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葉鍵キャラを性別反転させてみよう!その16 (893レス)
葉鍵キャラを性別反転させてみよう!その16 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/
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31: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/11 09:21:43 ID:Lj/WG7a80 >>24-25 まずい・・・前スレの朋美×陽子SSのせいで変な深読みしてしまう >「…別に春原から奪うつもりはないけど。でも、友情よりは恋をとるかな」 春原「から」奪うんじゃなくて、春原「を」奪うつもりで、 >「私は春原のこと…親友だと思ってるから、恋人ができても」 「(あんたに)恋人ができても」だったりして http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/31
32: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/11 17:00:23 ID:mMAMgLgVO 陽子タンハァハァ http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/32
33: キモン [sage] 05/03/11 18:20:24 ID:kCA8IMDL0 岡崎朋美はモテる 京を筆頭に、智司、有紀くんに渚くん、あと風太郎…はちょっとわからないけど とにかくここ最近は、こりゃないでしょっ、ってくらいのモテモテっぷりだ だから、私は最近考える 彼女に恋人ができたら私から離れていっちゃうのかな、って …別に岡崎に対して百合の感情があるわけじゃないけど ただ、彼女は私の中で特別なポジションにいるから だから、もしそうなったらさみしいな、なんて、ね 「あのさ、岡崎ってさ、恋と友情、どっちをとる?」 「…拾い食いはやめたほうがいいわよ?」 …友情と恋の事を聞いたのに、なぜ拾い食いの注意をされなければならないのかな。 「犬猫じゃあるまいし、そんな事しませんよっ!」 「あまりにも縁のないことを言うから、なんか変な物食べて頭がおかしくなったのかと。 大体アンタって犬っぽいから、道に落ちてる食べ物を食すくらい造作もなさそうだし」 「いたって正常ですっ!それに私は誰にも属さない孤高の狼なんだからっ!」 「孤高じゃやっぱり縁のない話じゃない。それに、そもそも狼って群れるわよ?」 「うぅ…」 さらりとひどい事をスラスラと述べる唇は、やっぱり綺麗で、 頬づえをつきながらページをめくる姿は、悔しいけどすごく様になっている。 だからあんなにもてるのかなと、改めて思い知らされた。 「それで、何の話だっけ?」 「……あれ、なんだっけ?」 「アンタが忘れてどうするのよ…」 呆れた顔をしてこちらを見る岡崎。でも、口調とその態度とは裏腹に、岡崎は優しい目をしている。 いつも、いつでもそうだった。だから、ひどいことを言われたり、からかわれても彼女の傍にいるのは すごく居心地がいい。でも岡崎に恋人ができちゃったら、こんなやりとりも減っちゃうんだろうな… …あっ、思い出した。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/33
34: キモン [sage] 05/03/11 18:21:48 ID:kCA8IMDL0 「えっとね、例えば私が誰か男の子と付き合ってるとして」 「はぁっ!?アンタが男と?ありえないわね」 顔を引き攣らせながら岡崎がまたひどいことを言ってきた。 …そんなに私って女として魅力がないように見える? 「だから例えば、だってば!…それで、その男の子が岡崎のことを好きになっちゃってさ。 その後、彼が岡崎に告白してきたら……岡崎は恋と友情、どっちをとる?」 「もちろん恋」 即答デスカ。 「岡崎って、恋とか愛とかどうでもいいわよ、ってタイプだと思ってたけど。やっぱり友情より恋なんだね」 「当然。薄っぺらい友情より愛。これね」 ずきん、と胸が痛む。本気かどうかわからないけど、その言葉、結構傷つくなぁ。 …そんなに私たちの友情って薄っぺらいんだ。 「…岡崎はいざとなったら平気で親友の私から恋人とっちゃうんだね」 「別に春原から奪うつもりはさらさらないけど。でも、最終的には友情よりは恋をとるわね」 それに、と岡崎が続けた言葉が 「私は春原のこと親友だと思ったこと一度もないし」 胸に刺さった 「…あはっ、そう、なんだ……親友って思ってたの、私だけなんだ」 さすがに今のはグサリときた。私は零れ落ちそうな涙を堪えながら、なんとか軽口を装って それだけを返した。岡崎は私のことがきらい、なのかな… だから、いつもひどいことばかりするのかな… なぜ、と、どうして、があふれ出し、頭の中でグルグルと飛び交う。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/34
35: キモン [sage] 05/03/11 18:23:10 ID:kCA8IMDL0 ………でも 「ったく、アンタ、質問の仕方が悪いのよ」 耐え切れなくなって岡崎に背を向けた私に 「私はどんなときでも」 優しい言葉を投げかけて 「春原を見捨てたりはしない」 「でも、岡崎は友情より恋を取るって…親友だと思ってないって、言ったじゃない…」 フワリ、と私を包みながら 「確かに言ったわね。…だって」 彼女は別の意味で止めを刺してくれた 「アンタは私の恋人でしょ」 ……え゜っ? 「…えっと、聞き間違えかな?今、私のこと恋人って…っていうわけないよねっ。あははっ」 「あんな男共に春原は絶対渡さないからっ!」 「ひいいぃぃぃぃ!?」 「私はいつでも春原だけを見てるから…安心しなさい」 「というかモテてるの岡崎じゃんっ!あなた思いっきり勘違いしてますからっ!!」 「あら、少なくとも風太郎はアンタのこと狙ってるけど」 「…えっ?」 「ちょっと…なに赤くなってるのよ!浮気したらコロスわよ?」 「だからそういう問題じゃないですよねぇっ!?って、どこ触ってるのさっ!?」 「あんな可愛い事いうから我慢できなくなったじゃない。責任とってよね?」 「だからっ、やめっ…あっ、って駄目だって!!」 「今夜は徹夜になるわね♪」 「ひいいぃぃぃぃぃぃぃぃ……」 聞かなきゃよかった… http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/35
36: 思いついた中の人 [] 05/03/11 18:28:59 ID:kCA8IMDL0 ずばり、向こうはこちらをいじって10分で書いたオマケ物だったり… 簡単にオチが読まれそうだったんであとから投下。 でも>>31にバレてたorz 最近、陽子と朋美人気が上昇中で、すばらしい書き手がどんどんでてきたけど やっぱり元祖裏コンビの話が読みたいなぁ… あとふゆも… http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/36
37: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 01:11:22 ID:EPphXKJS0 朋美がどんどん直球レズっ娘になってってる・・・ もっとやってくだちい http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/37
38: 前スレ646から続き [sage] 05/03/12 03:10:50 ID:xZleiMBi0 翌日。 目を覚ました時間はいつもなら遅刻確定になっちまう程の大寝坊。 しかぁし!生憎と今日は国民的休日だ。働いてるヤツ、ごっくろーさん。 早速朝メシを食いに行きたいところだが、寝ボケ面ぶら下げたままじゃ姉貴にどやされる。 顔を洗い、すっきりさせたところで居間に行くと姉貴が食事に手を付けずに茶を啜ってた。 「おはよう。あんまり言うのもなんだけど、休日だからといってこんな時間まで寝て いるのは感心しないわよ」 そう言って、またズズっと茶を啜る。他の男から見たら優雅〜なんて敬われるとこだろうが 俺からしたら、枯れてやがる…としか見えん。 へいへい、と生返事を返しながら姉貴の向かいにドッカと座り込む。 「姉貴。ゆうべはどこ行ってたんだよ?俺、何度か部屋に行ったんだぜ?」 「そんなの。張り紙はしておいたじゃない」 「『部屋に入るな』で何を読み取れってんだ」 「出掛けてますってことよ」 だぁぁ!俺は禅問答したいわけじゃねえんだよ。 「昨日貴明の家に行ったんだろ。収穫なしで姉貴が丸一日学校サボるわけないしさ。 あいつに何かあったのか?」 「タカ坊のことはちゃんと話してあげるわよ。まずは朝食にしましょ。その為にこうして 待っててあげたんだから」 はぐらかすように、姉貴は鍋に火を掛けたりと作った料理を温めなおした。 釈然としねえ…けど無理に聞き出そうとしたところで一睨みされて終わっちまう。 ここは従う他ない。 食卓を改めてよく見たら、なにか違和感を感じた。 姉貴は料理に関して味付けはもちろん見た目にもそつがねぇのに、今日に限って無骨な印象を受けた。 支度も整っていたただきます、と姉貴の先導でメシを食う。 ―――なんだこりゃ。 食い始めてすぐに味の違いに気付いた。見た目も妙だったがこいつはもっと顕著だ。 いつも作ってもらってる料理よか数段グレードが落ちてる。 「なあ…姉貴。これって」 「うん?ああ、わかった?やっぱり」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/38
39: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 03:12:03 ID:xZleiMBi0 箸で料理を指しただけでも察しがついたらしい。つっても姉貴は苦笑いどころか笑みすら 浮かべてやがる。 「今朝のはどう見ても失敗じゃねぇのか?なんだってそんなに嬉しそうなんだよ」 「さて、何故かしら?強いて言えば奉仕される側の幸福感かな」 「はぁあ?」 さっっっぱりわからん。 言うことだけ聞けば、こいつは姉貴じゃない別の奴が作ったっぽいが…。 人に出すにゃ修行不足だろ、これ。 「ま、出されたモンを残しちゃバチが当たるってな。で?待ってたって言ったけど、 俺に何か用でもあんのかよ。こっちも聞くこと訊きてぇんだけど」 「ちょっと買い物に付き合って欲しいのよ。このみも一緒にね。その後二人にタカ坊の事を話すわ」 なんだそりゃ。どう考えても順番というか…事態の流れがおかしくねぇか? 「貴明は…どうしたんだよ」 「深刻なこと………ではないわ、うん」 「いま間があったぞ」 「気のせいよ。ともかく、話すなら一同揃っていた方がいいでしょう。春夏小母様にも 伝えておく義務が私にはあるわけだし」 「おい!それって大事なんじゃねえのか!?」 「落ち着きなさい。もし本当に大事なら私がこんなに平静でいられると思って?」 「鉄面皮、ミス猫っかぶり、見栄女王、他にも―――あががががががががががががが!!」 「あらぁ。朗らかで知られる私に似つかわしくない単語がどっさりじゃない。ねぇ?」 割れる割れる割れるゥーーーーーーー http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/39
40: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 03:12:57 ID:xZleiMBi0 「でさぁ。なんだって買い物を先に済ませなきゃいけねぇんだよ」 悪魔の拷問にしばらくのた打ち回った後、倒れたままの俺を蹴り起こして外まで引き摺られた。 そのままでは引き摺られた俺が電柱にぶつかろうが車の巻き添えになろうが、おかまい無しな 展開になるからして、こうして二本の足でチビ助の家に向かうところだ。 「どうせなら昼食でも取りながら話そうかと思ったの。でもお昼まで待ってたら、 あんた逃げ出すじゃない?」 「(バレてたか)見くびんなって。ダチのことなんだからおとなしくついて行くさ」 それでこの荷物かよ。中身は毎日学校で使ってるのと同じ重箱だろう。 例によって、その全てを俺は持たされてる。 あ〜あ〜こういう時こそお手伝いさんって人種が…… 「そうだぁ!!!……ぐげっ!?」 「突然往来で叫ばないで頂戴。みっともない」 俺の脇腹に肘鉄ぐぁ…。 しかもこの性悪女…弁当を取りこぼさないだけのギリギリに手加減してやがる。 くそ…でもこいつは何が何でも確かめねばいかんのだぁ…。呼吸法! 「すぅーはぁー、―――おし。姉貴よぉ、昨日家ん中にメイド姿の女の子がいなかったか?」 数瞬後、不意に俺の額に掌が当てられた。 「ナンデスカ、そのリアクション」 「―――おかしいわね…。脇腹を打ってどうして頭が悪くなるのかしら」 「俺はいたって健常だ!」 「嘘おっしゃい。いくら向坂が名士の家柄だからって、メイドぉ?お笑い種ね。 逆に訊きたいのだけど、ユウ、あなた見境なく女子に手を出したりしてないでしょうね?」 「んなっ!?ナニ言い出すんだ姉貴は!」 「あら、どうして動揺してるのかしら?」 「突拍子もなく変なこと言うからだろうが!」 「聞くところによれば、しょっちゅう校内の女子に話し掛けて回ってるそうじゃない。 しかも学年関係なく」 「どこのどいつだよ…んーなことチクったのは」 「チクるぅ?」 小声で呟いたのが余計に姉貴の注意を引いちまったらしい。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/40
41: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 03:13:51 ID:xZleiMBi0 「語るに落ちたわねユウ。嘆かわしいったらないわ。あ、ちなみにソースはタカ坊と このみだから。ふふふ、あんたよりよっぽど甲斐甲斐しいわね私の妹分達は」 「チッキショ〜あの昼行灯どもが。あ、あのな!ミョーな勘繰りはすんなよ? 俺はヤロウだけの味気ないパーティーで修学旅行が潰れないように誘い掛けてただけ なんだって!」 「ふ〜ん。なら同学年の子だけでもいいわよねぇ?そういえばあんた街中で私に声掛けた 事もあったっけ」 ぐぁぁっ!それを思い出させるなぁ!ニヤニヤすんじゃねえっての! ありゃあ俺の人生の中で最大級の汚点だぜ全く! 「頼む…いや、お願いしますからそれ以上言ってくれるな」 両手を軽く上げてギブアップという意思表示。 だっていうのにこのアマ、「あら、これからが面白いのに」だと。 ああ〜殴りてぇ〜。…………返り討ちどころか橋の上から投げ捨てられそうだけどな。 「まぁ御説教は後に取って置くとして―――」 置くな、頼むから。今消化しやがれ。 「―――向坂の名を意識しろとかは言わないわ。ただ行き当たりばったりの感情で女の子に 接するのはよしなさい。気さくで屈託がないのは良い事だけど誰彼構わずというのは あなたの人間を浅くさせるわよ」 「はッ。お互いを知り合った上でお付き合いしましょうってか?ん〜なオママゴトは 貴明にでも任せときゃいいのさ」 「あら、タカ坊は強い子よ。男らしさは欠けちゃいるけどね」 「だからだよ!頼ることしかできない奴もムカつくが、あのバカは頼ることを放棄し過ぎなんだ」 俺がつい語気を荒げたせいか姉貴は一瞬、呆けた顔を見せたがすぐ笑い出す。 「ふふ…ホントに…そうね。タカ坊も今度御説教してあげないと」 チビ助を交えて、買い物を終えて、俺等は柚原宅に向かっていた。 当たり前といわんばかりに荷物のほとんどは俺が持たされて、だ。 お嬢様方はアイスなんぞを食いながらダベってやがる。 貴明め…会ったら承知してやらんぞ。これはあいつのお役目だろうが。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/41
42: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 03:14:43 ID:xZleiMBi0 「タマお姉ちゃん。今日の買い物って誰かのお使いなの?」 「んー?どうしてかしら?」 「ん、っとね、下着はわたしのともタマお姉ちゃんのともサイズ違ったし、ブラウスとかも わたし達には大きめじゃないかなって。だから、頼まれ物だと思ったのですよ」 「見てることはちゃんと見てるじゃない。正解よ。誰の物かは…じきに分かるわ」 女達の話に俺が混ざれるはずもなく、黙ってついていき、やがて見慣れた建物が。 庭の奥じゃ毛むくじゃらの犬が威厳のねえ格好で眠ってる。 「あ、ねぇねぇタマお姉ちゃん。ゲンジ丸に挨拶してこうよ」 「ひぃっ……!」 お?なんだ…今、姉貴のやつ…? 「どうしたの?タマお姉ちゃんこっちに戻ってからまだ会ってないでしょ? タマお姉ちゃんは命の恩人だもん。きっと喜ぶのですよ。ねー?」 「あ…う…え、ええっとぉ………雄二…そう!雄二もずっと荷物持ちで疲れてるでしょ? お腹もすいてきたし先に一息つきましょ。ね?ね?」 な、なんだぁ?この取り澄ました態度。なんか隠してやがるか? 「いや、俺は別に―――」 「疲れたわよね〜?(ニコッ)」 「おうよ!このみぃ、腹が減っては戦ぁできないぜ?」 「ええっユウくん決闘するの?誰と?」 このお子様は…。 「貴明のでぇじな話があんだろぉがよ」 「あ…そだよね。じゃあタマお姉ちゃん、今度一緒にゲンジ丸の散歩に行こうよ」 「そ、そうね。暇な時にでも一緒させてもらおっかなぁ…は、あははは」 「うん!きっとだよ?」 チィ…思わず流されちまったが俺、もしかして大魚を逃がしちまったんじゃないか? http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/42
43: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 03:16:11 ID:xZleiMBi0 「ただいま〜」 「お帰りなさい。さぁタマちゃんあがって。ユウくんもお疲れ様ね」 出る前にも会ったが…あいっかわらず若いよなぁこの人。 とても一児の母親には見えん。だからつって春夏さんまで口説こうなんて思っちゃいないが。 にしても、このみン家にお邪魔すんのも随分久しぶりだ。 なんといっても此処は貴明のテリトリーだからな、ケケケ。 到着して間を置かず昼食タイムに入る。 姉貴の弁当に加えて春夏さんの手料理も加わって昼メシとは思えないほど豪華な内容だった。 食後の茶をご馳走になる頃、姉貴がようやく本題を切り出した。 ―――なんともふざけた話じゃあある。 簡潔に言えば、貴明の親父さん達の仕事――その延長らしいが――の都合で貴明の 意思確認なしに膝元に呼び寄せられた、ってことらしい。 差し出された、姉貴が昨日貴明の家で見つけたという置き手紙。 小奇麗でクセのない字面。あいつの字で間違いなかった。 次に春夏さんが出したのはプリントアウトされた文書。こっちの字には見覚えがねえ。 チビ助が「それいつ届いたの〜?」とか騒いだが置いておこう。 その内容は突然の事に対しての俺達への詫びと、貴明の書置きより詳しい理由。 それと臨時の保護者役だった春夏さん達に貴明の休学届けを出して――― 「―――貰いたい、ですって」 「そんな…やっとタカくんと学校に行けるようになったのに…」 「このみ。タカ坊にはタカ坊の事情があるのよ。ずっと会えないわけじゃないんだから」 「でもでも!ひどいよ…なんにも言わずに行っちゃうなんて」 俺も同感だ。こんな身勝手な話があるかよ。 昨日までなんでもないと思ってた日常に突然デカイ穴でも空けられたみたいだった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/43
44: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 03:17:00 ID:xZleiMBi0 ……もうひとつ腑に落ちねぇこともあった。 「私だって同じ気持ちよ。たまたま手紙を見つけたのが私だった、っていうだけの話でね」 それは姉貴の態度。 この一ヶ月で姉貴が貴明に向けてる感情は、このみが貴明に持ってるだけのと同等まで 膨れ上がってると、俺は確信していた。 なのにこの落胆の差はおかしかねぇか? 一足早く置き手紙を見つけたから?自分は落ち着けるだけの時間があったから? だったら休学するって報せに対して、この余裕じみた態度は何だよ? わからねえ。わからねえことだらけで俺は黙る他なかった。 泣きが入る寸前まできていたこのみを姉貴と春夏さん三人がかりで宥めてグズがおさまろうって 頃に姉貴がこのみに家に来ないか、と誘った。 紹介したい子がいるんだと言う。それが誰か俺だって知らない。 突然すぎるこの申し出。いったい姉貴のやつ何考えてんだ。何を知ってる? ただ姉貴がこのみをどれだけ気に掛けてるかは解ってる。 それは当のこのみにも伝わったはずだ。 よくわかってない表情で「することもないし…」とついて来る事に賛同した。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/44
45: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 03:18:25 ID:xZleiMBi0 帰り道、またしても荷物は全部俺持ち。弁当は空になった分だけ軽くなったのが救い じゃあるが理不尽だぜ。 待遇への不満でもなんでもいい、この押し黙った重っ苦しい空気を変える為に軽口のひとつでも 叩くのが俺の役目だったんだろうが迂闊な方に口が滑ったら、チビ助がまたグズりかねない。 貴明ぃ…。親の都合だか何だか知らねぇが戻ってきたらシバき倒してやる。 屋敷の門が見える辺りまで来て、見慣れないものが目に入った。 真っ白い頭の飾りに、その存在の象徴とも言えるエプロンドレス。 「おい!あれ!あれって!」 自分が誰に訴えかけたのかもわかってないほど俺は昂ぶる。 「うわー、ねぇねぇユウくん、メイドさんがいるよ。すごいよ〜」 さっきまでしょげてたチビ助も未知との遭遇に目を輝かせている。 そうだろうそうだろう、この歴史的瞬間にいつまでも鬱オーラ背負ってられっかよ! 「こら雄二。あの子も初仕事なんだから、少しは主の一員らしくなさい」 あるじ…。おおぉ……なんて甘美な響きなんだよチクショー! 「ダメね…これは」 早る気持ちを身体ごと姉貴に抑えつけられながら、メイド姿の女の子の前まで辿り着く。 顔が真っ赤だぜ、うんうん初々しくっていいじゃないのさ。キミィ! 「ただいま」 姉貴がニコニコ…むしろニヤつきながらそれだけ言うとメイドさんが深々と頭を下げる。 「―――お帰りなさいませ。お嬢様方」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/45
46: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 03:19:34 ID:xZleiMBi0 以上 即死回避の役に立てれば重畳です http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/46
47: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 04:15:56 ID:n2a45/l90 キター!! 反転東鳩キター!!!! http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/47
48: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 17:31:17 ID:YikRYKDz0 >>36 朋美×陽子、GJです。 朋美って朋也以上に春原依存度が高いよなぁ http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/48
49: 名無しさんだよもん [sage] 05/03/12 22:33:17 ID:hJ97EJzk0 38-45 くそー、めちゃくちゃ続きが気になるぞ 次回の続きを期待してますぜ、アニキー http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/49
50: 天使なんていらない14(1/3) [sage] 05/03/12 23:02:27 ID:ImBLvtGM0 木田朱鷺乃が学校を休んで、三週間ほどが過ぎた。栗原透は困惑気味のまま、彼女の空席を見てため息をつく日々をすごしている。榊忍は、外見上は特に気にした様子を見せず――だがそれでも、時折物思いに耽っているようだった。 しかしながら、その他大勢や教師からすれば、朱鷺乃は学校内では浮いた存在であり、学校を無断欠席する事も多かった生徒だったことが原因か、彼女がいない、という事実はさほど学内では問題とはならないようだった。 朱鷺乃は自室のベッドの上に膝を抱えて座り、じっと壁を見つめていた。 警察に駆け込み、自分を強姦していた男達を思い出せる限り顔と名前を伝え、ブタ箱送りにした。その中には当然、自分をあんな場所に陥れた男――麻生明日馬の名もああった。 警察で面通しをした時に、顔をあわせた。マジックミラー越しで実際に相手に気付かせずにする事もできると言われたが、それを断ったのはひとえに朱鷺乃の意地だろう。 警官に付き添われて姿を見せた朱鷺乃を見た明日馬は、一瞬目を見張り、そして自嘲するように笑った。 それだけだ。それ以上、何か言葉を交わす事もなかった。 男達は罪状を否認する者もいたようだが、主犯格である明日馬が仲間の名前と行った犯罪を洗いざらい警察に自白したことから芋蔓式に逮捕者が増えていった。 大学に巣食った強姦サークル――。テレビではそんなセンセーショナルな見出しが躍っている。 ブラウン管に踊るそれらをぼんやりと眺めながら座り込んでいると、不意にフンフンという息遣いが近寄ってきた。 毛むくじゃらのムクイヌのような子犬が、朱鷺乃の足の周りをうろうろとしているのだ。 それを払う事すらせず、ただ周りをウロウロするに任せている朱鷺乃の袖を、不意に犬が噛んだ。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1110339530/50
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