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176: 09/07(土)10:39 ID:uI+uaudg(6/7) AAS
(タイトル:幸せな食事)
彼はそれを見つめた。テーブルの上に、無骨に置かれた茶色いそのものを。太陽が薄暗い午後の空に沈みかけ、部屋の中には一種の重苦しい静けさが漂っていた。カーテンがかすかに揺れ、彼の心の中にも嫌な予感が広がっていく。目の前にあるのは、何か取り返しのつかないもののように感じられた。
「ああ、本当にこれを食するのか?」
声が頭の中で響いた。誰のものでもない、自分自身の声だった。冷や汗が額を伝い、手はかすかに震えていたが、なぜかその震えが止まらない。そして、彼は手を伸ばし、ついにそれを箸でつかんだ。
臭いがまず襲ってきた。熟成されたものと生ごみを混ぜたような、そしてどこかぬるい泥のような匂いだ。鼻腔に強く染みつき、吐き気を催すほどの不快さを感じた。しかし、後戻りはできない。手の中にあるそれは、恐ろしく重く、ぬめりとした感触を伴っていた。
彼は唇をゆっくりと開け、手に持ったそれを口元へと運ぶ。冷たい汗が背筋を走り、心臓が急速に鼓動を速めていく。口に入れた瞬間、感覚が鋭く変わった。味というより、口の中に広がるその感触がすべてを支配した。粘りつくような質感が舌にまとわりつき、噛むたびに歯の間で何かが潰れていく感覚が生まれた。
最初に来たのは、茶色の苦味だ。だが、すぐに酸っぱくもあり、かつ、どこかぬるりとした後味が残った。それはまるで腐敗したものを直接口に入れたような感覚で、胃の底から込み上げるような吐き気を感じた。彼は目を閉じたが、舌の上に広がる異臭は逃げ場を許さなかった。
さらに噛むたび、苦味がさらに増していく。硫黄のような臭いが鼻腔を焼き、何か鋭く尖った味覚が喉を刺してきた。
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