中島みゆきの名曲 (198レス)
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175: 06/03(月)19:53 ID:izV2CcWS(2/2) AAS
「惜しみなく愛の言葉を」後編
「そうね、あの事故から、ちょうど5年が経ちました。
私は今でも社長は自殺したと信じています…」
「何故、そんなことをする必要が...」
「あの人は、自分のダンディズムを永久に残す為、あなたに投影したの…
決して衰えず、老いのない自分の姿をあなたに重ね、あなたに託して
死んでいったのよ。近江はそんな男です。近江と共にあなたを証券会社で、
初めて見た時、『あいつはモノになる。俺はあいつに賭ける。あいつは
俺の後釜になれる。そう睨んだ… 俺の目に狂いがなければな...』と
おっしゃっていました...。 これでようやく私も辞められるわ。
長い間、ありがとうございます…」と近江と長く付き添った秘書の
水野がそう語ったあと俺の前から去って行った......
俺は社長室の窓の外を眺めながら考えていた... もしかして俺は、
近江と最初の出会いから、大きな間違いをしていたんじゃないのか...
俺は近江を見ていたんじゃなく、いつも近江の傍に立っていた秘書の水野、
君を見ていたんじゃないのか... 証券会社にいた頃、午前10時の
蠱惑的な葉巻の香りではなく... それは水野、君の香りだったんだ!
そう思ったら… 居ても立ってもいられず、
…水野! …水野… 待ってくれ! 行かないでくれ! 俺は君の後を追った。
俺は近江よりも、実は君を愛していたんだ… 君を愛していた証拠がある。
近江から、君を抱けと言われた時、近江よりも愛していた君を抱けなかった...
あの時の … 君の香りが、そのまま残っている ………
午前10時の時のあの時の香りだ...
" 俺は勘違いをしていたんだ! " 俺はあっちこっち、必死で探し回った…
暫くして駅前の人通りが多い中で " 水野を見つけた! "
「水野!」と俺は後ろから強く抱き寄せた。 " その光景を目撃! " した
通行人が、「あら、…まっ…!?」「どうしたの…?!」「何があったの…?!」と
… 不思議そうに周りを囲んで見ている中 ………
俺は「行かないでくれ… 好きなんだ。愛している...」
「恥ずかしいわ… 周りの人達が見ていますよ...
私を幾つだと思っているんですか...」
--------- 水野の瞳から一筋の涙が頬を伝わって零れた...
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