「ふづがる」 (32レス)
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1: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/12(月)05:42 ID:/UtxIAkX(1/19) AAS
頻度遅めで書き溜め無しだけど暇つぶしにでもなれば

小学生の時、何をするにも一緒だったH君という男の同級生がいた。H君は親から甘やかされ、何でもねだれば買って貰え、その上ルックスも良いから結構わがままで王様気質なやつだった。
対して私は今は真逆だが子どもの頃は気が弱く、すぐに泣く、人見知り、思った事を言いたくても言えない静かな男だった。
だからH君に言われるがまま遊んだり、どこかに行ったりしていた。
私たちが住むのは田舎。高齢者がたくさんいて自然に囲まれた土地。
コンビニやカラオケ、イオンとかそんなものはなく
遊び場は海、川、山、駄菓子屋(商店)
川でうなぎを捕まえて焼いて食べたり、山一つ丸々鬼ごっこの範囲にして裸足で駆け回ったり、神社の御神木の上に捨ててあった犬小屋にロープを巻きつけて担ぎながら上によじ登り秘密基地としたり
そんな事をやっていた。
何をするにもH君の後ろについて行く。H君の一声。
省3
13: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/12(月)11:06 ID:/UtxIAkX(13/19) AAS
おじさんと話しているうちに陽が落ちてきていた。
おじさん「ああ、もう夜になるな。お前ももう帰らないと父ちゃん母ちゃんに怒られるぞ。ヘッヘッヘッ」
そう言い、おじさんはよっこらと立ち上がった。
私「おじさんは今からどこに行くんですか?」
立ち上がってストレッチをしているおじさんに問う
おじさん「うーん‥わかんね。」
とだけ答えるおじさん。
なんとなく可哀想に思えた私は、リュックに入ってるH君母から貰った洋菓子の存在を思い出した。
リュックから両手で手づかみし
私「貰ったものですけどあげます」
省7
14: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/12(月)11:23 ID:/UtxIAkX(14/19) AAS
小学生の間は特にこれといって事件的なものもなく、あの高熱からH君はしっかり復活したので特に書き記すものはない。

無事に中学に上がった。といっても田舎の学校のためエスカレーター式で顔を合わせるメンツは全く一緒。
私は相変わらずH君と大体行動を共にしていた。
変わったところと言えば、私自身が変化があった。
それまでは恥ずかしがりで泣き虫で意見を言えない人間だったのに、自分でも何が原因かわからないが性格がガラッと変わり、なんでもモノを言う、何事にも動じない、ちょっとだけ不良じみた立ち振る舞いというか態度をとる人間になった。決して何かに憧れたり、カッコつけたりとかではなくそれが自然だった。
これまではH君の言うことに従い、H君の顔色をどこか伺う自分だったが
中学からは対等、もしくは私の方が強くでる時が多いような関係性になっていた。
普通に余裕のある感じに自然と話せるようになったためか中学から女子生徒と頻繁に関わるようにもなった。

ある日、Hと何もない田舎を小学生の頃と変わらず海に入ったり川でうなぎや魚をとって満喫していた。
その最中ふとあの神社の件を思い出した
省10
15: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/12(月)11:32 ID:/UtxIAkX(15/19) AAS
神社にすぐ到着。
変わらず薄暗く、どこか少し不気味な感じだった。
私「お前もう何も盗むなよ」
H「盗むって言い方やめろって」
そんなやりとりをしながら、小学生の時と同じように扉前に立つ。扉の格子状の隙間から中を伺う
H「あれ?木が置いてあったところにお札とか色々置かれてるぞ。」
私「あー、あれお前が木盗んだ後に誰かが置いたみたいよ」
H「ふーん。ていうか、Kお前あの後ここに来たことあったの?」
私「まーね」
こんなやりとりをした。
省4
16: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/12(月)11:48 ID:/UtxIAkX(16/19) AAS
見覚えのあるビニール袋
中には何かパンパンに入っている。
私は袋をひっくり返し中身を広げた。
紺色のスラックス、小銭、英語が書かれてる洋菓子の封が切られてて中身がない袋‥
間違いなくあのおじさんの所有してた袋だった。
(なんでこんなところに。ビニールも同じだし、そんなに劣化してない。まぁでも同じ酒店で買い物して新しいビニールをもらって入れ替えたってのもあるけど‥、だって会ったの小学生低学年の時だぞ?
もし最近落とされたか置いたとしたら、おじさんはまだここら辺にいるって事だよな。よく○んでなかったよな明らかにホームレスっぽかったし‥)
と色々と考えていると後ろからHが来た
H「何してんの?‥うわ、きたな。よく触れるな」
ここで初めてHにおじさんの事を話した
省8
17: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/12(月)12:08 ID:/UtxIAkX(17/19) AAS
自然の中にある神社が故に、誰か第三者がいるとすぐにわかるくらい静かな場所だったため
その音は私とHの2人によく聞こえた

「ギィィィ‥ギィィィ」

拝殿本殿内をゆっくり歩くような音

ちょうど建物外の裏手にいた私とHはその音を聞くや否や2人で小声で話し始める

私「誰か入ってるな」
H「神社の人かね。俺らがここに居るの見たら絶対怪しむよな」
私「どうする?その人いなくなるまでここで待つ?それともゆっくり気づかれないように神社から抜け出す?」
H「動いたらバレるだろ。下砂利だし」
私「そうか。じゃあ俺先に神社から出とくから。頑張れよ。」
省10
18: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/12(月)12:16 ID:/UtxIAkX(18/19) AAS
10分程度その状態が続いたと思う。
全く離れていく気配がなく、音は鳴ったり止んだりを繰り返している。
隣りのHはしっかり沈黙しているとはいえ、ムスっとした表情を浮かべていた。
その顔をみてなんとなく「あ、こいつやるな」と感じた。

予感は的中した。
突然Hが
H「あー!もういいわ!どうせ誰もいないやろ!ただ木の床が軋んでるだけやろ!」と大声を出し歩き出した。
私は、あいつアホや‥と思いながらHのあとを追った
私たちがいた裏手からグルッとまわり、再び正面へ行った

そしてそこでの光景を目にして私とHは絶句した
19: 2022/12/12(月)17:06 ID:HurhwDcG(1) AAS
そこで止まるんか
20: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/12(月)21:45 ID:/UtxIAkX(19/19) AAS
見てくださってる方がいるとは‥
すいません、仕事がバタバタしてまして
なんとか時間見つけて続きかきます
21: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/13(火)19:35 ID:dY4yRgVk(1/10) AAS
扉が開いており、神棚に置いてあったさまざまなお供物が床に散乱していた。
床は足跡というより、足を引きずって歩いたみたいな‥
わかりやすく言えば車のブレーキ痕に近い跡が残っていた
その跡は微かに中に差し込む太陽光で光って見えていた。
H「なにこれ‥、色々散乱してるけど。落ちた音とか聞こえなかったよね?」
私「‥とりあえずここから離れようか」
Hと私は逃げるように神社をあとにした。
帰り道、Hと私はあまり会話せず、途中で別れそれぞれ帰宅する。
その日の夜21時ごろだったろうか
H宅から電話がかかってきた。
省2
22: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/13(火)19:54 ID:dY4yRgVk(2/10) AAS
私「え、途中まで一緒でしたけど‥」
H父「うーん、警察にやっぱり電話した方がいいか‥」
事情を把握した私の父とH両親でそれぞれ車で探しに行くことになった。
私父「ここで別れたんだな?じゃあここからH君の家に向かって車ゆっくり進めるから、よくみとけよ」
私「わかった」

その道は街灯はあるものの、山の麓をぐるっと周るような道で、運転席側は山の斜面が壁となっていて、私側の助手席側が崖とまでは言わないが5メートルほどの高さがあり、下は木々と草が生い茂っている。
この道は、この先の住宅街に住んでいる人が使ったり、農業する年寄りたちが使う。21時以降という時間は滅多に車も当然人も通らない。
私「そもそも暗すぎて下が見えん」
私父「窓から手だして懐中電灯で下を照らしながら見ろよ。もしかしたら落ちてるかもしれないから」
私は言われた通り窓から懐中電灯を持った手を出して下を照らしながら注意深く見た。
23: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/13(火)20:25 ID:dY4yRgVk(3/10) AAS
30分くらいだろうか、特に下では見つけられず目の前からH両親が車で来て向かい合わせでお互い止まった。
H父「いやぁすいません、ご迷惑おかけして。どうでした?」
私父「こっちの道はどうやらいないみたいですね。どこか友達の家に行ったとか?」
H父「今までそういう時は事前に言ってから行くやつだからなぁ‥うーん‥」
このような会話をしてる時に何気なくその地点の下を懐中電灯で照らした。
すると自転車のタイヤのような物が少し背の高い草むらの中に見えた。
私「あれ自転車じゃない?」
私父「あ、ほんとだ」
H父「ああ、ほんと!H!聞こえるか!?」
H父が大声で呼びかけるが返答はないし草が動いたりH自身が見えるということはなかった。
省10
24: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/13(火)20:37 ID:dY4yRgVk(4/10) AAS
H母のヒッという声が聞こえた。
H父「K君!そこあたりにHはいないか!?」
Hの自転車を軸に、周辺を懐中電灯で照らして草を踏み倒しながら探すがHは見当たらない。
私「ダメだ!Hはいない!」
私父「とりあえず一回こっちに上がってこい!」
私は言われた通り、上に戻った。5メートルの土の壁を丈夫そうな太めの草や木を掴みながら。
おかげで手を何箇所か切ったり泥まみれになった。
私父「これは警察、消防団にお願いした方がいいですね」
H父「ですね。とりあえず自転車が見つかっただけ大きいです。ほんとにありがとうございます。K君もすまなかったね。」
私「いえ‥」
省4
25: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/13(火)21:23 ID:dY4yRgVk(5/10) AAS
Hはグッタリしてたがこちらに気づいて少し笑った。
H父「どうしたお前!」
H母「Hちゃん、どうしたの!?」
H「いたい‥」
Hは身体の右側を庇っていた

H父「痛いのか!?‥すいません、ちょっと今から病院に連れて行きます。K君ありがとうねこんな夜遅くに協力してもらって」
そういうとHとH両親は車を走らせ病院へ行った。
翌日H父から連絡が入り、どうやらHは右腕と右足を骨折していたらしい。
本人の話では、私と別れて1人自転車を漕いでる途中、顔に蜘蛛の巣より丈夫な‥長い髪の毛みたいなものが顔にまとわりつくような感覚がして必死に手で振り払おうとするがその感覚が抜けずに
一旦自転車を停めようとした瞬間に後ろから誰かにとてつもなく強く押されたような衝撃が走り、5メートル下にぶっ飛んで行ってしまったと。
省5
26: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/13(火)21:31 ID:dY4yRgVk(6/10) AAS
その出来事の一週間後、私の夢に以前見たアレがまた出てきた。
市松人形のげっそりした顔に曲がった首、Hが盗んだ杖のような木の身体。
しかし、小学生の頃と違う部分があった。
その物体の右腕にあたる部分と右足にあたる部分が途中でもげているように無くなっていた。
その物体は前回同様、空間がねじれた森の中に浮いてて、何も言わずカタカタと小刻みに震えているだけだった。

夢から覚めた私は、この夢のことをHに話すべきかを考えた。
もしかすると、あの木は呪われている物じゃないのか。
返さないとHがどんどん酷い目に遭うのではないか。
しかし、ありのままを話すとHがパニックを起こしたりするのではないか。
色々考え、結局ストレートには言わずにやんわりと伝えようと決心した。
27: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/13(火)21:39 ID:dY4yRgVk(7/10) AAS
しばらくしてHが退院して学校に戻ってきた。
Hはすっかり元気そう。
これまで通り私はHと関わる。
ある日、一緒に帰宅してる時にHにあの件を話す。
私「なぁ‥お前が持ち出したあの木覚えてる?あれのせいでお前怪我したんじゃない?」
H「は?呪い的な?まさかそれは無いだろ。だってあれ小学生の時だったし、何で今さら。」
私「うーん‥なんとなくあの木、返した方が良いと思うんだけど‥」
H「返すってどうやって。途中捨てちゃったし、小学生の頃だからもうあるわけないだろ」
笑ってHは言う。
私「‥ちょっと探すだけ探してみない?」
省5
28: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/13(火)21:48 ID:dY4yRgVk(8/10) AAS
田舎の良いところは中々景観が変わらないところだ。
私たちが小学生の頃から何年も経っているのに、そのままのかたちで残っているものがほとんどだ。
H「確かここ辺りの草むらに投げ込んだ」
私「じゃあここ探すか」
そこは元々家があったが、取り壊され更地になり草むらと化したフェンスで囲まれた空き地だ。
新たに家が建ったり、整備されることなくそのままの形でずっと残っている。(放置されている?)」
2人で隅から隅まで3時間程探したが見つからなかった。
H「いくらなんでもやっぱ無いよ。小学生の頃なんだし」
私「ほんとにここで場所あってんのか?」
H「フェンスの中に投げ込んだ記憶だからここで合ってるとは思う。でも、今さら無理だって。見つけて返すとか。1000円拾えてラッキーで終わりで良いじゃん。これでなんか買って帰ろうぜ。」
省1
29: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/13(火)22:14 ID:dY4yRgVk(9/10) AAS
それから中学生活は特に何事もなく終了し、高校生になった。
田舎なので小学生から一緒だった同級生たちはほとんどが皆同じ高校を受験して通うようになる。
私とHもその高校を受験、合格した。
しかし、当然周辺の中学からたくさん入学してくるため人数がとても多く、私とHは高校からは一切関わらなくなった。
Hは持ち前のルックスで初めの頃は女子たちから王子様と呼ばれていたが、あまりのナルシストで王様のような振る舞いが痛手となり、孤立まではいかないが女子生徒からの評判が悪くなった(という噂が広まっていた)
私は他中学から寄せ集まった不良グループと行動するようになり、私自身はそんな悪いことはしないものの小学中学一緒だった同級生たち(特に女子)から敬遠されていた。
私はグループの中でも特にMとYの2人とよく行動していた。その2人はグループのボス的存在で何かを仕出かす爆弾コンビだった。
そして私が不良グループに入った(?)原因がMだ。入学早々Mに呼び出され、そこで訳の分からない因縁をつけられ殴り合いになった‥というか先に私の胸辺りを叩いてきたMを私が数倍返ししてすぐ終わった。
(Mは私が武道経験者ってのをどこかで聞いて、それでちょっかい出したかっただけど後に話した)
男の友情とは奇妙なもので、そういうのがきっかけで仲良くなるものだ。
省6
30: キ ◆9mlfsjFH9PIs 2022/12/13(火)22:32 ID:dY4yRgVk(10/10) AAS
私たちが喫煙所にしていた場所は、学校の裏手から少し歩いていって、山の麓の草むらの中のお墓の前。
そこならご近所さんにも見られないし、万が一教員が捜索に来ても見つからない
我が校の不良グループの伝統的な溜まり場だった。よく先輩たちと鉢合わせることもあった。
M「今日も○○さん(先輩)たちいるかもな」
Y「あ、タバコ買ってくんの忘れた。ちょっと買ってくる」
私「おい、制服脱いでいけよ」
Y「チン○ンぶん回しながら行くわ。タバコ屋のばーちゃん気絶させてくる」
M「いや、発情するやろ」
私「いや、全部は脱ぐなよ」
そうこう言ってるものの数分で到着。
省21
31: 2023/02/15(水)23:28 ID:QvuxQZ1I(1) AAS
まだやってる?
32: 2023/08/18(金)19:59 ID:g335fAL3(1) AAS
(メ▼(エ)▼)y─┛~~
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