【WHITE ALBUM2】和泉千晶スレ ネコ2匹目 (527レス)
1-

225: 2013/03/24(日)21:04 ID:xnhROo7p0(4/6) AAS
 美代子からはパティスリー・コアンドルの焼き菓子
 千晶からは福間屋のカステラ
 依緒からは鈴々屋の和菓子
 武也からはRIKUDOHのショコラ・アラカルトだった。

 24歳の誕生日のプレゼントがスイーツオンリーという事態は避けたいと皆思っていた。

 しかし、雪菜からは手作りのベイクドチーズケーキだった。
「…甘さは控え目なんだけど…」それが何のなぐさめになるというのか。

 残すは春希のプレゼントのみとなった。
 皆、最後の希望を託した。

「甘いものがかぶる事態は想定していたから…」
省4
226: 2013/03/24(日)21:05 ID:xnhROo7p0(5/6) AAS
「…お前たちの気持ち、ありがたく受け取っておく…」
 せめて、誰か一人でも外してくれればここまで微妙な雰囲気にならなかっただろうに…

 と、そこで以外なところから助け舟が出た。
「あら、わたし以外甘いもの持ってきたんだ」
 さっそくそちらへ話題転換を図る春希
「あ、曜子さんのプレゼントは何だったんですか?」
「っ! 待て」
 かずさが制止する間もなく答える曜子
「トライアンフの下着よ。確認してあげる?」
「………」
省2
227: 2013/03/24(日)21:06 ID:xnhROo7p0(6/6) AAS
<ぽーん>
 ども、しばし歓談の後、修羅場いれます。
228: 2013/03/26(火)19:14 ID:ufCvLMBw0(1/5) AAS
ども、毎度スレ汚しすまないっす
SS続きです。
229: 2013/03/26(火)19:15 ID:ufCvLMBw0(2/5) AAS
 雰囲気を打破したのは依緒だった。
「先週はコンサート良かったよ〜」
「そういえば依緒と千晶は見に来てくれたな…そう、千晶なんて全部来てくれてるんだ。一回も来ない薄情者は…おや? まだいたかな?」
「あはは…ゴメンね」
「悪い…かずさ…」
「気にする事はない。これから何度も日本でコンサートやるんだからな。美代子さんに言ってくれれば席押さえるよ。雪菜」
 かずさの機嫌がどうやら上向きになりつつあるのを見て、一同胸をなで下ろした。
「ありがとう、かずさ」

「開桜社も春希みたいなぺーぺーに回す関係者チケットないみたいだな。自前で入手してくれ」
「…はは。了解」
省4
230: 2013/03/26(火)19:17 ID:ufCvLMBw0(3/5) AAS
「と、場がくだけたところで、重大発表です」
 武也がかしこまって語り出す。
「え〜、この度、冬馬かずささんは弊社アンピトリテ社のCMに出ていただけることになりました」

「えっ? すごいじゃん冬馬〜」
「かずさすごいよ〜」
「ってことは、かずさのテレビデビューか!」
「ひひひ〜。すごいね〜。ねぇねぇ、儲かった?」
 興奮する一同

 しばし、みなでCMの話で盛り上がる。
 そのうち話は『今どんなCMやってたっけ」という話になり、テレビがつけられた。
省3
231: 2013/03/26(火)19:18 ID:ufCvLMBw0(4/5) AAS
 ええい、ままよ
 どのみちいつかは話さない訳にはいかない。
 かずさは意を決して口を開いた。
「雪菜たちはさ、もう式場とか決まったのかな?」
 自分で思ったより自然な声が出せてかずさは安心した。

 雪菜も落ち着いて返事する。
「もうすぐ決まりそうなんだけど、なかなか決まらないの、年内にはと思っているんだけど…」
「そうか…なら一つ条件がある」
「? 何?」
 かずさは得意げに言った。
省11
232: 2013/03/26(火)19:19 ID:ufCvLMBw0(5/5) AAS
<ぽーん>
千晶巻き込まれるシーンまでいきませんでした。次回までお待ちをば
233: 2013/03/27(水)12:46 ID:q4EYgQHz0(1/2) AAS
続き投下します。
234: 2013/03/27(水)12:47 ID:q4EYgQHz0(2/2) AAS
「ねぇ。ドレスは決まったの?」
「まだなの。『コレ!』って思ったやつはサイズ合わなかったりしてさぁ…」
「幸せ太り?」
「まさかぁ。やめてよ」
「…もしかして、授かり?」
「もぉ! 依緒ったら。そんなことならないように最近は気をつけてるよ…」

 その時だった。

 どぼどぼどぼ…ごくごくっ

 かずさが手元のジュースを乱暴にコップに注ぐや否や一気のみをしたのだ。
 かずさの雰囲気が一気に冷たいものに変わっているのに誰もが気づいた。
省5
235: 2013/03/27(水)12:50 ID:neh/W4Rw0(1/5) AAS
 …ここは『ジュースリセット』いくか? …ちっ

 千晶が考えたのは、まずいことになる前に『ワザとジュースをこぼして場を切る』荒技だったが、生憎、手元にはわずかに残った缶ビールしかなかった。

 初手を打ったのは会話のイニシアチブを持っていた雪菜だった。
「あ、そうそう。わたし、千晶さんに質問あったんだけど、いいかな?」

 ナイスぶったぎり! 千晶ほか若干名は心の中で快哉をさけんだ。
 しかし、そこでかずさの爆弾が爆発した。
「…千晶のことは春希に聞いたほうがいいんじゃないか? 何せ、二人は『寝た』仲なんだし」

 千晶は毒づいた。
 まったく、厳しいアドリブ要求するよ。
 千晶が観察するに、武也、曜子を除いて注目は自分、これはよし。
省2
236: 2013/03/27(水)12:51 ID:neh/W4Rw0(2/5) AAS
「わったたたっ! かずさ。それはかずさからかっただけで、違うんだよ〜」
 すかさず慌てたフリをして返す千晶

 そこで、かなり強ばった声で雪菜が聞いてきた。
「千晶…さん?」
「ほい? ナニ?」
「先一昨年の末、春希君の携帯に夜中電話かけたら女の人が出たことあったんだけど…あれ、千晶さんだよね?」
 春希は硬直した。

 よし、食いついたっ。
 千晶はちょっとだけすまなさそうなふりをして答えた。
「そ〜なの。実は、わたしも昔春希のこと狙っててさ〜」
省10
237: 2013/03/27(水)12:52 ID:neh/W4Rw0(3/5) AAS
「そうなんだよな。春希と雪菜ちゃん、はやくくっつかなかったから、周りで勘違いして被害受ける奴多かったこと。
 …おやおや、ここにも被害者いたとは…春希だけでも片手で数えられないんじゃね?」
 武也っ。援護射撃さんきゅっ。…あとは『長瀬晶子』の後処理もしておくか…

「ねえ、雪菜ちゃん。『長瀬晶子』って覚えてる」
「え…やっぱり…」
「あれ実は変装したわたし。いや〜、春希の彼女ってどんなヒトかって確かめずにいられなかったんで…会ってビックリ、ミス峰城大付三連覇の小木曽雪菜? なにその彼女いないいない詐欺は! って打ちのめされましたよ。わたしは〜」
「………」
 雪菜も春希ももはや声も出ない

 千晶は両手を合わせて『お願い』のボーズで締めにかかる。
「てなわけで、和泉千晶も諦めてお二人のコト祝福させてもらいます。いいかな?」
省5
238: 2013/03/27(水)12:53 ID:neh/W4Rw0(4/5) AAS
「てなわけで、かずさもごめんね。わたしと春希は実は何でもなかったの。かずさからかってただけなの」
 ここで、ようやく本日の主役にバトンを返す千晶。
「…あ…ああ、いいよ…」
 かずさは、ものすごくすまなさそうな顔でうなづく。

 武也は、呆れたふりをしてかずさに言った。
「冬馬、やはりお前、友達もう少し選んだほうがいいわ」
「…はは、どうも。部長」
 かずさの顔は引きつっていたが、落ち着きは取り戻したようだった。

 その後は大学の卒業旅行の話など当たり障りない話で盛り上がり、誕生会はひとまずお開きとなった。
239: 2013/03/27(水)12:55 ID:neh/W4Rw0(5/5) AAS
<ぽーん>
次回、千晶がお説教?モードでかずさ苛めます。
240: 2013/03/29(金)18:17 ID:/3OIXhW30(1/7) AAS
続きです
241: 2013/03/29(金)18:18 ID:/3OIXhW30(2/7) AAS
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 春希たちは皆、翌日仕事があるので帰宅。曜子も薬を飲んで寝室に向かったので、居間に残ったのは千晶とかずさだけになった。

 千晶は、ふたりになったのを見計らい、かずさに意地悪そうに言った。
「はい。反省会〜」
「うう…。千晶ごめん…」
 かずさは机につっ伏して謝った。泣いているようだった。

「だいたい、最初の方から春希につっかかり放しじゃない。武也とかも腫れ物扱いしてフォローしてたけど」
「ほんと…ごめん…」
 かずさの声は消え入りそうだった。

「トドメにわたし陥れてまで春希に食ってかかるって何それ? わたしじゃなきゃ絶交ものだよ」
省5
242: 2013/03/29(金)18:19 ID:/3OIXhW30(3/7) AAS
 千晶は座椅子から立ち、かずさの後ろから覆い被さると、耳元をなめるように囁いた。
「この『色情狂』」
「〜〜〜っ!」
 かずさは返す言葉もなく紅潮する。

 千晶はそんなかずさの表情を、至近距離から舐めるように堪能した。
「いやぁ〜、わたし女で良かったわ。…男だったらガマンできずにあんた押し倒してるわ」
 そういってわき腹のあたりを撫で回してくる千晶に、かずさはたまらず抗議の声をあげる。
「ちょ、ちょっと、やめろよぉ」

「ふふふ…嫉妬したんだよねぇ。式を前に避妊なんてしてる雪菜ちゃんムカついたんだよねぇ」
「…うっ…うっ…ふえぇ…」
省5
243: 2013/03/29(金)18:20 ID:/3OIXhW30(4/7) AAS
「ねぇ…雪菜たちと距離置いたら?」
「!」
 ばさっ
 かずさはそれだけは嫌だといわんばかりに千晶の手を振りほどき、振り返って千晶を睨む。

 千晶はのしかかっていた身体を離すと、事も無げに言った。
「〜♪ 怖くない? じきに、未練と嫉妬と劣情にまみれたあなたを知られるよ? 結婚式の場でも平静でいられる? ピアノならごまかせる?」
「うああ…、苛めるなぁ…、千晶は意地悪だぁ…」
 こてりと千晶の胸に顔を埋めるかずさ。

「…でもね、千晶、逃げ出した後の方がもっと怖い…」
「………」
省12
244: 2013/03/29(金)18:21 ID:/3OIXhW30(5/7) AAS
 そこで、千晶は春希の口調を真似て言った。
「『いつまでも拗ねてるんじゃない! いい加減にしろっ!』」
「あ…」
 かずさは再び千晶の胸に突っ伏した。肩に掛けたその手が震えている。
「どしたの? 似てない?」
「いや、…千晶が女でよかったよ。そんな反則技…」
 かずさの手に力がこもる。千晶は耐えきれず後退して、後ろのソファーに押しつけられるように座り込む。

 千晶の胸に顔を埋めたままかずさが『春希』に返答する。
「誰のせいだと思っている…全部、お前のせいなんだぞ」

 押し倒されつつも、千晶は『春希』の演技をつづける。
省6
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