[過去ログ] 彼の家に行ったら玄関にしゃがんだガイルがいた (671レス)
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646: 2009/06/14(日)05:30 ID:IASzmgNIO携(4/4) AAS
「そらそらそらそら〜〜〜〜〜〜!!」
「どぅわわわわわわ〜〜〜〜〜〜!!」
 乱射してくるアーマーの周りを旋回して回避する。
流れ弾がグラウンドに、校舎に、窓ガラスに命中し見るも無惨な損害状況に。そうだ、ゆに子ちゃんに当たったらまずい!?
ちらっとゆに子ちゃんの方を確認する。

太郎「もしも〜し?ここで寝てると流れ弾に当たって頭撃ち抜かれちゃうよ?お〜い?生きてる?」
ゆに子「うぅ……。」
「気を失ってるだけか。この学園の保健室を借りよう。はぁ。僕もお人好しだなぁ。」
 太郎君がゆに子ちゃんを担いでその場を離れようとしていた。これは……私を助けてくれるの?
と、とにかくこの鋼鉄の化け物の注意を逸らしましょう。えーと、うーんと。
省12
647: 2009/06/21(日)23:54 ID:G/Xjb/7wO携(1) AAS
ギリギリギリギリ
ライドアーマーに握り締められ身体がきしむ
「アイダダダダダ!?言う!言います!言うから放して〜…」
苦痛から少しでも早く解放されるべく口からでまかせを吐いちゃった私。鋼鉄のアームの力が少しゆるんだ。
「じゃ、改めて聞くぜ?アタシのパパはどこだ?」

「知りません。」

グショッ!まるでアルミ缶を潰すみたいに私の身体は圧搾されました。グギャアアアア!!
そしてグラウンドにポイ捨てされると、
「流石は生粋の戦士。やっぱテメーにゃ拷問なんて意味ないか。なら、戦士らしく敬意を払って葬ってやんぜ!」
いや、本当に知らないんだってば。
省3
648: 2009/06/24(水)20:25 ID:WXOwMjtUO携(1/3) AAS
「アデュー。」
仏語のお別れとともにのしかかってくるライドアーマーのあんよ!
私はなすすべもなく挽き肉に……
なりはしなかった。それどころか、
花子「ドスコーイ!」
スモウレスラーばりの雄叫びを上げ、私の腕は搭乗者もろとも鋼鉄の塊を持ち上げる!
……私の意志とは裏腹に!
「うおっ!?しまっ……た!」
機械仕掛けの人型兵器は私の上でジタバタする。私の口はこれまた勝手に合成音みたいな言葉を発する。
花子’「……度し難い。全く度し難い。」
省7
649: 2009/06/24(水)20:27 ID:WXOwMjtUO携(2/3) AAS
花子’「どりゃせいぃーーーッ!」
 やめいやめいやめーい!私の口からそんなはしたない言葉を発しないでぇー!
ライドアーマーを担いだまま校庭をギュワンと疾走する花子’
その助走で天高くジャンプ!学校の屋上よりも舞い上がりしゅぴぃっと一回転。その勢いでライドアーマーを投げつけた!あろうことか学園の体育館へと!
クリス「フライングマッスィーン!?」
 翼の折れた鳥人間コンテスト出場者みたいな悲痛な叫び上げて、ライドアーマーは体育館の屋根を突き破って床に激突!!
落雷みたいな轟音と大地を揺るがす振動で体育館はペチャンコに崩壊したッス。この時間帯に体育の授業が無いことを祈るのみッス(体育会系風)。

花子’「…………。」
私の意思の外でとんでもない大破壊をやってのけた私の身体。花子’は元体育館だった瓦礫の前に軽やか鮮やかに着地し、なお油断なく周囲を警戒する。

ボゴォ!
省4
650: 2009/06/24(水)20:29 ID:WXOwMjtUO携(3/3) AAS
クリス「ウオリャアアアア!」
ライドアーマーの機動力はいささかも落ちてはいなかった。一直線に突進してくる強盗少女!!
それに対して私の身体を無断使用している花子’は微動だにしない。

鋼鉄の右ナックルがジャストミートする瞬間、花子’はアーマーの腕を両手で抱きかかえ、目にもとまらぬ素早さで自分の足をライドアーマーの肩に絡みつかせた。
花子’「腕ひしぎ逆十字固めーー!」
クリス「ジュ…ジュードー技!て、てめぇやはりニンジャの末裔かッッ?」
違います。何だその偏見に満ち満ちた日本観。
振り払おうと腕をばたつかせるが、その間もグイグイと機会仕掛けのアームを極める。そしてついに。

ベキン
ズズゥン
省13
651: 2009/06/28(日)20:00 ID:dbsCD06jO携(1/2) AAS
時空間の彼方からひょっこりでてくる超兵器。狙うは校舎に埋まった土木作業用ライドアーマー!
こないだと同様にプロトンキャノンと同化する私のボデー。銀座の料亭を更地にした件が頭をよぎり私は青くなる。
校舎には全校生徒の諸君がいるだろうし、なによりお母様は会議があるからとか何とか言っていた。ゆに子ちゃんだって太郎君が校内に避難させたかも知んない。
こりゃ大変だー!何としてでもこの凶行を阻止せねばー!うりゃー!そりゃー!!おぅおぅいい加減にしないと後悔するよ〜!?
花子’「……発射……!」
私は現実から逃避することにした。間もなく陽電子ビームが発射しまーす。白線の内側で来世に思いを馳せてくださ〜い。
だが!花子’がトリガーを引く寸前、校舎の中から何か茶色い小さな物体が飛んできた!
花子’「……んがッ!?」
うまい具合に口の中に入る謎の物体!口腔内に広がるまろやかであまーい餡の味。
……これは、温泉饅頭!?
652: 2009/06/28(日)20:04 ID:dbsCD06jO携(2/2) AAS
「……ッ!!……ッ!?」
温泉饅頭をのどに詰まらせて、悶え苦しむ花子’。発射のタイミングを失ってプロトンキャノンは元の亜空間へと帰って行った。
うっしゃー!……いや……というかね、これはちょっと
「私もぐるじいんでずげど!!」
ゴロゴロのた打ち回る。息が……息があぁーー!
ゴックン!なんとか嚥下しゼイゼイと深呼吸をする私。息ができるって素晴らしい!
はっ!?今気付いたけど、身体が私の意思下に戻ってる!!わーい!わーい!やったー!小躍りして喜んでると……

ギュワン!!
クリス「戦術的撤退!べ、別に負けたとは思っていんだゼ!」
花子「げぴゃッ!?」
省2
653: 2009/07/06(月)00:04 ID:7nuBvS8KO携(1/2) AAS
〜学園内・保健室〜

ゆに子「う、うーん。こ、これは鼻を突く消毒液の匂いです。あれ、ここは……保健室??確か、人型のロボットに乗った女の子が……!?」
太郎「ああ。気がついた?大した事ないから帰っていいよ。」

「……きゃあああああ!!ここは女子校です!!なのに男の人が入ってます!!痴漢です!!変態ですぅ〜!!」
「ちょ、ちょっ」
「問答無用!!正義の鉄槌です!!消毒用アルコールを口に含んで発火しちゃいます……!!ぬぐ!?」
「ちょ、ちょっと、それメチルアルコール(劇物)!」

「はぁはぁ。死ぬかと思ったです。なぜ保健室にメタノールが。」
「まあ、死ななくてよかった。」
「勘違いとはいえごめんなさい。あなたがあのロボットから助けてくれたんですねー?」
省2
654: 2009/07/06(月)00:07 ID:7nuBvS8KO携(2/2) AAS
花子「あうー。まだまだ頭がズキズキする。今度あったらあの小娘、お尻の穴から手突っ込んでそのまま口から鼻の穴に指突っ込んでやろうかしら。」
 校舎の中をゆに子ちゃんの姿探してさまよい歩く。うーむ、まったく分からん。
「花子ちゃん。」
 廊下の曲がり角で太郎君とばったり会う。言いたいことは鬼のようにあったけど、
「ゆに子ちゃんは?」
「保健室。」
 とりあえずそれだけ聞いてすれ違う。
「普通の女の子として生きろって言ったのに。」
 背中越しに言われた。そーは言われても、ねぇ?
「普通に生活してれば問題なかった。誰かに『ぶっ殺すぞコノヤロ』とか強力な殺意を抱かない限りアレは目覚めなかった。」
省21
655: 2009/07/10(金)13:22 ID:tS0ki2sf0(1) AAS
C
656: 2009/07/11(土)23:15 ID:P/4kS33uO携(1/4) AAS
〜保健室〜
 ゆに子ちゃんはベッドの上でぽけーっとしていた。
「はぁ。素敵な男性(ひと)でした。私ったら名前を聞くのを忘れてましたー。」
「だ、大丈夫!?ユニちゃん!!どっか怪我とかしてない!?」
「あぁ。花ちゃん?心配して来てくれたんですねー?」
 ほっ。無事なら良かった。
「……じゃなかった!花子さん!!ユニちゃんなどと呼ぶのはやめろと言ったはずです。金輪際私には近寄らないで!!」
 急にトゲトゲしい口調に戻るゆに子ちゃん。
そう、もともとゆに子ちゃんは『〜ですぅ』とか『〜ますぅ』とか舌っ足らずな言葉で喋る。可愛らしいおっとり少女だった。
中学の頃はそのおとなしい性格が災いして、男子連中からからかわれたりいじめられたりする事もあった。
省8
657: 2009/07/11(土)23:17 ID:P/4kS33uO携(2/4) AAS
 忘れてたけど、制服を取りに行く途中だったのよね。ゆに子ちゃんのことも気になるけど、とりあえず行かないといけない。
学校を出て先刻の細い路地裏を通り、さらに奥まった袋小路に古ぼけた小さな洋服店があった。
『洋服・仕立て テーラー・サンドスプラッシュ』
花子「こんにちわー……」
 カランと店の入り口を開けて中に入る。『はーい……』と、すっげー元気のない店の人が奥のほうから出てきて、私の目は点になる。
「あ、あああああなたは!?」
「にゃ!?にゃにゃ!?あなたは花子ちゃん!?」
 なんと、洋服店にはハワイで生き埋めになった猫さん……じゃなかった、あのシスターがいたのだ。どーして?なぜ?瞬間移動!?
658: 2009/07/11(土)23:20 ID:P/4kS33uO携(3/4) AAS
「花子ちゃんが出かけた後、何の前触れもなく修道院が崩壊したんだニャ。」
「はぁ……。さ、災難でしたね。」
 シスターの出してくれたぬるーいお茶(猫舌だから?)をすすりながら。あいずちを打つ。
真相を知ってる……というかすべての元凶である私としては非っ常〜に気まずい。
「48時間、ずーっと瓦礫の下で救助を待っていたんだニャ。その時どうも地下への入り口がポッカリ開いてしまってたらしくて。
 FBIが駆けつけてきたり、ブンヤ(新聞社)にすっぱ抜かれたり。瓦礫の中で聞き耳を立ててた私はヤバ!と思ったニャ。
 どうにか救助された際、救急車で運ばれる途中で隊員を一人気絶させて入れ替わり、そのまま日本へ高飛びしたニャ。」
「た、大変でしたねぇ。」
 た、大変な犯罪の香りがするんですけど。FBIとか高飛びってなによ!?
「こうして小さな洋服点を買い取って細々と生活してるニャ。ああ、私のコレクションが〜〜。」
省11
659: 2009/07/11(土)23:23 ID:P/4kS33uO携(4/4) AAS
 静まり返った洋服店で、ひょっこりとシスターは身を起こす。
「……今時、惜しげもなく10万くれるなんていい子じゃないかニャ?あいたた。」
 店の奥から小さな人影が現れる。
「どこがだ。気絶したアンタにびびって逃げたじゃねーか!!アタシには500円玉一つしかよこさなかったくせに……ブツブツ。
 うんっ。とにかく外見にだまされんじゃねーぞ。シスターから大枚はたいて買ったライドアーマー。
 その腕、アッサリもいだんだぜあの女。わけわからんカラテ技で。 」
「知ってるにゃ。彼女は泣く子も恐怖にひきつって笑う強化骨格の持ち主にゃ、ただ話を聞くに彼女も被害者っぽいらしいにゃ。
 もっと仲良くするニャ〜。」
「そりゃ無理な相談だ。あのアマは定められた運命の宿敵みたいなもんだ。それよりライドアーマーの修理を頼むぜ。急ピッチでな。」
「はにゃ〜進歩のない人。あ、闇ルートでこんな物が流れてたんだけど?きっとお嬢ちゃんなら欲しがると思って。」
省11
660: 2009/07/19(日)16:41 ID:zhOIB6gAO携(1) AAS
B
661: 2009/07/21(火)23:46 ID:4yMQkhLEO携(1) AAS
 んで、色々あったが私の初登校日が来た。リムジンに乗って学校に向かうお母様と私。ぬぅ。どうしたものか。
 確かにお母様は学園の理事長になった。何の前触れもなく。
ゆに子ちゃんが言うには前の理事長(彼女の祖父)を何らかの汚い手段で追い落として。
そこんとこが本当なのかどうなのか、確かめたいんだけど。なんか聞きづらいなぁ。遠回しにやんわりと……。
「お、お母様。山吹色の菓子は好きでござるか?」
 あれ?何か違うな?遠回しというより脱線?というか何故時代劇調でござる?
「カステラのこと?私は食べ物送られるより実弾(現金)の方がいいかしら。」
 わあ、その発言。いきなり疑いが濃くなりました。越後屋でござるか?

 結局、確証を得られぬままリムジンは学校に着いた。お母様は理事長室へ。私は私の教室へ……行こうとしたが
「ああ、花子。あなたのお友達、えぇと確かゆに子さんといったかしら?」
省17
662: 2009/07/27(月)17:08 ID:QHAvyLRRO携(1/2) AAS
「あ。」
「あ。」
 丁度教室に入ってきたゆに子ちゃんと目が合う。ぐあ、同じクラスだったとは。気まずいわぁ。
(私 の 席 どこ?)
 先程、お母様に喋るの禁止!といわれてしまったので、身振り手振りのブロックサインを使って意思の疎通を図る。これなら問題ないね。
(お母様 に ゆに子ちゃん と 話しちゃ ダメ って言われて)
 カクカクとクルミ割り人形のよーな動きで懸命に、説明しようとするも、
ゆに子「…………。」
 あぁっ!?無視されてしまった。というか他人のふりされてしまった。教室中から冷たい視線が私に突き刺さる。
ガーン!!入学早々、脳が愉快すぎる子であるという誤解を植えつけてしまった。何とか弁解しようとしたそのとき、
省13
663: 2009/07/27(月)17:18 ID:QHAvyLRRO携(2/2) AAS
んんん?でもおかしいぞ?太郎君はもうガイルに変身出来ないとか何とか言ってなかった?と、するとこの人は誰だんべ?
ガイル(に似た教師)「俺はガイルなどという冴えない名前ではない。俺のことは……そうだな、教官と呼べ。」
 ははぁ。この人はアレだ。ガイル本人でもなく太郎君の変身した姿でもない、ただの『そっくりさん』かな?
どうしても釈然としないので聞いてみることにした。
「はい!質問があります。ガイル、じゃなかった教官!!」
「何だ?言ってみろ。」
「教官という名前のほうが冴えないと思います!!」
 ズビシ!!と言ってやった。
「HAHAHA!面白いことを言うな!!気に入ったぞ。」
 ガイル(に似た)先生はつかつかとこちらへ歩いてくると、笑顔で必殺技を繰り出してきた。
省2
664: 2009/08/03(月)20:04 ID:DEwWwey1O携(1/2) AAS
〜一方そのころ、路地裏の洋服店〜
「ライドアーマーは製造元に送ったからポンッと修理してすぐ帰ってくるニャ。」
「ってゆーか、シスタァ〜〜〜暇だぜ。超暇だぜ〜〜。」
「日々平穏なのは良い事ではないかニャ?」
「それが武器商人のセリフかよ。ん〜?誰か来たみたいだぞ。シスター、客ー。」
 ドタドタドタ!
「全員手を上げなさい!!国際警察(インターポール)よ!!抵抗するなら容赦なく発砲する!!」
「にゃ、ニャンですと!?」
「おんや?アンタ確かハワイで何故か瀕死の重傷を負っていた看護婦さんじゃねーか。」
「あら?そういう貴方はハワイで空から降ってきた女の子。何でまたこんな所に?」
省14
665: 2009/08/03(月)20:10 ID:DEwWwey1O携(2/2) AAS
 チュドーーーーンン!!
……その日、路地裏の小さな洋服屋さんは謎の大爆発に見舞われ、天高く上がった炎は空を朱に染めたといいます。 

「うっわー。やると思ったけど、本当にやりやがった。洋服店が跡形もねぇ。
ま、あの二人ともしぶとそうだし、アタシが無事で良かった事にしとこ。ん?」
ブロロロロロ……。
トラック運転手(ダン似)「ちゃーっす。ここの洋服屋さんにお届けものなんスけど。」
「あー、間が悪かったな。洋服屋はちょうど今、発破解体しちまったとこだよ。ちなみに中身は何だ?」
「なんか、スッゲー重い鉄の塊っぽいんスけど。あ、俺ぁ取りあえず荷物さえ渡せば金もらえるんで、サインお願いできますか?」
「(ああ、ライドアーマーの修理終わったんか)よっしゃ、いいぜ。一応アタシも洋服屋さんの関係者だ。サインしてやんよ。」
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