[過去ログ] 野々村元県議の今後を考える3 (944レス)
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258: 2022/10/22(土)11:03 ID:xbNEHu+m0(3/4) AAS
石田梅岩という風変わりな商家の番頭がはじめた心学の思想は、その後の日本と日本人に大きな影響を残しており、
今日の激しい時代変化の中でも考えるべき課題となっている。
その影響の第一は、日本人全体が「生産性や経済性を無視してでも勤勉に働くのは良いことだ」と考えるようになったことだ。
したがって「遊んでいるのはもったいない」という意識が生まれる。
さすがに最近は減ったが、農業や自営業をする人には、この意識が強くあった。
例えば、街角の果物屋さんなどで、夜の10時11時まで店を開けている。
つまり、働いていることによる自己満足、あるいは自分を安心させる習慣が、この国には出来ていたのだ。
まさに梅岩の「勤勉に働いていれば精神修行になり、人格が立派になる」という思想の残滓である。
ヨーロッパのキリスト教文明や、中東のイスラム社会では、勤勉に働くのは、やがて財を成し名をあげて人生をエンジョイするためである、と考えられている。
清貧を貫くのなら、勤勉に働くよりも信仰、神に祈ることを優先すべきだ、というのである。
清貧を善とする思想は世界中にある。だが、同時に生産活動に勤勉に携わることを説いた思想家は少ない。
神に祈ることの熱心さや知識を習得することの重要さは説いても、生産活動に携わることの勤勉さは、清貧と両立しないという理由で退けられた。
ところが、梅岩は勤勉なら商業でも製造業でも農業でもよい、という真に独創的な倫理を樹立したのである。
徳川時代の日本は、技術進歩が乏しく、土地や資源も限られていた。
これに対して、みんなが勤勉に働くとなると労働過剰、土地資源不足となり、「一生懸命」現象が起こる。
つまり一つの限られた場所、わずかな資源に労働力を限りなく投入して、細部までキレイにする競争が起こる。
日本独特の細部重視で、着物の裏や仏壇の底まで凝るようになった。
つまり勤勉と倹約を両立させるためには、生産性を下げるだけでなく、人の気がつかない細部にまで目を行き届かせるほどの勤勉さでわずかでも付加価値を上げようとする。
いや、むしろ、細部の丁寧さを主張することで商品価値が高いと言い誇る。
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