[過去ﾛｸﾞ] 〜冬が来る前に･･･水瀬名雪スレッドPart8〜 (1001ﾚｽ)
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474: 03/11/05 00:39 ID:MfCQSTB3(3/4) AAS
丘の上の病院から、下り坂をゆっくりと歩いていく。
西日が３人の影を長くのばしている。
時々通り過ぎていく、身を切られるような冷たい風。
もう、冬は近かった。
名雪と香里、そして俺。
いつもは北川を加えて賑やかな美坂チームなのに、
今は気まずい沈黙だけが流れていた。
栞の病室からは、この町並みが一望できた。
街の外れ近くにあるこの病院で、
小高い丘にぽつんと立ったこの病院で、
栞は外を眺めながら何を思っていたのだろう。
俺はそんなことをずっと考えていた。
やがて３人が丘を降りきった頃。
「ごめんなさい…」
いつもからは想像のつかないようなか細い声。
香里だった。
「あたし、名雪にも相沢君にも、…栞にも、悪いことをしたわ」
「香里…」
俯いたまま、言葉を絞り出す。
「本当に、ごめんなさい…」
３人で考えたシナリオは、最後の最後で破綻していた。
「こんなつもりじゃ、なかったのに」
でも、それは香里のせいじゃない。
いや、誰の所為でもないだろう。
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