[過去ログ] 産経抄ファンクラブ第285集 (1002レス)
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(3): 2022/03/15(火)07:24 ID:QfwVFl2Y0(1) AAS
3月15日

「君主が自らの過ちを知ろうとするなら、必ず忠臣の諫言(かんげん)に耳を傾けるものだ」。中国・唐王朝の第2代皇帝、太宗の言葉が『貞観政要(じょうがんせいよう)』という書物に紹介されている。日本でも古来「帝王学」の書として尊ばれてきた。

▼自分の前に出ると尻込みする家臣たちの姿を見た太宗は、表情を和らげ家臣が進言しやすいように心がけた。ロシアのプーチン大統領は、太宗とは正反対の指導者らしい。ウクライナ侵攻の数日前に公開された映像で、それがよくわかった。

▼プーチン氏は安全保障会議を開き、ウクライナ東部の親ロシア勢力が求める独立承認を支持するよう、政権の幹部たちに求めていた。注目されたのは、側近のナルイシキン対外情報局(SVR)長官とのやりとりである。発言をせかされ独立承認を「ロシア編入」と言い間違えると、プーチン氏は怒鳴り上げた。名ばかりの会議は、とても?皇帝?に進言できるような雰囲気ではない。

▼ウクライナ情勢は泥沼化するばかりである。解決の糸口がまったく見えないなか、気になるニュースが飛び込んできた。旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関である連邦保安局(FSB)の幹部が、自宅軟禁されたという。プーチン氏がかつてトップを務めた組織の幹部は、ウクライナの政治状況を報告する立場にいた。

▼事実とすれば「何をいまさら」である。国民の士気は高く、短期間での制圧は難しい。そんな分析がなされたとしても、プーチン氏に報告できるわけがない。機嫌を損ねれば粛清されるだけだ。

▼プーチン氏は中国の古典に興味がなくても、アンデルセン童話には子供の頃から親しんできたはずだ。家臣の諫言ならぬ甘言しか耳に入らなかった『裸の王様』である。
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