牡牛信仰と鳥信仰・蛇(竜)信仰 (668レス)
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664: 08/11(日)08:28 AAS
宗教の起源は、性と豊穣を祈る呪術にあった。旧石器時代の遺跡からは、乳房や腰、性器を強調した女性像や男根像が数多く出土しており、これは子孫繁栄や豊穣への願いを表していた。新石器時代には、これらの像は地母神として農作物の豊穣と結びつけられ、蛇と関連付けられることも多かった。蛇の再生や不死性、そしてその形状が性器に似ていることが、この関連性の理由と考えられる。また、蛇への恐怖心が畏敬へと変化したという説もある。

蛇信仰は、特に農耕が始まった新石器時代以降に世界中に広まった。蛇は雨をもたらすものと信じられ、大河の姿に重ね合わされた。一説には、この信仰はエジプトで始まり、インド、極東、太平洋諸島を経てアメリカにまで伝わったという。エジプトではコブラが太陽や火のシンボルとされ、インドではコブラの神格化であるナーガ信仰が発展した。日本にもナーガ信仰は早くから伝わり、夫婦神イザナギ・イザナミのルーツになったと考えられている。中国の祖先神である伏羲と女媧も人面蛇身の姿で描かれ、蛇は龍へと変化し、雨をもたらす神として崇められた。

世界各地の蛇信仰には共通点が多く、人間の祖先神、太陽や火との同一視、雨神や豊穣神、再生や不死の象徴などがあげられる。

一方、メソポタミアでは、シュメール人が牛を崇拝し、蛇を天の神の敵役とする新しい宗教を確立した。これは、牛を家畜化し、それを利用した農耕や軍事力によって社会を支配した歴史背景が反映されている。牛は農業の増産に貢献し、牛車は王権の象徴となった。このため、牛は天の神と結びつけられ、蛇は悪の象徴となった。

この対立は、旧約聖書の創世記に登場するアダムとイブの物語に象徴されている。蛇はイブを誘惑し、禁断の実を食べさせることで、人類を堕落させた。これは、農耕民と牧畜民の対立を象徴しており、蛇は農耕民の信仰である蛇信仰を、牛を崇拝する牧畜民が否定したことを表している。
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