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現代数学の系譜11 ガロア理論を読む25 [無断転載禁止]©2ch.net (716レス)
現代数学の系譜11 ガロア理論を読む25 [無断転載禁止]©2ch.net http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/
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124: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 12:20:38.36 ID:DzICE8Th >>122 プロ固定、ageるなって!(^^; http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/124
125: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 12:22:45.04 ID:DzICE8Th 余談だが Categories for the Working Mathematician Mac Lane, Saunders 2nd ed 1998 pdfが落ちていて、ダウンロードできた 著作権問題があるから、URLはアップしないが・・・(^^; http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/125
126: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 12:26:24.04 ID:DzICE8Th 手元にあると、圏論の歩き方とか、Awodeyを読むときに便利だね http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/126
127: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 12:28:03.37 ID:DzICE8Th Awodeyは確かに、日本語訳で分からないところがあって、原文読むと分かる場合が多い http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/127
128: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 12:43:33.98 ID:DzICE8Th >>83 > 6. \は元プロ研究者らしいからこいつにだけは媚売っとこうっと 媚売ってどうこうなる人でも無いだろ? つーか、\さんは、いろんなことを深いところまで知っているし ルネトムと話をしたとか 「トリビアですが、私は田崎氏のお父様から解析力学の単位を(無試験で)貰いました。」ガロア理論スレ23 http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/math/1474158471/600 とか 話は面白いし まあ、住んでいる世界が私とは全く違ったんだねと思う(^^; 確率に関する知識も深いものがあるよね そこらは、正直深すぎてついていけないところもあるが、興味深い 時枝記事の解法も、\さんもそのままじゃ成立しないと思っているだろうが 確率理論を拡張したらどうなるか?という 正直そこらは、当方は全く歯が立たないがね(^^; http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/128
129: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 13:32:37.12 ID:DzICE8Th 前スレで層の質問をおっちゃんにした 「任意の前層が表現可能関手の余極限と同型である」は標語だと、どこかに書いてあったね http://qiita.com/amoO_O/items/f5b1246ca29bc8ff6f69 【圏論メモ】任意の前層が表現可能関手の余極限と同型であることの証明 - Qiita amoO_Oが2016/03/25に投稿(2016/04/10に編集) (抜粋) 定義 小さい圏 Ob(C),Hom(C)Ob(C),Hom(C) がともに集合であるような圏 CC を 小さい圏 と呼ぶ。 C上の前層 反変関手 P:C→SetP:C→Set を CC 上の前層 と呼ぶ。 ※ 米田の補題の記事では関手と同じ FF で表現していたが、他の方の記事を読んでいるとどうも Presheaf(前層)の頭文字をとって PP を使うことが多いようなので、この記事もそれに従う。 → (追記) 米田の補題の記事内、FF を PP に修正 表現可能関手 X∈Ob(C)X∈Ob(C) に対し 反変関手 HomC(?,X):C→Set HomC(?,X):C→Set 及び共変関手 HomC(X,?):C→Set HomC(X,?):C→Set を XX の表現可能関手と呼ぶ。ここでは反変関手の方のみ取り扱う。 米田の埋め込み定理より、 AA に HomC(?,A)HomC(?,A) を対応させる関手が元の圏 CC の構造を SetCopSetCop の中に埋め込む。このことを表現可能と言う(らしい。これの何が「表現可能」なのかは勉強不足でいまいちつかめていない。あとで補足するかもしれない。) 証明 どの空間での話なのかに注意する。特に、米田の補題 を使って自然変換 α:HomC(?,A)→Pα:HomC(?,A)→P と集合 PAPA の元 aa との同一視を多用する。 (引用終り) http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/129
130: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 13:40:35.36 ID:DzICE8Th 米田函手はY:C→SetsCop これは位相から前層への写像とみることができます。だと http://myuon-myon.hatenablog.com/entry/2013/05/30/231549 PSh圏とcolimit - Just $ A sandbox 2013-05-30 位相空間Xに対して、X上の前層Fとは、Xの開集合から集合への写像 F(U)(U∈O(X)) (で、かつ制限写像というものが定められているものの)のことです(詳しくは層 (数学) - Wikipedia等を参照)。 ここで、O(X) に包含関係で順序を入れてこれを順序集合の圏(Cと表記)とみなします。するとFは、 F:Cop→Sets なる反変函手であって、この函手を対象、函手の間の自然変換を射とするような函手圏SetsCopが定義できます。 (余談ですが、SetsCopは米田の補題でもおなじみの圏です。米田函手はY:C→SetsCop という函手だったので、これは位相から前層への写像とみることができます。) こうしてできたXの上の前層の圏をPSh(X) とかきます。 さらにX上の前層が層であるとは、Xの全ての開集合U について、既約性条件と閉条件と呼ばれる2つの条件をみたすようなもののことです。これを圏の言葉で書くと、 対象F(U)と射F(U)→ΠiF(Ui) が\prod_i F(U_i) \Rightarrow \prod_{(i_0,i_1) \in I \times I} F(U_{i0} \times U_{i1})のequalizerである*1といえます。 前層はただの反変函手に過ぎませんがよい性質を持っています。例として次の命題を挙げます。 Def: 函手F:Cop→Sets が h_X:=\mathscr{C}(-,X) \quad : \quad \mathscr{C}^{op} \to Setsと自然同型であるとき、この函手を表現可能とよぶ。 Prop: 全ての前層は表現可能な前層のcolimitである。 とても面白い性質です! 前層がlimitを持てばequalizerも持つはずなので上のことから自然に層になります。 (またnLabによるとこのcolimitはcoendを使って書くとすっきり表現できるらしいのですが、まだそこまでは理解が追いついていないです。) 参考文献 Stacks Project ? Tag 006D 前層の定義 Stacks Project ? Tag 0071 層の定義 representable functor in nLab 表現可能函手の定義 presheaf in nLab 最後にあげた命題の証明ものってます *1:ここで⇒は、2本の平行射を表します http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/130
131: 132人目の素数さん [sage] 2016/11/05(土) 15:33:43.33 ID:rB//53Un >>117 > 可算無限個という単純な規定だけでは不十分で、キマイラ数列を排除する規定を加えないといけないよ 出題者がz = 3.14159265358979…2718281828459…を構成して出題したとしても 解答者は有限長の(例えば)3.1415926からはじめて一度だけ極限をとれば3.14159265358979…を得ることが できるので新たに規定を加える必要はない (実際には解答者は箱の中の数字を見るわけではなくて自然数と箱を対応させるわけだが) 解答者が上のzを得るためには3.1415926からはじめたとすると極限をとって3.14159265358979…を得た後に 有限長の(例えば)271828を用いて3.14159265358979…271828を得て再度極限をとって z = 3.14159265358979…2718281828459…を得ることになる 極限を何度とるかは解答者が自由に決めることができる (そして解答者が極限を一度しかとらない場合は決定番号は必ず有限の値になる) http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/131
132: 132人目の素数さん [sage] 2016/11/05(土) 15:42:33.34 ID:wlZe4quV X上の数列というのは一般的にはNからXへの関数のことです。時枝もそれだけを考えてます。 スレ主は2×NからXへの関数を考えてるので全然違うものです。 Nと2×Nは濃度としては同じですが集合として異なります。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/132
133: 132人目の素数さん [sage] 2016/11/05(土) 16:36:48.56 ID:uEkBZ7nZ 出題された可算個の実数がどんなふうにあっても、解答者が並べなおせばいいだけだ このことは以前にも誰かが指摘していたが、スレ主は理解していない http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/133
134: 132人目の素数さん [sage] 2016/11/05(土) 19:19:37.86 ID:l70uwVZ9 今になってR^Nが分かりませんとか悪夢だろw http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/134
135: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 19:36:25.76 ID:DzICE8Th >>131-133 はい、そういう主張があることは認めます どうぞ、論文にまとめてPDFにして投稿をお願いします このスレでは、ここまでで良いでしょ 1.>>131 について:時枝記事では、>>114の2にあるように、事前に、可算無限個の数列のある番号から先のしっぽが一致する場合の同値類を類別します。 そして、事前の同値類と類別と、100列の数列を比較します。 問題は、キマイラ数列をどう区別し排除するのか? 時枝記事では、不純数列は排除します。不純数列は入らないようにしますというのですね。どうやって? いま、ある数列Aがあるとする。Aは可算無限個の数列だ。しっぽの同値類分類をするという。Aが、キマイラ数列でなく、通常の数列だとどうやって見分けるのか? 2.>>132 について:「Nと2×Nは濃度としては同じですが集合として異なります」は是として、では>>115の3にあるように、”閉じた箱を100列に並べる”という。これはN→100×Nでしょ? では、ビデオの逆回しのように、100×N→Nも可能では? N→100×Nと100×N→Nと両方可能だとします。この文脈で、ぞうぞ”濃度としては同じですが集合として異なります”を数学にしてください 3.>>133 について:意味がわからない。どうぞ、論文にまとめてPDFにして投稿をお願いします http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/135
136: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 19:38:13.38 ID:DzICE8Th >>135 訂正 事前の同値類と類別と、100列の数列を比較します。 ↓ 事前の同値類の類別と、100列の数列を比較します。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/136
137: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 19:42:47.55 ID:DzICE8Th 「圏論の歩き方」第8章 座談会 ”下鴨:・・圏自身を代数構造として研究しようという話ですよね。この方向でもっとできることがあるし、またやらなければならない・・・”という発言 これに関連して、∞カテゴリーとか、高次圏、quasi category などがある(下記) 圏論の拡張版だね(^^; https://infinitytopos.wordpress.com/2015/01/30/%E2%88%9E%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%BC/ ∞カテゴリー ? はじまりはKan拡張 2015年1月30日 投稿者: infinity_topos 以前の投稿でも書いたように,近年Jacob Lurieによる∞カテゴリー理論の進展が著しい.しかし,いまだにその理論の基礎を解説する日本語の文章は殆ど見受けられないように思われる.そこで,何回かに分けて,以下でその初歩の部分について解説をしてみようと思う. ●高次圏とは何か まず,高次圏の理論について解説しよう.通常の圏は対象と射を持つが,高次圏とはそれに加え”高次の射”を持つ圏の事である.例えば,2-圏とは対象と射に加え「射の射」である2-射を持つもので,3-圏は「2-射の間の射」である3-射を持つものである. このようにして,n-圏が定義される.そのようなものの最もシンプルな具体例としては,圏の圏Catが挙げられる.圏の圏Catは対象は圏,射は関手に加え,2-射として自然変換がある. ここで大切なのが,多くの高次の射を考えるだけではなく,高次の射の同型を考えることだ.例えば,二つの圏が与えられたとき,それらが圏同型である事を要請することは少し強すぎる.通常では圏同値までしか考えない. 二つの圏が圏同値である事は,互いに与えられた関手の合成が恒等関手とならなくとも,恒等関手と自然同値であるという事である.つまり,2-射の同値を無視して同型ということになる. このように,n射を持つ圏でr射より高次の射が同型なものとなっているものを(n,r)-圏という.例えば,Catは圏,関手,自然同値によって(2,1)-圏とみなせる.ここで注意したいのが,Lurieの理論で用いられているのは(∞,1)-圏である.つまり,無限に高次の射を持つが,2-射以降はすべて同型であるようなものを構築しているという事である. つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/137
138: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 19:44:22.25 ID:DzICE8Th つづき ●enriched categoryによるアプローチ さて,ここまで明確な定義を与えず高次圏の概念を説明してきたが,実は高次圏の問題はその定義にあった.というのも,多くの手法によって良い定義を与える努力が為されてきたが,あまり上手く行かなかったのである.例えば,古典的なものとしてはenriched category(豊穣圏)を用いた定式化があった.それを軽く説明しよう. まず,enriched categoryとは,大雑把にいうとHom集合にある圏Vの対象の構造が入る圏である.例えば,通常の圏はSet-enriched categoryだと考えられる.また,圏の圏CatはHom集合に関手圏としての構造が入る.このことから,次のような定義が与えられた. Definition.(strict n-category) 0-圏をSetとする.n-圏とは(n-1)Cat-enriched categoryの事である. しかし,このような定義は技術的に非常に扱いずらい問題があった.その理由としては単純に射が多すぎるため,その可換性の条件などが非常に煩雑になるという訳だ.せいぜい2-圏が限界で,3-圏になるととても扱えたものではなかった.このように,多くの情報を扱う分「その情報をいかに簡略化し扱いやすくするか」という事は付随する大きな問題であった. ●∞カテゴリーの3つのモデル さて,Lurieの理論に話をもどそう.Higher Topos Theoryにおいて,この”(∞,1)-圏”というアイデアを実現する対象として,ある意味において同値な次の3つのモデルを導入している. topological category simplicial category quasi category それぞれについて解説しよう.最初の二つはenriched categoryの枠組みを用いる. Definition.(topological category) topological categoryとは(コンパクト生成ハウスドルフな)位相空間の圏に関するenriched categoryである. つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/138
139: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 19:45:52.54 ID:DzICE8Th つづき これは最も説明しやすい.つまり,Hom集合に”空間”の構造が入っているという事である.通常の圏は,離散位相によりtopological categoryとみなすことができ,逆にtopological categoryが与えられればその”Hom空間”のΠ_0をHom集合として取ることにより”ホモトピー圏”を得ることができる. 異なるtopological categoryでも,”Hom空間”がup to homotopicで同型であれば,同じホモトピー圏を与えることが出来るという事である.次のモデルも本質的には変わらない. Definition.(simplicial category) simplicial categoryとはsimplicial setの圏に関するenriched categoryである. simplicial setについては何も説明していないが,実はこれはある意味で「位相空間と同値な空間概念」とみなすことが出来る. 例えば,位相空間の特異コホモロジーはDold-Kan対応によりsimplicial setのコホモロジー論の一部とみることが出来るし,特筆すべきことは位相空間の基本群,ホモトピー群と同値な理論をsimplicial set内で構成する事が出来る. これらは,特異単体を取る関手と幾何的実現関手により同値にうつりあう.このことから,simplicial categoryがtopological categoryと「同値な枠組み」である事は感覚的に”納得”は出来るだろう. 以上のモデルは比較的その”意味”について納得しやすいものだろう.しかし,Higher Topos Theoryにおいて中心的に扱われるのは,これらではなく次のquasi categoryと呼ばれるものである. Definition.(quasi category) simplicial set Sがquasi categoryであるとはinner horn inclusion \displaystyle \{ \Lambda^{n}_{k} \to \Delta^{n} | n\in \mathbb{N}, 0<k<n \} に対して(uniqueとは限らない)Extension Propertyを持つ事をいう. この定義は非常に突拍子のない定義のように思われる.まず,そもそも圏ではなく「ある条件を満たすsimplicial set」が∞カテゴリーだというのだ. また,なぜこの定義を採用する強みは何なのだろうか?さらに,これらのモデルの”同値性”とは何なのだろうか?これらを説明するにはまたもう少しの準備が必要となるため,次回以降の記事において解説しようと思う. (引用終り) http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/139
140: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 19:48:06.71 ID:DzICE8Th ”「分かりやすさと扱いやすさのトレードオフ」は数学の様々な場面で付きまとう問題である.”か。至言かも・・・ https://infinitytopos.wordpress.com/2015/02/10/%e2%88%9e%e3%82%ab%e3%83%86%e3%82%b4%e3%83%aa%e3%83%bciii/ ∞カテゴリーIII 投稿日: 2015年2月10日 投稿者: infinity_topos (抜粋) 前回の二回の投稿で∞カテゴリーの一つのモデルであるquasi categoryについて解説してきた.その話によると,位相空間(の特異単体)や圏はsimplicial setの中でそれぞれ特徴づけを持ち,それらの性質を合わせたものがquasi categoryなのであった. では,なぜsimplicial setで考える事に意味があるのか,それにはどういった優位性があるのだろうか,と考えるのは自然な疑問だろう.今回はそれに対する一つの答えを与えようと思う. ●Simplicial setの圏論的性質 まずは,圏論的な性質から考察しよう.これに関しては,simplicial setは位相空間と比べ格段に「良い」性質を持つ事が知られている.というのも,位相空間の圏は性質が悪すぎるのだ. 例えば,位相空間の圏はカルテシアン閉ではない.つまり,\displaystyle Hom_{\mathsf{Top}}(X\times Y,Z)\cong Hom_{\mathsf{Top}}(X,Z^Y)は成立しない.また,2つのCW複体\displaystyle X,Yの直積空間\displaystyle X\times YにCW複体の構造が入るとは入らない. これらの問題は,前者は\displaystyle Yが局所コンパクト,後者は片方の空間が局所コンパクトなら実は成立する.しかし,では局所コンパクト空間のみ考えればよいかといえば,今度は局所コンパクト空間の圏\displaystyle \mathsf{LocCpt}は余極限について閉じない. このように,何かを求めれば何かを失うといったところで,圏論的にも扱いやすい位相空間のクラスを見つけるという事は半世紀ほど前の一つの問題であった.そこでSteenrodのA convenient category of topological spacesなどで提案されてきたのが,コンパクト生成空間だ. 詳細は述べないが,このクラスにおいては余極限は変わらないが,ケリー化と呼ばれる通常と少し異なる直積位相を用いる.実はそれにより,前の二つの問題はどちらとも解決される.topological categoryの定義でコンパクト生成ハウスドルフ空間を用いるのも,実はこのような圏論的な要請が関連している. つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/140
141: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 19:49:44.84 ID:DzICE8Th つづき 話をsimplicial setに戻そう.位相空間の圏と異なり,simplicial setの圏は非常に良い圏論的な性質を持つ.それは,この圏が関手圏\displaystyle \mathsf{Set}^{\Delta^{op}}に他ならないため,\displaystyle \mathsf{Set}から多くの良い性質を引き継げる事に多くを起因する. 例えば,\displaystyle \mathsf{Set}_{\Delta}は完備かつ余完備で,カルテシアン閉でもある.また,関手圏なので極限や余極限はsectionwiseに\displaystyle \mathsf{Set}内で求めればよい.更に,これは棚から牡丹餅とも言えるが,前層の圏なので特に(Grothendieck) toposになっている. そこで,topos理論などの少々高等な圏論を用いる事も出来る.必ずしもこれら全ての性質を使うとは限らないが,なんといっても使える手が多いのだ. ●抽象化の力 しかし,この説明にはかなり不満も多いだろう.というのも,位相空間にはイメージのしやすさという明確な優位性がある.少々simplicial setの圏の性質が良かったところで,少なくとも位相空間に関する事は位相空間内で考えるほうが「分かりやすい」だろう. これは圏に関してもそうだ.ある程度,圏論のイメージを掴んでいる人なら,Nerveを取らなくとも通常の圏のまま扱う方が分かりやすいに決まっている. その感覚は正しいだろう.では,わざわざなぜsimplicial setで考えるのか?それを説明するために,一つの例としてgroupoidを値に持つ(co)fibered categoryを挙げてみようと思う.古典的には,これには同値な二つの定義がある.(例えばSGA1を参照されたい.) Definition1.(cofibered category) \displaystyle D上のcofibered categoryとは2-関手\displaystyle \phi :D \to \mathsf{Grpd}の事である. 2-関手とは関手性がup to isomorphismでしか成立しないという事を意味する.もう一つの定義はいささか複雑になる. つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/141
142: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/11/05(土) 19:50:23.36 ID:DzICE8Th つづき Definition2.(cofibered category) \displaystyle D上のcofibered categoryとは関手\displaystyle F:C\to Dで (1) すべての\displaystyle c\in ob(C)とすべての射\displaystyle \eta:F(c)\to dに対して,ある射\displaystyle \tilde{\eta}:c\to \tilde{d}が存在して\displaystyle F(\tilde{\eta})=\etaが成立する, (2) すべての射\displaystyle (\eta:c\to c')\in Mor(C)と対象\displaystyle c''\in ob(C)に対して \displaystyle Hom_{C}(c',c'')\to Hom_{C}(c,c'')\times_{Hom_{D}(F(c),F(c''))}Hom_{D}(F(c'),F(c''))は全単射,を満たすものをいう. これらの同値性はGrothendieck構成によって得られる. Theorem.(Grothendieck construction) 圏同値\displaystyle \int :\mathsf{Fun}(D,\mathsf{Grpd})\cong \mathsf{Cofib}^{\mathsf{Gprd}}(D)が存在する. 圏同値なのならどちらも同じかと思うかもしれないが,そういう訳ではない.前者は一見シンプルで分かりやすいが,2-圏的な対象であるという難しさがある.それに比べ後者は少々複雑な条件が伴うが,2-圏的な要素を排除する事に成功している.このような「分かりやすさと扱いやすさのトレードオフ」は数学の様々な場面で付きまとう問題である. (引用終り) http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/142
143: 132人目の素数さん [sage] 2016/11/05(土) 19:50:53.34 ID:rB//53Un >>135 > Aが、キマイラ数列でなく、通常の数列だとどうやって見分けるのか R^Nの元である通常の無限数列をN, N1, N2で表してキマイラ数列をN1(+)N2と表すとする R^Nの元を用いて決定番号を求める (1)決定番号が有限の値の場合 Aは通常の数列Nである (2)決定番号が無限大になった場合 決定番号より小さい添字を持つ数列はN1であるから数列A=N1(+)N2から通常の数列N1を得ることができる N1を用いて決定番号を求めれば有限の値が得られる http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1477804000/143
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