マルチジャンルバトルロワイアルpart20 (683レス)
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668: 護りえなかった事と救い得なかった事と ◆UcWYlNNFZY 2014/08/12(火)00:17 ID:45RRnpNU(3/8) AAS
「そんなものか」
放送を聴いたリヴィオが呟いた言葉はそれだけだった。
ミュウツーと分かれて、廃坑にある小屋で放送を聞いていた。
けれど、何も特別な感想を持つこともない。
頭がすげ変わっただけのことだ。
それだけで殺し合いに大きな影響はない。
盤面の更に上にいる者が変わっただけで、駒は変わることはないのだから。
取り除かれた駒の数も順当に落ちているとしかいえないだろう。
同盟者の一人が死んだ所で、リヴィオそのものはやることは変わらない。
同盟は殆ど消滅したに近いが、ミュウツーがまだ居る。
彼を意識しながら、戦えばいいだけだ。
為すべき事を為せばいい。
それ、即ち、生きる事に繋がる。
その為には、いや、リヴィオがリヴィオ・ザ・ダブルファングである為には、やるべきことがある。
人間台風、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの抹殺。
心のそこから決めた、ひとつの思い。
何もかも護ろうとして、何かも諦めていない。
あの真紅の男。
あぁ、そうだ。何もかも手放さないで、理想を語る人間。
なのに、彼は、もう既に取りこぼしているではないか。
彼自身の盟友を護れてないではないか。
「護りたいもの、大切な友達を護れてない癖に、貴方は下らない理想を言ってるのでしょうね」
ニコラス・D・ウルフウッドは、ヴァッシュにとっても唯一無二の盟友ではなかったのだろうか。
自分の使命すらも放り投げて、助けにいくぐらいの。
それなのに、彼は護りきれなかった。
ウルフウッドの話を聞く限りだと、この殺し合いでも出会えてすらなかっただろう。
何が、友達だ。
そんな人すら、護れないのに。
「あぁ……なんだ、そういうことか」
あの男が護れないから、ウルフウッドもまた護れなかったのか。
リヴィオは納得したように、冷めた言葉を口にする。
護るというのは、どんなに大変なことで、そしてどんなに身勝手で、どんなに重いことだろう。
そんなのに縛られて、あの人は逝った。
不死身の人間の理想に縛られて、護れずに逝った。
何かを切り捨てられずに、逝った。
あこがれていた男は、きっとそんな「護る」事に囚われて逝ったのか。
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