[過去ログ] STAP細胞の懐疑点 PART52 (1001レス)
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615: 2014/03/07(金)20:16 AAS
「私は、そんな風な話を平気で進めながら、次第次第に昂奮して、雄弁になって来る
彼女の表情をジイット凝視(みつめ)ているうちに、彼女の眼付きの中に一種異様
な美しい光が、次第次第に輝き現われて来るのを発見した。それは精神異常者の
昂奮時によく見受けるところの純真以上に高潮した純真さ、妖美とも凄艶とも何とも
形容の出来ない、色情感にみちみちた魅惑的な情欲の光であった。そうした彼女の
眼の光を見守っているうちに、鈍感な私にも一切のウラオモテが次第次第に夜の明け
るように首肯されて来た。彼女の不可思議な脳髄の作用によって描きあらわされて
来た今日までの複雑混沌を極めた出来事のドン底から、実に平凡な、簡単明瞭な真実
が、見え透いて来たのであった。(…)
私はかの姫草が、その虚構(うそ)の一つ一つに全生命を賭けていた事を、この時
に初めて知った。彼女の虚構が露見したら、すぐにもこの世を果敢(はか)なみて
自殺でもしなければいられないくらい、突き詰めた心理の窮況に陥りつつ日を送り、
夜を明かして来たのであろう。しかも、そうした冒険的な緊張味の中に彼女は言い
知れぬ神秘的な生き甲斐を感じつつ生きて来たものであろう。
彼女は殺人、万引、窃盗のいずれにも興味を持たなかった。ただ虚構を吐く事に
ばかり無限の……生命(いのち)がけの興味を感ずる天才娘であった。」
(夢野久作「少女地獄」)
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