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76: 09/03(火)22:28 ID:t8uRr6vz0(30/46) AAS
親に気に入られるために頑張ってきた“真面目な人”が行き着く挫折感
加藤諦三(早稲田大学名誉教授、元ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員)

よい子を演じなければ生きられない
真面目なよい子は、自分を支えるものを規範以外に見つけることができない。だから規範に背くことが怖いのである。現範を信じている者、納得している者は、規範意識が肥大などするものではない。
規範意識が肥大化している者は、心の底ではそれを信じてはいない。その点で心の統一性が保たれていない。まさに心は意識と無意識に分裂している。それがその人を不安にしているのである。またこの心の中の葛藤がその人を優柔不断にしている。
大切なことは規範以外に生きる支えを持つことである。人は規範にしがみついて生きているかぎり、いつまでも不安である。と同時にいつも心の底では不満である。
彼らは何もしないでいると、自分に価値を感じられない。しかし自分に自信を与えてくれるはずの仕事は、慢性的スランプである。
どんなにやっても成果が思うように上がらずに、慢性的疲労に陥る。そこでよけい単なる空虚な規範に心理的に頼りだす。仕事で成果を上げられないから、会社なら会社に対する精神的忠誠が過度になる。
このような人たちはいつか挫折する。挫折するよい子というのはよい子以外では怖くて生きられないのである。別に自分の生き方を納得してよい子でいるわけではない。
よい子でなくなることが怖い、だからそうしている。好意を得ようとよい子を演じているのである。怖いから自分で無理やりよい子になろうとしているだけである。
しかし、そのような子の心の底がよい子であるとは限らない。彼らの心の底には恐ろしく反社会的な感情が隠されていることがある。挫折するよい子は、意識のうえのよい子と無意識の領域の悪い子に分裂しているのだ。
彼らは自分にとって重要な他者に気に入られる以外に生き方がわからないのである。挫折するよい子は、親に気に入られるということが心の支えになっている。そしてそうであればこそ、その人との関係において自分の実際の感情を抑圧しなければならない。
だからこそ先に述べたとおり、幼児期に内面化した規範が修正されずにいるのだ。
こんな人は、大人になる過程でいろいろの人と出会い、心理的に成長し、規範と欲求のバランスがとれてくるということがない。
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