[過去ﾛｸﾞ] おいお前ら！藍原瑞穂を忘れちゃいませんか？ (263ﾚｽ)
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254: さおりん向上委員会 02/04/13 18:58 ID:Jp/w7XZz(1/3) AAS
｢ゆ、祐介さん…｣
｢やあ｣
瑞穂ちゃんは驚きを通り越し、呆れ気味。
それもそうだ、今日は生徒会主催イベント前日ということで帰りが遅くなる事は知っていた。
そうでなくともここのところ忙しいのか帰りが遅い。
もう夜の９時、ここ屋上の僕周辺には誰もいない。
｢今までずっと独りで？｣
｢うん｣
瑞穂ちゃんはためらいながらも僕の隣に立つ。
そしてまた月を見上げる、あの時のように。
｢今夜は月が綺麗だね｣
｢はい｣
彼女の目はいつも宙を仰ぐ。見ているのは夜空でも、今でも、まして僕でもない。
だから僕は彼女を一人にする事は出来ない。そのまま夜空に溶けてしまいそうな彼女を。
｢祐介さんには感謝してるんです｣
嘘ダ。
僕ハ君ノ中ニハ入レナイノダロウカ？
ドウアガイテモ君ノ中ニハアレシカイナイノダロウカ？
「でもいいんですか？いつも私と一緒だから変な噂立てられてるみたいだし」
｢いいんだ、僕は君がいいんだ！｣
｢ゆ、祐介さ…あ…｣
これで何度か目のふれあい。でもけして心まで交わる事は無い。
僕は、僕は…。
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