[過去ﾛｸﾞ] 【原発】原発情報4021【放射能】 (1002ﾚｽ)
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781: (兵庫県) 2018/02/21(水)20:10 ID:HbP2FRV+(22/29) AAS
ところが、統帥は全然別です。これは、憲法作成者たち、伊藤博文、山形有朋他の一致した
考えで、統帥は一般国務とははっきり区別されて、天皇は軍隊を親率する。したがって、参
謀総長および軍令部総長は天皇を補佐するけれども、一般国務における大臣の輔弼とは法
律的性質が全く違って、その責に任ずということはない。憲法にはもちろん出てこない。つ
まり、天皇は「陸海軍ヲ統率」し「戦ヲ戦シ和ヲ構」ずとあるだけで、それについて誰それ
の輔弼を要すということは全くありません。したがって、帝国憲法を最大限に立憲主義的に
解すれば、一般国務については、国務大臣が責任を負って君主無答責というのは出るのだけ
ども、統帥については、直接天皇に絶対の権限がある。したがって、天皇に責任が及ぶこと
は当たり前なのです。それを、かなりのインテリの人でも、立憲君主として行動するのだか
ら、ということをいい、天皇自身も知っていてごまかしているのか、わからないけれども、
戦後の回想では朕自ら討伐すると言ったのは行き過ぎ着であったという。そうではないの
です。
ついでに申しますと、統帥権干犯問題については、美濃部先生が、ロンドン条約は統帥権干
犯ではないと言ったことが、その後、睨まれる一つの原因になる。統帥権が一般国務と截然
と区別されていて、国務大臣のいかなる輔弼も要しないということは、美濃部先生の『憲法
撮要』にもはっきり書いてあるのです。これはわが国の憲法の特色である、と。統帥権その
ものは美濃部先生もはっきり認めているのです。ただ問題は、作戦用兵に関する統帥大権と
編成大権とに分かれているのですが、作戦については文字通り絶対なのです。ところが編成
となりますと、少なくとも陸海軍の予算の問題になる。予算は帝国議会に付されるわけです。
しかも衆議院に先議権があって、一般の立法よりも強い権限を持っているのです。軍備の問
題は予算に関係してくるから、純粋な統帥権問題ではないというのが美濃部先生の立場で
す。
丸山眞男回顧談上pp.189-9
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