[過去ログ] 【WHITE ALBUM2】冬馬かずさスレ 砂糖58杯目 [転載禁止]©bbspink.com (366レス)
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37: 2015/10/23(金)14:44 ID:+a0bZo3T0(29/43) AAS
かずさ 「…なんだ、春希、眠いのか?」
春希  「…ああ、少し」
かずさ 「…心配すんな。またうなされてたら、あたしがなぐさめてやる。お前の苦しみを、あたしが舐めとってやる。
     …で、またお前が雪菜の名前を口に出したら、思い切り、噛み付いてやるから」
春希  「…最後のは、勘弁してくれないかな」
かずさ 「…馬鹿いうな。それで許してやるなんて、こんな心の広い女、世界であたしくらいだぞ?」
春希  「…そうかもな。…ごめんな」
かずさ 「…あやまるな。…ばか」

ウィーンは、もう、あと少し。かずさの国まで、あと、少し。

春希  「…なあ、かずさ」
省12
38: 2015/10/23(金)14:52 ID:+a0bZo3T0(30/43) AAS
かずさ 「…へ?!は?!え?」
春希  「…だめか?」
かずさ 「え、いや、お、お前、な、なにいって」
春希  「…だめ、か?」
かずさ 「だ!だめ、とかそういうことじゃなくて、だな、お、お前、そんな」
春希  「…だめ、か…」
かずさ 「!だめなわけないだろ、ばか!…う、いや、その…」
春希  「…いいのか?」
かずさ 「…な、んで、あたしが、断るんだよ。あたし、だって、あたしだって、ずっと、ずっと…」
春希  「…お前のせい、なんだからな?」
省11
39: 2015/10/23(金)14:59 ID:+a0bZo3T0(31/43) AAS
・到着ロビー

かずさ「うわああああん。春希のバカあああ!」
春希「帰りの日にちは伝えただろ! なんで空港で一週間も待つんだ!」
かずさ「春希、日本に帰るなんて言わなかった! ウィーンに帰る日にち書いたメモ紙無くした! クラクフの人に聞いたらあの中年男が春希を日本に連れてったほか、ショパン空港に戻ることしかわからないって言われて…もう、春希は戻って来ないかもって思って…ぐすん」
春希「わかった。わかったから泣くな」
記者「ハチコのご主人さん。取材よろしいですか?」
春希「あの? 心なしかマスコミ関係者が多いんじゃ? テレビカメラまで」
記者「すいません。ハチコさんこと冬馬かずささんの日本のオフィスに問い合わせたところ、ハチコさんに秘密にする事を条件にあなたの来る便名を教えてくれまして」
春希「(曜子さん…楽しんでませんか?)」
40: 2015/10/23(金)15:06 ID:+a0bZo3T0(32/43) AAS
AA省
41: 2015/10/23(金)15:12 ID:+a0bZo3T0(33/43) AAS
上陸支援の艦砲射撃は50レスくらいかな?

時間があれば射撃は続けるけど
42: 2015/10/23(金)15:18 ID:+a0bZo3T0(34/43) AAS
「まぁ、それはともかくだな。場所は地中海クルーズの豪華客船の中での演奏だ。10日間で3回。仕事が終わったら、二人でバカンスを過ごそう?」
俺だって、せっかくのバカンスの時期に仕事「だけ」を考えているわけじゃない。狙える時は一石で二鳥も三鳥も取ってやる。
ああ、バイト先の出版社で みっちり仕込まれたんだもんな・・・NYに居る麻理師匠は元気でやっているだろうか。
「船の上ぇ〜!?」
かずさにしては珍しく 素っ頓狂な声を上げたので、ちょっとずっこけた。
「やっ、やだよ、船の上なんて。ピアノだってロクなものが置いてあるわけないだろ?
よっ、よくも そんなピアノをあたしに弾かせようとするな。おまえにとって、あたしのピアノはそんなものだったのか…?」
「どうした?そんなに興奮しなくても・・・」
事務所に送られてきた、この仕事の企画書に添付されていた 船の設備やらを思い出しながら話をする。
「ピアノは悪くないんじゃないかな?何かベーゼルなんとかっていうメーカーのピアノがあるって言ってる。ちゃんと調律師も同乗してるし、エアコン付のピアノ保管庫もあるって話だぞ?」
省12
43: 2015/10/23(金)15:28 ID:+a0bZo3T0(35/43) AAS
本当にCCアニメ化しないかなー

でもかずさは殆どからまないからそこがネックだよな

しかし俺も大アクアプラス祭行きたいなかずさファンと親交も深めたいし
44: 2015/10/23(金)15:36 ID:+a0bZo3T0(36/43) AAS
「あれ? 冬馬かずささんじゃないですか?」
 そう言ってスタッフ出入り口のドアを開けて出てきたのは、板倉記者の本日の取材のターゲット。
 劇団コーネックス二百三十度の新人女優、瀬ノ内晶、本名和泉千晶であった。
いつだったか・・・・・日本に居た頃、アイツが帰ってくる前に
部屋のドア前で座り込んだり、駅前まで行ってすれ違いになると嫌だなと思って戻ってを5回繰り返し、
ご主人を待つ犬の様な真似をしてしまった。
今はそんなことはしない、というか出来ない、だって帰ってくるのは空港からだし、タクシーを使うだろうから。
最速で確実にアイツに会えるのはこのマンションのエントランス、だからエントランス脇のラウンジで待つ。
45: 2015/10/23(金)15:46 ID:+a0bZo3T0(37/43) AAS
目まいのする身体を起こして寝室を出ると、ワインを飲みふけるかずさがいた。

「朝っぱらから飲むなよ」

「ティーポットも洗ってないというのに、あたしに不味い水でも飲めというのか?」

「酒まで飲まなくてもいいだろ」

「仕事でもあるというのか?」
省5
46: 2015/10/23(金)15:53 ID:+a0bZo3T0(38/43) AAS
・商談の後

中年男「ありがとう。お陰で商談もスムーズにいったよ」
春希「いえ、翻訳に拙いところあり、すいません」
中年男「いや、ああいう所は音楽家同士で通じるところだからいいんだ」
春希「どうも。この後は何かありますか?」
中年男「飛び込みで記者の取材が入ったから、手伝ってほしい。たしか、君も前職は有能な記者だったんだってね。曜子さんから聞いてる」
春希「そんな、有能なんて…」

雪菜「ここが音楽室だね。懐かしいな。中に2人いるんだよね。じゃ、入るよ」
 ガチャ
雪菜・武也・依緒「結婚おめでとう!」
省14
47: 2015/10/23(金)16:35 ID:+a0bZo3T0(39/43) AAS
『お前がこんなにも駄目な奴だから、どうしようもない奴だから……』

 ……そんなの、分かってる。
 誰に言われるでもなく。
 自分が一番分かってるよ。

『だから…………俺がなんとかするしかないだろ?』

 ……だから、分からなかったよ。
 お前がそんなこと言いだした時に。
 お前が何を考えてたかなんて。
孝弘「‥え〜と‥‥乾杯を」

小春「ちょっと小木曽、空気を読みなさいよ」
省12
48: 2015/10/23(金)16:41 ID:+a0bZo3T0(40/43) AAS
『多分、この先……お前も俺と同じでさ、どっちの道を進んでも後悔すると思うんだ』

 ……後悔、か。
 そんなの、五年前からしっぱなしだった。
 それこそ数えきれないほどに。気が遠くなるほど長い間。

『だからせめて……自分の選択で後悔するんだ。好きな人を裏切るなら、そのことを覚えておくんだ』

 ……お前は、もう決めたんだな。
 ……あいつを、傷つける選択を。
 ……あたしがお前をあいつから奪って、幸せを手にする道を。

—予定外のトラブルで、想定外に時間をとってしまっていた。
—とても重要な「約束」を、すっかり失念していた。
省7
49: 2015/10/23(金)16:50 ID:+a0bZo3T0(41/43) AAS
AA省
50: 2015/10/23(金)16:57 ID:+a0bZo3T0(42/43) AAS
AA省
51: 2015/10/23(金)17:03 ID:+a0bZo3T0(43/43) AAS
かずさ島の上陸作戦は他のSS制作者かコピペ人に任せたよ

自分は暫く来ないから

ヨロシク!
52: 2015/10/23(金)21:06 ID:vkmLLZyq0(1) AAS
一番、大切な>>1だけを乙しようって、そう、決めたんだ
53: 2015/10/23(金)21:14 ID:9xCa2kYn0(1) AAS
春希 「驚いたなぁ。かずさにそんな人がいたなんて」
曜子 「…あまり動揺してくれないのね」
かずさ 「こういう男だ。春希は」
春希 「いやいや。驚いていますよ。あんなに曜子さんに仕事漬けにされていた上に、俺たちと会ったときもそんな浮いた様子一つもありませんでしたから」
かずさ 「そんなの隠していたに決まってるじゃないか」
春希 「そりゃ、自分みたいなマスコミの記者に話すなんて日本全国に広めてくださいって言っているみたいなものだしな。
   でも、祝福してくれる人もたくさんいると思うぞ。俺もそうだし」
かずさ 「そういう意味じゃない。ったく」
春希「?」
曜子 「…まあ、いいわ。ともかく、かずさが選んだ事だし。私みたいな趣味の悪い女がとやかく言える話じゃないわね」
省46
54
(3): 2015/10/24(土)10:57 ID:O7r8Ueb00(1) AAS
>>1
大アクアプラス祭チケット勝っちゃったぜ
楽しみだ
55: 2015/10/24(土)12:15 ID:DkMrUW7l0(1/5) AAS
 日本を飛び出して、あの日から何も変わっていない。

11年前のあの日から変わらぬこの部屋。大きく変わる事のなかった部屋。変わる事の出来なかった部屋。
 そう、11年たって尚、俺達は二人だった。別に避妊をしていた訳じゃない。寧ろ、毎日のように何も考えずにお互いの体を求めあった。貪り合い愛し合った。
 だが、それでもかずさが妊娠した回数はたった3回。その全ても流産という最悪の結果で終わった。

 神に、咎人に祝福は与えないと頬を殴られたような気がした。罪人は罪人同士で、何も残せず死ねばいいと告げられた気がした。
 神を憎んだ事もある。恨んだこともある。だが、それに意味などないと何度も実感した。

流産の度に慟哭の声を上げるかずさ。かずさを抱きしめながらも俺もかずさに見られないように何度も涙を流した。

 そして、三度目の流産と同時に曜子さんの訃報が知らされた。懸命の治療に関わらず、帰らぬ人となった。
56: 2015/10/24(土)12:23 ID:DkMrUW7l0(2/5) AAS
「あ゛ぁ”あ゛」

 分かっている。そんな事分かりきっている。
 あぁ、そうだ。かずさは死んだんだ。

 曜子さんと同じ病。ただ、それと同時に風邪を患ってしまってそれが災いした。ただの風邪だったモノが数日もしない内に肺炎となり、そしてあっけなく命を奪ってしまった。
 たった数日前まで元気にピアノを弾いていたかずさ。こちらが呆れる程に俺に甘えてきたかずさ。窘めるぐらいに甘いモノを口に頬張っていたかずさ。

 だっていうのに、たった数日で帰らぬものとなってしまった。

 今でも、かずさが傍にいない事が信じられない。探せばどこかにいると思ってしまう俺がいる。
 だけど、葬儀の準備をしたのも、棺に納められ埋められたかずさの事も俺は覚えている。俺は、覚えているっ!
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