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568: [Φ|(|´|Д|`|)|Φ] BBxed!! (ワッチョイW 7f19-RtKK) 2022/05/20(金)23:07 ID:qppZ7OzR0(1) AAS
 ひとたび、公共の職務が、市民たちの主要な仕事たることを止めるやいなや、また、市民たちが自分の身体でよりも、自分の財布で奉仕するほうを好むにいたるやいなや、国家はすでに滅亡の一歩前にある。戦闘に進み出なければならないというのか? 彼らは軍隊に金を払って、自分は家にのこる。会議に行かねばならないというのか? 彼らは代議士を指名して、自分は家に残る。怠惰と金銭のせいで、彼らはついに祖国をドレイ状態に陥し入れるために軍隊をもち、また、祖国を売りわたすために代議士をもつにいたるのだ。
 商業や工芸に大騒ぎしたり、むやみに利益をほしがったり、軟弱で安楽を好んだりすることが、身をうごかしてはたすべき職務を、金銭で代用させるのだ。ひとは思いのままに利得を増すために、その一部を譲りわたす。〔職務に〕金を出すと、まもなく諸君は鎖につながれることになるだろう。「財政」というこの言葉は、ドレイの言葉であって、都市国家の知らないものである。真に自由な国では、市民は自分の手ですべてを行い、金銭ずくでは何もしない。自分の義務をまぬがれるために金を払うどころか、金を払ってでも自分の義務を自分で果そうとするであろう。わたしは一般の意見とは大いにちがうのだが、賦役のほうが、租税よりも自由に反することがより少ないと信じている(一)。
 国家がよく組織されるほど、市民の心の中では、公共の仕事が私的な仕事よりも重んぜられる。私的な仕事ははるかに少なくなるとさえいえる。なぜなら、共通の幸福の総和が、各個人の幸福のより大きな部分を提供することになるので、個人が個別的な配慮に求めねばならぬものはより少なくなるからである。うまく運営されている都市国家では、各人は集会にかけつけるが、悪い政府の下では、集会に出かけるために一足でも動かすことを誰も好まない。なぜなら、そこで行われることに、誰も関心をもたないし、そこでは一般意志が支配しないことが、予見されるし、また最後に、家の仕事に忙殺されるからである。よい法律は、ますますよい法律を作るが、悪い法律は一そう悪い法律をもたらす。国事について誰かが「わたしに何の関係があるか?」などといい出すやいなや、国家はもはやほろびたものと考えるべきである。
 祖国愛の減退、私的な利益の活動、国家の広大さ、征服、政府の悪弊などが、国民の集会において、人民の代議士または代表者というやり方を考えつかせた。これらは、ある国であえて第三身分などと呼ばれているところのものである(二)。こうなると、二つの身分の特殊利益が、第一と第二の地位に置かれ、公共の利益は第三位でしかなくなる。
 主権は譲りわたされえない、これと同じ理由によって、主権は代表されえない。主権は本質上、一般意志のなかに存する。しかも、一般意志は決して代表されるものではない。一般意志はそれ自体であるか、それとも別のものであるからであって、決してそこには中間はない。人民の代議士は、だから一般意志の代表者ではないし、代表者たりえない。彼らは、人民の使用人でしかない。彼らは、何ひとつとして決定的な取りきめをなしえない。人民がみずから承認したものでない法律は、すべて無効であり、断じて法律ではない。イギリスの人民は自由だと思っているが、それは大まちがいだ。彼らが自由なのは、議員を選挙する間だけのことで、議員が選ばれるやいなや、イギリス人民はドレイとなり、無に帰してしまう。その自由な短い期間に、彼らが自由をどう使っているかをみれば、自由を失うのも当然である。
 代表者という考えは近世のものである。それは封建政治に、すなわち人間が堕落し、人間という名前が恥辱のうちにあった、かの不正でバカげた政治に、由来している。古代の共和国では、いな君主国においてすら、人民は決して代表者をもたなかった。こうした言葉を、ひとは知らなかったのだ。

ジャン=ジャック・ルソー
社会契約論第三編第十五章代議士または代表者
岩波文庫社会契約論p.131~134

訳注
省10
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