[過去ログ] やっちゃった!今日の朝日のドキュン記事 その129 (1002レス)
前次1-
抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) レス栞 あぼーん

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
795
(1): 2023/08/06(日)16:08 ID:74+6xqlC0(1/3) AAS
7月28日(金)朝日新聞東京版夕刊文化面(映画)・斜影の森から

福島申二(元朝日新聞編集委員)   獄中の歳月 遅れた正義と時間泥棒

よく知られる冤罪事件の一つに「徳島ラジオ商殺し」がある。一人の女性が「夫殺し」の濡れ衣を着せられて懲役刑に服した。
無実を叫び続け、事件から32年経って再審無罪が言い渡されたのは69歳で他界したあとだった。

かつて、この事件を丹念に調べた作家の開高健はこう言っている。「事件を調べていると、この国では一度トゲにひっかかったら
もう最後だと思わされた」。ひとたび「犯人」と見られたら最後、もがいても叫んでも晴らすことは至難になる、という意味だ。

この「ラジオ商事件」をはじめ、わたしが駆け出し記者だった頃に再審無罪の大きな判決が相次いで出た。そんなときに先輩の
記者から「機会があったら観ておくといい」と教えられたのが、今井正監督の「真昼の暗黒」(1956年)という映画だった。
省6
796
(1): 2023/08/06(日)16:27 ID:74+6xqlC0(2/3) AAS
>>795 (続き)

古い映画を何十年かぶりに観たのは袴田巌さん(87)の再審公判で、検察側があらためて有罪を立証するというニュースに
おどろいたからだ。

1966年に静岡県で一家4人が殺された事件である。袴田さんはいったんは死刑が確定したが、この3月に再審開始が決まり、
無罪確定はほぼ確実とされる。冤罪からの救済という再審制度の趣旨からみても、検察の対応はもはやメンツにしか思われず、
残された人生の時間泥棒にもひとしい。

長年支えてきた姉、秀子さんの語った「検察だから、とんだもないことをすると思っていました」の言葉が、映画のせりふのように
聞こえてくる。

「警察や検事さんが無茶をしても、判事さんさえ正しい裁判をしてくださったら……駄目なんですか、判事さんも」。これは、
映画で、貧しい被告の身内が弁護士に問うせりふである。
省6
798
(1): 2023/08/06(日)16:37 ID:74+6xqlC0(3/3) AAS
>>796 (続き)

〈まねきつつ雨だれが唄ふ春の歌小さき槌で石うがちつつ〉

これは冒頭の「ラジオ商事件」で服役した女性、富士茂子さんが獄中で詠んだ一首である。明かりの見えない無実の訴えは、
まさしく小さな槌で巨石をうがつ心細さだったに違いない。

片や司法権力の巨大な槌は、ときに市民の人生を取り返しのつかぬかたちで粉砕してしまう。ラジオ商事件を巡って前出の開高健が
司法の官僚機構を評した、「おろかしいおごそかさと冷血動物ぶり」というたとえは、時代が移ったいまも組織の深部になお
息づいたままではないだろうか。

今回もそう見える。袴田さんの「有罪」にしがみつくことで威厳が保たれるとは思えない。「遅れた正義は正義が無いにひとしい」。
そんな言葉が胸の底からわき上がってくる。
省2
前次1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 3.489s*