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349: [Φ|(|´|Д|`|)|Φ] BBxed!! (ワッチョイ 2162-bNU/) 2019/11/18(月)00:03 ID:s3xt3k/k0(1/3) AAS
そして『私』は彼女を振り返ることなく、それとなく街を見渡した。
若者がいた。老婆がいた。店員がいた。サラリーマンがいた。子供がいた。運転手がいた。小汚い男がいた。完璧に整った美女がいた。
古暮祥汰がいた。及川幸子がいた。木原実がいた。田崎正次がいた。志藤舞がいた。顕道京一がいた。比村吾郎がいた。三園凛花がいた。
幾度となく出逢い、幾度となく別れ、ありとあらゆる巡り合いを、喜怒哀楽を、理非善悪を、親愛から憎悪までを酌み交わし。
そして今はまた見ず知らずの他人となった、名前も人生も、ありとあらゆることを知り尽くした幾万の彼らと彼女らが、視界に溢れんばかりに蠢いていた。
「今回は、『良い人』だからな……それと、『休憩で立ち寄った神社の神主に感化されて、神職への転職を決める』んだったっけ」
適当に呟く。けれど、もちろんそれは、今の『私』にとっては何よりも重要なことなのだ。
さしあたっては、神社への道のりをスマートフォンで検索することにしよう。
『私』は『終わらない外回りに疲れ、都会の喧騒を離れた落ち着ける憩いの場を求めている』のだから。
省12
350: [Φ|(|´|Д|`|)|Φ] BBxed!! (ワッチョイ 2162-bNU/) 2019/11/18(月)00:03 ID:s3xt3k/k0(2/3) AAS
「大丈夫ですか?」
近くにいた私は彼女に、当たり障りのない口調で声をかける。言いながら、スマートフォンを拾う。
手渡すと、その女子高生は朗らかに笑って、
「ありがとうございます!」
と元気にお礼を言った。
『私』は、「いえ、お気をつけて」と、当たり障りのない答えと会釈を残して、何事もなかったかのように歩き去る。
女子高生は。
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省2
351: [Φ|(|´|Д|`|)|Φ] BBxed!! (ワッチョイ 2162-bNU/) 2019/11/18(月)00:03 ID:s3xt3k/k0(3/3) AAS
白百合学園中学高等学校に通い、両親と二つ下の弟と暮らす、栃木に住む祖母を一年前に亡くし、運動部には所属せず、
東京理科大学を目指して来年の受験に向けて勉強に励んでいる、趣味はお菓子作りで、血液型B型で身長156cm体重47kg、
将来の夢は植物研究者の、十七歳の捺美柚葉は。
いつも通りに、そのまま二人の友達が待つケーキ屋へと向かっていった。
スカイツリーの展望階で共に夕焼けを眺めた時の照れた笑顔とも、赤坂の三ツ星レストランで前菜を前にした時の緊張した表情とも、
道玄坂のラブホテルのベッドの上で積極的に迫ってきた時の陶酔した瞳とも、快楽に悶えて自分を見失った獣のようによが.り狂う時の顔とも、
弟と両親を惨殺されて怒りと絶望に支配されて慟哭する姿とも、意味不明な殺人鬼に身体の端から順に切り刻まれて涙と嗚咽でぐちゃぐちゃになった時の様子とも、違う。
ごく普通の、親切な見ず知らずのサラリーマンに向ける笑顔だけを、残して。
そして『私』は彼女を振り返ることなく、それとなく街を見渡した。
省9
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