[過去ログ] アカイイト / アオイシロ 〜第九十五章〜 (1001レス)
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183: 2011/12/19(月)00:15 ID:ReCGVR+C(4/6) AAS
「それで、サクヤ。結局、さっきの私の質問の答えはどうなるのかしら?」
「あぁ、そうだねぇ」
答えながらサクヤは立ち上がり、ノゾミの前に立って、
ポンポンと、優しく頭を撫でた。
「な!?なにするのよ!」
「私なんかの誕生日に、無理して用意するものなんてないよ。
ガキはただ無邪気に『誕生日おめでとう』とでも言ってくれれば、それで良いさ」
頭の上に触れられて恥ずかしさのあまりプルプルと震えるノゾミに、
サクヤは優しく笑いかけてそう言った。
「貴女は私をバカにしてるのかしら?」
「歳を食うとね、即物的なものなんかより、子供にその言葉だけを言って貰えるだけで、
色々と満足できちまうものなんだよ。いやいや、歳はとりたくないものだねぇ」
「子供扱いしないで頂戴。私の歳くらい知っているでしょう」
「その内殆ど眠りこけてたガキが何言ってんだい。
それに、どっちにしろ私から見ればまだまだ子供さね。
子供は子供らしく素直に大人の言うことを聞きな」
ニヤニヤ笑いながらポンポンと頭を撫で続けるサクヤの腕を、
ノゾミは歯を向き出しにしながら乱暴に振り払う。
「ああもう、分かったわよ!!」
そしてヤケクソとばかりに、ノゾミはサクヤと向き合って、
“その”言葉を紡ぎだした。
「誕生日、おめでとう‥サクヤ」
サクヤは、顔を赤く染めたしかめっ面で小さく言葉を紡ぐノゾミに、
既に過去となってしまった遠い共感を覚えつつ、
見ている側が気持ちよくなるくらいの快活な笑みで言葉を返した。
「おう、ありがとう。ノゾミ」
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