか sinaa- というのは「中国、支那」のことであり、つまり「中国の林檎」というのかその直訳となる。
因みにオランダ語でジャガイモのことを aardappel と言うが、オランダ語 aardeは英語 earth に相当するので、「土の(中で育つ)林檎」というのが直訳である。
このように、リンゴはヨーロッパの果物の王様であり、丸い形をした新しい食べ物が海外から導入される際、その命名の基礎となる形として度々引用されている。
ロシア語 апельсин、リトアニア語 apelsinas と来たら、この両国と歴史的に関係の深いポーランドの言語でも当然それに似た形が期待されるところだが、
ポーランド語でオレンジは pomarańcza という。
これはイタリア古語の pomarancia から来ており、その語はイタリア語でリンゴを意味する pomo と arancia の合成語である。
この語は、もっとよく使われるmelarancia という語とともに、特にスイートオレンジを指す語である。
その melarancia の前半部も、中世ラテン語 melum(古典ラテン語 malum<古代ギリシャ語ドーリス方言 μαλον)「リンゴ」に由来する語である。
これらの言語事実からも、ヨーロッパではリンゴが万能な果物としての位置を占めていることが窺い知れる。
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