【WHITE ALBUM2】和泉千晶スレ ネコ2匹目 (527レス)
上下前次1-新
161(1): 2013/03/11(月)22:27 ID:TEnqWxrg0(3/6) AAS
「ピアニストだから本能的に手をかばう、なんて都市伝説だね。フルパワーじゃん。
それに、昨日も触って思ったけど鍛えられた硬い手指。鉤爪みたいだね。弱々しい音ばかりの平手打ちとは月とスッポンだ」
「まさか…あなた…」
板倉は悟った。さっきの吹き飛び方はいくらなんでもおかしかった。手も予想していたように素早く顔を完全にガードしていた。それに、吹き飛んだ先には本人が事前に置いた大きなボストンバッグ。
「…わざと、冬馬かずささんを怒らせて…手を出させた?」
「ご名答」
「…なんで?」
「『恋敵に対してするように手を出して下さい』ってお願いしたらちゃんとやってくれた?」
「?? …なんで冬馬さんに…っ!? まさか…」
板倉は勘付いた。かずさも気づいた。
省13
162(1): 2013/03/11(月)22:28 ID:TEnqWxrg0(4/6) AAS
全て話し終えた後で、千晶はそれまでのうすら笑いではなく、にこやかな微笑みを浮かべて言った。
「まぁ、でも、ケリついたみたいだね。あんたたちの関係」
「!? っ! 何を!?」
「アンサンブル増刊号、付属CD『White Album』ボーナストラック」
「!?」
「3人の和解の産物。あなたから声掛けないとあり得ないよね。あんな曲売られるの」
「………」
「春希とおめでとう、とだけ言わせてもらうわ。これだけは心から言える。」
「何…を…?」
省14
163(1): 2013/03/11(月)22:34 ID:TEnqWxrg0(5/6) AAS
かずさは訥訥と語り始めた。
「もう、春希は…」
ストラスブールでの再会。日本での公演を決めたわけ。日本での再会。イラついて板倉にあたり、春希に助けを求める羽目になったこと。
母親の悪だくみ、いや、計らいで春希の隣室で過ごした日々。
しかし…
コンサートの時に来なかった春希とズタボロの演奏。
旧冬馬宅まで逃げた自分を追ってきた春希。自分を支えようとする春希。
だが…
「わたしは………春希を信じることができなかった………自分の親も………」
そして、知るべきでなかった真実を知ってしまう。母と春希が隠していた、母を蝕んでいた病魔…
省11
164: 2013/03/11(月)23:39 ID:TEnqWxrg0(6/6) AAS
今日はここまでです。
感想お待ちしてます。
165: 2013/03/12(火)03:22 ID:Mnnoylp20(1) AAS
>>159
ちょっw
千晶が賭けをするとはw失敗したら千晶的に劇の面白さが(リスク高すぎ)
冷静に自己分析するかずさ・・・ありえねぇw
>>160-163
閉幕後にしてはちょっと元気すぎって感じがしなくもないけど
かずさに頬を張られて役者本能に目覚める千晶はナイス展開ですな
かずさが手を庇わないのもストラスブールのストキング事件で証明済みだし説得力感じる
で・・・・・・・・次は、まさかの百合展開とか
春希がいないなら、自暴自棄半分でかずさ意外と目覚めてしまったりしてw
省2
166: 2013/03/12(火)13:00 ID:d/YG8bzJ0(1) AAS
「**の表情を見せて」
「不安げな表情をつくり」
「涙を流して見せた」
だまされるな〜かずさ〜
167: 2013/03/12(火)20:00 ID:yV+1y9e90(1) AAS
特級スーパーかずさってこれか?
外部リンク:ja.m.wikipedia.org
168: 2013/03/12(火)21:17 ID:lZyFzptn0(1) AAS
整理してたらWA2のピロートークCDが出てきた
久しぶりに心温まる猥談を聞いたらまた千晶熱がぶり返してきたぜ
FD欲しいな…後日談欲しいな…勿論18禁要素アリで
169: 2013/03/13(水)01:45 ID:wZ4tktXS0(1/11) AAS
今日は日付変わるまで仕事して、明日は6時出;;
ともあれ、今日はかずさvs千晶の続き
170(1): 2013/03/13(水)01:46 ID:wZ4tktXS0(2/11) AAS
その鼓動のリズムはゆっくりと、規則的だった。あの時の、春希と同じ…
「………っ!」
だからこそかずさは気づいてしまう。感情を押し殺し、何かを隠そうとしている鼓動だと
どんっ!
「きゃっ!?」
かずさから両手で突き放され、慌てて声をあげ、距離をとる千晶。
「だからぁ………悪かったって……」
だが、かずさは暗く震えた口調で千晶を問い詰める。
「『知らなかったから』悪かった…って、本当に思っているというのか?」
「え?」
省15
171(1): 2013/03/13(水)01:48 ID:wZ4tktXS0(3/11) AAS
千晶は思った。
慰めさせてももらえないか。
じゃあ、あんたに本当に必要なモノをくれてやるよ。
春希も、あんたの母親もしてくれないことをね。あんたのファンだからね。
ここまでする義理なんてないけど。蛇足だけど。
副作用の強い『劇』薬だけど。くらいやがれ。
そして、一週間で立ち直れよ。
「ああ、そうだよ。振られたのはあんたの方だって、ハナから気づいてたよ。あんたに勝ち目はないって」
「…っ!」
「あんたの話を引き出して、自分の脚本の『答え合わせ』したかっただけだよ。ペラペラしゃべってくれてありがとさん」
省19
172(1): 2013/03/13(水)01:50 ID:wZ4tktXS0(4/11) AAS
「ひどい…ひどいです。瀬ノ内さん。人を何だと思っているんですか!」
板倉が動かないかずさを抱きしめつつ、泣きそうな声で千晶を責めるが、千晶は口調を変えずに答えた。
「そだね〜。『これも役作りのため。わたしにとっては芸がすべて』かな。
あんたが聞きたがっていた『瀬ノ内晶さんの役作りの秘訣は何ですか?』の答えがこれ。記事にしていいよ」
「…っ!」
板倉はくちびるを噛んだ。記事にしてこの怪物を懲らしてやりたいのはやまやま。
しかし、それが冬馬かずさを再び傷つけるのは明白。記事にできようはずがない。千晶もそれがわかって言っている。
魂まで打ち砕かれたかのようなかずさが、床に手をついたままで口を開く。
「…最後の…質問だ…」
千晶は人を喰った態度を続ける。
省10
173: 2013/03/13(水)01:51 ID:wZ4tktXS0(5/11) AAS
こよいはここまでにしとうごじゃります。
…かずさいじめすぎて胃が痛い
174(1): 2013/03/13(水)03:17 ID:z4DzDWzn0(1) AAS
>>170-172
うーん、かずさって取られたってワンワン泣きじゃくるタイプではあると思うけど
ここまで恋愛の勝ち負けにこだわるタイプでもなさそうな気が
というか、ここまでかずさが初対面の相手にペラペラ本音打ち明けるようにも思えないw
ちょっと強引すぎな展開の感じもするかもw
175: 2013/03/13(水)21:49 ID:iCemE9/g0(1) AAS
>>174
感想まじありがてぇ
>>かずさ恋の勝ち負けこだわりすぎでは?
「雪菜trueでかずさ潔く身を引きすぎ」って感じたのが、このSS書き始めた動機の一つなもので(^。^;)ゞ
反動で導入から黒い感情くすぶったかずさになってます。
>>かずさペラペラしゃべり過ぎ
千晶マジックということで(^-^;)
今日は日付変わる前に投稿できそう
176: 2013/03/13(水)23:44 ID:wZ4tktXS0(6/11) AAS
ういっす。本日分投下開始。
177(1): 2013/03/13(水)23:45 ID:wZ4tktXS0(7/11) AAS
**********5/16(日)冬馬宅にて
「かずささん! 開けてください! …せめて何か食べてください…」
これで丸3日、自室に籠もりきりのかずさの身を心配して美代子が扉を叩く。
最早かずさが冬馬曜子オフィスの唯一の稼ぎ手なわけだが、来週末に公演を控えた彼女がこの状態。美代子の心中穏やかならざることいかばかりか、である。
そこへ曜子が帰宅してきた。
「ふう…毎度の事ながらわが娘にも困ったものね…でも、今日は助っ人を連れてきたわよ…」
「こ、こんばんは…ははは…」
「…お邪魔します…」
「ばんわ〜っ」
「失礼します。お邪魔させていただきます」
省17
178(1): 2013/03/13(水)23:47 ID:wZ4tktXS0(8/11) AAS
今回の説得の口火を切ったのは依緒であった。
「冬馬さん…食事くらい食べたら?」
「…いい。…食欲ない…」
その後もかずさの身体を気遣う依緒だが、かずさには聞き入れられなかった。
続いて武也が話しかける。
「…冬馬…春希が聞いたら心配するぞ…」
「っ!…おねがいだよぉ…やめてくれよぉ…こんな…こんな情けないわたしを春希に見せないでくれよぉ…」
かずさの声が泣きそうなほど弱るのを聞き、これは逆効果と悟る武也。
曜子は次の説得相手を見繕ったが…美代子も板倉記者も効果は望めない…
…と、なればこの千晶という、今回の件の主犯格と言える怪しい新人女優しかいない。
省15
179(1): 2013/03/13(水)23:50 ID:wZ4tktXS0(9/11) AAS
「…ん」
促されてドアの前に立つ千晶。しばし考え込むも、やがて何か諦めたように首を振り、たどだしく口を開いた。
「…あのさ、冬馬さん。あれからずっと考えてはみたんだけど…」
ドアの向こうからは返事はない。しかし、千晶は構わず続ける。まるで自分自身にきかせるように。
「…結局、榛名が和希と結ばれて幸せになるエンディングは思い浮かばなかった…」
『結ばれるエンディングも構想していたが、ボツしただけ』という嘘が至極簡単なのは百も承知であったが、千晶の脚本書きとしてのプライドがそれを許さなかった。
ドアの向こうから僅かにため息が漏れたのが感じられた。
「榛名は…自分が傷つくことにも他人を傷つけることにも、ピアノを捨てることにも、
三人の中で一番臆病で一番不器用で…人と交わることも一番苦手なキャラだから…わたしがそういうキャラに作ったから…
…和希と幸せに結ばれるように動いてくれないんだ」
省11
180(1): 2013/03/13(水)23:53 ID:wZ4tktXS0(10/11) AAS
もはや、説得しているんだか自分がいじけているんだか千晶本人も解っていない。
「お前の来週のコンサートなんてなぁ、お前ひとりにS席5500円だぞ?
わたしはビンボーだからC席2500円しか買えなかったんだぞ!
ウチの劇団のチケットなんて、役者から裏方さんまで束になってかかってやっと一枚5000円なんだぞ!
しかも、チケットタダであげたのに来てくれない奴もいるんだぞ!」
もはや、ただの駄々っ子だ。
ここまでで、ようやく千晶の愚痴が終わった。当然ながらというか、ドアは開かない。少し息を荒くしつつ、千晶は考えた。
『やっぱりこの手しかないか…』
千晶は落ち着いて、心を研ぎ澄ました。
イメージするのは春希。説得の成功率が一番高そうな人物だ。もちろん、リスクもある。
省14
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 347 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 0.011s