[過去ログ] 【曜鞠莉】ようまりを語るスレ part11【ようまり】 [無断転載禁止]©2ch.net (1002レス)
上下前次1-新
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
768: (おにぎり)@無断転載は禁止 (ワッチョイ 537b-5hSm) 2017/03/17(金)15:57 ID:iXoy34mN0(1/7) AAS
>>758 影響されちゃった。
銃、魔法、剣戟が絶え間なく降り注ぐ戦場を、私は駆け抜けた。数多いる敵の目標は、私ただ一人。全ての敵意を一身に受け、その全てを剣で持って引き裂き続けた。
足が軋んだ、ぬかるみに取られるり剣を振るうための腕は切り裂かれ、感覚はとうに消えている。気がついたら、腕が無かった。どくどくと流れ出る赤い血潮が、何よりの証拠であった。
それでも雄叫びをあげながら、目の前の敵を捉え続けた。片腕で剣を振った、支えの失った片方の力だけでは、思うように対象を貫けない。その間に、片足には裂傷が広がっていて、がくんとその場に崩れ落ちる。
力が抜けて立ち上がれない、這うように移動する私に、敵の爪先が鼻めがけて振り抜かれる。
鼻がぐにゃりと押しつぶされる感触、髪の毛を掴まれて、ぐちゃぐちゃにぬかるんだ地面に押し付けられる。
省4
769: (おにぎり)@無断転載は禁止 (ワッチョイ 537b-5hSm) 2017/03/17(金)16:00 ID:iXoy34mN0(2/7) AAS
敵はボロボロになってしまった私を、見下ろしては三日月に口角を歪ませた。
剣の切っ先を胸に合わせ、振り上げ――貫かれる。声にならない声が、上がる。身体が悲鳴を上げる。命を維持する装置は、簡単に破壊されてしまった。
ああ、鞠莉ちゃん。
約束、守れなかったよ。全部倒すって言った、無事に戻るって言った。
剣を突き立てられながら見上げた空は気持ち悪いくらい、晴が広がっている。さらに大きな血の塊を吐き出して、私はそこへ今から行くのだと、悟った。
省5
770: (おにぎり)@無断転載は禁止 (ワッチョイ 537b-5hSm) 2017/03/17(金)16:01 ID:iXoy34mN0(3/7) AAS
ぐにゃりと敵の肉が裂かれ骨が歪み、倒れて逝く光景を見て……私は今度こそ、すべての力を失った。指一本動かせない、血は絶え間なく私の身体から外へ流れ出ている。
ああ、鞠莉ちゃん……会いたいな、最後、だけでも。
鞠莉「曜!!!!」
幻聴か。だって鞠莉ちゃんはもう安全な場所へ逃げたはず。
一瞬の疑問をかき消すように、鞠莉ちゃんは私目掛けて駆けて来ていた。
省8
771: (おにぎり)@無断転載は禁止 (ワッチョイ 537b-5hSm) 2017/03/17(金)16:04 ID:iXoy34mN0(4/7) AAS
鞠莉(あれだけ居た敵が……っ)
鞠莉「そんな約束、守って欲しくなかった!! 無事に戻って、そっちを、守って、欲しかった!!!」
無理だよ。私じゃそんなこと、出来ない。力不足だった、からかな。はは……やっぱり、馬鹿だな私は。
でも全部の敵を倒したよ、それだけは……褒めて欲しいな。
鞠莉「あ、りがと……っ」
省5
772(1): (おにぎり)@無断転載は禁止 (ワッチョイ 537b-5hSm) 2017/03/17(金)16:04 ID:iXoy34mN0(5/7) AAS
今まで、ありがとう。
私はいつでも、あなたの味方だよ。これから辛いことも苦しいことも起きると思う。でも、それでも……私は向こうで待ってるから。そしたら二人でまた、美味しいご飯を食べようね。
後悔じゃない、最後に鞠莉ちゃんと会えたことによる多幸感が、身体を優しく包み込む。そのまま私は鞠莉ちゃんの腕に抱かれながら、向かってくる深淵に、身を投げた。
意識のどこかで、彼女の絶叫が、聞こえた気がした。
773: (あら)@無断転載は禁止 (ワッチョイ cff6-XM0v) 2017/03/17(金)16:07 ID:v4uw7wk40(1/3) AAS
>>772
目から汗が止まらんのやが…
774: (おにぎり)@無断転載は禁止 (ワッチョイ 537b-5hSm) 2017/03/17(金)16:08 ID:iXoy34mN0(6/7) AAS
◇――――◇
クーデターは収まった。
一人の英雄がいなければ、今私はこうして……この場にはいないでしょう。
革命の後の政治を、私はやり遂げてみせる。彼女が命を賭して、私にくれた時間を……私は全うしてみせる。
国のために、私のために、その命を煌煌と燃え盛る太陽のように燃やした人が居たことを、忘れてはならない。
省9
775(6): 長くてごめんなさい。おわり。(おにぎり)@無断転載は禁止 (ワッチョイ 537b-5hSm) 2017/03/17(金)16:10 ID:iXoy34mN0(7/7) AAS
それだけ私にとって、あなたは大切だったんだから。
いくら泣いたって、あなたは戻って来ない。それでも私は、あなたがくれたこの命を持って……あなたが居たこと、残してくれたこと、それは間違いでは無かったんだと、証明してみせる。
書類に走らせたペンを置いて、窓の外に視線を移す。あなたはどこかで見守ってくれているわよね、だって、私の最初で最後の騎士様なんだから。
問題は山積みだ。でも、それでも……私は立ち向かうよ。止まるのは、あなたの元へ行ってからでいい。それまで私は走り続ける。だからね、そっちへ行ったら……甘えさせてね。私、がんばったでしょう? って。
気がつけば、じっとりと首筋に汗が伝っている。パタパタと手で仰ぐ。
省2
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 227 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 0.009s