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366: 河野家にようこそ 第64話(1/9) 2006/07/17(月)20:59 ID:+XxlFIK+0(1/10) AAS
 珊瑚ちゃんを迎えにイルファさんがやってきた。
 初対面のちゃるよっち、それに雄二と郁乃は、あまりに人間的なイルファさんに驚きを隠せない。
特に雄二のイルファさんを見る目が普通じゃないなどと思っていたら、雄二のヤツいきなりイルファ
さんに求婚しやがった!
 初対面でいきなり求婚だなんて冗談にもほどがあると思ったが、どうやら雄二は本気らしい。タマ
姉の暴力にも屈せず、イルファさんには他に想ってる人がいると聞いても諦めない雄二。このまま
では収拾がつかないので俺はイルファさんに入れ知恵をし、それに従ってイルファさんは、「お友達
から始めましょう」と、無難かつベタな言葉を。その言葉に納得どころか感激して涙さえ流す雄二。
よく分からないが何となくいい場面だと周囲が拍手をする中、郁乃は俺に「そもそも、メイドロボと
結婚って出来るの?」と尋ねてくる。もっともな疑問だね。
省13
367: 河野家にようこそ 第64話(2/9) 2006/07/17(月)20:59 ID:+XxlFIK+0(2/10) AAS
「お姉ちゃん、帰る途中でつまみ食いしたら駄目だからね」
「い、郁乃!? そ、そそそそんなことしないよぉ!」
 妹の注意に慌てる姉。さては食うつもりだったか。食うつもりだったんだな。
 ところで――
「〜☆」
 春夏さんの顔を見てからこっち、ずーっと春夏さんに抱きついている珊瑚ちゃんである。春夏さん
は文句など言わず、嬉しげに珊瑚ちゃんの頭をなでていたりもしたのだが、そろそろお別れの時間。
「珊瑚ちゃん、またいらっしゃいな。珊瑚ちゃんならいつでも大歓迎だから。
 あ、そうだ。今度はうちに泊まりにいらっしゃい。勿論イルファさんも一緒に」
「春夏ママ……」
省13
368: 河野家にようこそ 第64話(3/9) 2006/07/17(月)21:00 ID:+XxlFIK+0(3/10) AAS
 まぁ、タマ姉にも「任せた」と言われた以上、我が家の現状を春夏さんに報告するのも今の俺の
勤めだろうな。改めて柚原家の居間に通される俺である。
 春夏さんには包み隠さず――雄二箱の件はいささか言うのがためらわれるものの、事件の目撃者で
あるこのみが目の前にいる以上、ウソや隠し事は通用しないワケで、それもキチンと報告する。
 すると春夏さんは、
「タカくんもユウくんもHね〜。まぁ、男の子なんだから仕方がないか。でも程々にしなさいよ。
年頃の女の子たちが近くにいるんだし」
 そう俺に注意した後、何故か嬉しそうに、
「一度この台詞言ってみたかったのよね〜! やっぱり男の子、欲しかったな〜」
 一人娘のこのみの前で言う台詞じゃないと思いますよ春夏さん。ホラ、このみも苦笑いしてるし。
省13
369: 河野家にようこそ 第64話(4/9) 2006/07/17(月)21:00 ID:+XxlFIK+0(4/10) AAS
「ありがとうね」
「ありがとう? 何が?」
「家に泊めてくれたこと」
「そんな感謝されることじゃないって。タマ姉たちが一晩だけ帰って部屋に空きが出来た、それだけ
なんだからさ」
「うん、でも、とっても楽しかったから」
「そっか、まぁ、確かに楽しかったな」
「ねぇタカくん」
「ん?」
「ずっと……楽しいといいね」
省13
370: 河野家にようこそ 第64話(5/9) 2006/07/17(月)21:01 ID:+XxlFIK+0(5/10) AAS
「いや、な。帰る前に一つ確かめたいことがあってだな」
 雄二はうぉっほんと咳払いをし、
「単刀直入に聞くぞ。貴明、お前イルファさんのこと、どう思ってる?」
「どう、って聞かれてもなぁ……」
 雄二の目があまりに真剣で、冗談を言える雰囲気ではなさそう。俺なりに考えて、そして――
「いい人だと思うよ」
 この際、イルファさんは人ではないだろといったご指摘はご勘弁願いたい。ロボットに人格云々と
言った難しい議論はさておき、俺はイルファさんをあくまで一人の女性だと思っている。
「何とも無難だな。いかにもお前らしいよ。その調子だとどうせちゃんと考えたこともないんだろ」
「ちゃんと考えたことって、何が?」
省14
372: 河野家にようこそ 第64話(6/9) 2006/07/17(月)21:06 ID:+XxlFIK+0(6/10) AAS
 そんな愚かな俺の目を覚まさせてくれたのがあの人、イルファさんなんだ。あの人こそ真の愛、
あの人こそ、俺が生涯をかけて愛すべき女性なんだ。
 もう一度言う。貴明、俺は本気でイルファさんを愛している」
 ……この場合、恋は盲目と言うべきか、バカにつける薬はないと言うべきか。
「分かった。お前の気持ちはよーく分かったよ雄二。
 だけどな、これだけは念を押して言うぞ。イルファさんを好きになるのはお前の勝手だけれど、
だからってイルファさんに迷惑を掛けたら承知しないからな。親友とは言え、いや、親友だからこそ、
いざとなったらお前をねじ伏せて、タマ姉に頼んで全寮制の男子校送りにでもしてもらうからな」
「……分かった。これからはあくまで紳士的にイルファさんとお付き合いするよ。その方がイルファ
さんにも喜んでもらえるだろうし」
省13
373: 河野家にようこそ 第64話(7/9) 2006/07/17(月)21:07 ID:+XxlFIK+0(7/10) AAS
「やることがあるからって、二階に行ってる」
 TVを見ながらそう答える由真。
 やること、ねぇ。春夏さんに報告したことを一応伝えておきたいし、さっきの女の子たちのことも
聞いてみたいけど、邪魔をするのも……。まぁ、一応行くだけ行ってみるか。

 コンコン。
「タマ姉、いい?」
 二階のタマ姉たちの部屋の前。念のためノックして尋ねてみると、
「タカ坊? いいわよ」
 お許しが出たので部屋に入る。見るとタマ姉は俺の親父の机に座り、何やら書き物をしている。
「何してるの、タマ姉?」
省13
374: 河野家にようこそ 第64話(8/9) 2006/07/17(月)21:08 ID:+XxlFIK+0(8/10) AAS
「じゃあ、どうやって――」
「実はね、私たちの生活を金銭面でサポートしてくれている人たちがいるのよ。私はその人たちから
お金を借りているの。だから、実は私も借金持ちなのよね」
 サポートしてくれている人たち? ”たち”ってことは、複数いるってことなのか。じゃあ、一体
誰なんだ、その人たちって?
「でも、それが誰なのかは、タカ坊には教えられない。勿論、あの子たちにもね」
「何でだよ? 世話になってる人間が誰なのかくらい、俺たちだって知るべきじゃ――」
「それを知ることで、問題がこじれる可能性があるからよ」
 問題がこじれる? 一体タマ姉は何を言ってるんだ? そもそも問題って、――あ!
「思い当たるフシがある? でも正解は教えないわよ。
省14
375: 河野家にようこそ 第64話(9/9) 2006/07/17(月)21:09 ID:+XxlFIK+0(9/10) AAS
「分かったよタマ姉。俺は絶対口外しないし、これ以上は何も追求しない。
 お金の面はタマ姉にお任せするから、ここは一つ、よろしく頼むな」
 すると、何を勘違いしたのかタマ姉は、
「あら、口止め料ってこと? ダーメ。そんなこと言ってもお小遣いは増えないわよ」
「あ、いや、そう言う意味でのよろしくじゃなくて……」

「ところでさタマ姉、さっきの女の子たちのことだけど」
「ああ、玲於奈たちね」
「やっぱり、タマ姉の知り合い?」
「ええ、九条院での後輩よ」
 そこで何故かハァとため息をつくタマ姉。
省12
376
(3): 河野家にようこそ の作者 2006/07/17(月)21:09 ID:+XxlFIK+0(10/10) AAS
どうもです。第64話です。
>>371さん、支援ありがとうございました。m( __ __ )m

えー、一部の方々には誠に申し訳ございませんが、本作の雄二はどうやら本気でイルファさんに
惚れてしまった模様ですw
この先どうなるかは、作者の俺にもよく分かりません。「まぁ九分九厘振られるわなw」と予想して
はおりますものの、世の中には万が一ということもありますし……
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