[過去ﾛｸﾞ] 産経抄ファンクラブ第253集 (963ﾚｽ)
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860(2): 2019/05/21(火)06:02 ID:JRyt9+PX0(1) AAS
産経抄 ５月２１日
囲碁のタイトル戦で初めての海外対局となったのは、昭和６０年にソウルで行われた第９期棋聖戦の第１局である。当時の趙治勲（ちょう・ちくん）棋聖と旧知の間柄だった作家の沢木耕太郎さんも、誘われて同行していた。
▼治勲さんが韓国の「天才坊や」として来日したのは、６歳のときである。日本語がまったくわからないまま、修業に明け暮れる日々が続いた。盤に向かえば髪をかきむしり、どんな劣勢の碁でも逆転することから、「念力の治勲」の呼び名がついた。
▼名人位も併せ持ち、棋界のトップに立つ治勲さんの活躍は、もちろん韓国でも広く知られていた。ただし、国籍は韓国のままでも、日本人の妻を持ち、もはや韓国語を上手にあやつれなくなった治勲さんの立場は微妙だった。
▼挑戦者、武宮正樹九段との対局は、武宮九段の大模様への侵入に成功した治勲さんが勝利を収めた。「中に入って生きるのが難しかった」。囲碁の内容について、治勲さんが現地のメディアに語った言葉である。沢木さんには「彼の人生を象徴する」ように思えた（『帰郷』）。
省3
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