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産経抄ファンクラブ第254集 (1002レス)
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749: 文責・名無しさん [sage] 2019/06/23(日) 07:58:37 ID:tWzfmb+P0 産経抄 6月23日 今は亡き落語家の笑福亭松之助さんに、高校生が弟子入りを志願した。風刺の利いた新作落語で人気を博していた、昭和49年の話という。「何でワシのとこなんかに来たんや」。尋ねる師匠に、若者はあけすけに答えた。「センスよろしいから」。 ▼師匠は目角を立てるどころか、「おおきに」と弟子入りを認めている。若者の達者な話術はテレビ向きだと見抜き、お笑いタレントへの転身を勧めもした。その弟子が後の明石家さんまさんである。落語界の格言いわく〈師匠選びも芸のうち〉。けだし至言だろう。 ▼芸の道にかぎらない。イチロー選手にあこがれた野球少年が、進学した中学校でなじみのないバスケットボール部に誘われた。顧問は熱した口調で少年をくすぐったという。「お前はNBAに行ける」。最高峰の米プロバスケットボールで活躍できる大器だぞ、と。 ▼NBAドラフトで、日本人初の1巡目指名を受けた八村塁選手(21)である。よくぞ原石を磨いてくれたと、師の慧眼(けいがん)に頭が下がる。 初めはお手玉続きで腐っていた少年が、10年足らずで指折りの選手に転じた。師匠選びの妙か弟子選びの妙か、ともかく快挙だろう。 ▼ドラフト指名は1%前後の狭き門という。恩師が「NBA」の真意を、サンケイスポーツに打ち明けている。最初は本気でなかった。まな弟子の目が熱を帯びるにつれ「いつの間にか私の夢にもなっていた」と。この師、この弟子の邂逅(かいこう)でしか生まれぬ歴史もある。 ▼この先は猛者たちの梁山泊(りょうざんぱく)、つまずく度に差し伸べられる手もない。心配無用だろう。「これから僕がどれだけできるか楽しみにしている」と会見で涼やかに笑った八村選手である。夏の一句を思い出す。〈涼風の一塊として男来る〉飯田龍太。 http://egg.5ch.net/test/read.cgi/mass/1558700245/749
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