【天候擬人化】にっしょくたん 2スレ目 (783レス)
上下前次1-新
681: 2015/07/24(金)00:00 ID:VbGYelDN(1) AAS
おめー
682: 2015/07/24(金)00:09 ID:C2aECbvY(1) AAS
おめっとさんです
683: 2015/07/24(金)19:03 ID:Dgn+XV/k(1) AAS
AA省
684: 2015/10/30(金)00:49 ID:3IY9cHw8(1) AAS
はぴはろ
画像リンク[png]:download1.getuploader.com
685: 2015/10/30(金)01:54 ID:XknDd+ct(1) AAS
はっぴぃはろうぃん♪
686: 2015/11/01(日)15:35 ID:QJgKyZkV(1) AAS
なにこれかわいい
687: 2015/11/05(木)11:02 ID:cTxIGldM(1) AAS
あらかわいい
688: 2015/12/25(金)11:51 ID:Z6BheLY2(1/2) AAS
めりくり
画像リンク[png]:download1.getuploader.com
689: 2015/12/25(金)12:55 ID:y64OgGHk(1) AAS
メリークリスマス!!
690: 2015/12/25(金)17:15 ID:8BZWqS8D(1) AAS
メリクリ乙です!
しんきろうがだんだん可愛くなっていく
691: めりくり 2015/12/25(金)20:38 ID:dybUIpOP(1) AAS
AA省
692: 2015/12/25(金)21:01 ID:Z6BheLY2(2/2) AAS
よい再現w
693: G 2015/12/30(水)00:49 ID:lzPKcFgw(1/16) AAS
1.
本日、天気晴朗なれども浪高し。ところによりダイヤモンドダスト。
日本の国の何処かの町。何かの会社のビルの屋上に立ち、腕を組んで不敵に”下界”を見下ろす少女の姿があった。
彼女の名はダイヤモンドダスト。諸君らの知るそのダイヤモンドダスト、それが人の形を為したものである。
普段は同種の存在とともに、この世の傍にあって、しかし此岸の者には容易に立ち入れぬ世界で享楽的に過しているのだが、この時はどういうわけか”下界”に”降臨”していた。
尤も、人があちらへ訪うには偶然に、不慮に頼らねばならないが、彼女らにとっては散歩も同然の容易さである。日課のように行き来しているものも、人の世に居を構えている者すらいる。
だから彼女らのこれも日常茶飯の営みかといえば、さにあらず、これは立派なイベントである。
ダイヤモンドダストが”浸っている”のはそのためだ。
「だいや、まだきはすまないのですか。なにをするきかはしりませんが、てみじかにすませたいです」
ダイヤモンドダストの後ろに控え、ふわふわと浮かび、悪い目つきで彼女を睨む幼女はにっしょくである。ダイヤにも言えることだが、見た目に反し、その年齢ははかり知れない。
省3
694: G 2015/12/30(水)00:50 ID:lzPKcFgw(2/16) AAS
所変わって人気のない公園。この辺りは、比較的田舎にあたり、従ってなかなか敷地も広い。
鞦韆に揺られながら、にっしょくが、
「それで、きょうはなにをするのです」と尋ねた。
その真っ正面、柵の上に立つダイヤは、ふふんと得意気に笑って、少し勿体ぶって、
「探険をします!」
と、高らかに宣言した。
にっしょくは、ダイヤの出で立ちを見ながら、
「……ああ」と呟く。
もともと彼女らは概念的存在なので、衣装について頓着する必要はない。なのでにっしょくは普段通りの恰好なのだが、ダイヤにすれば、これが人間なら着倒れ必至という程に、ことあるごとに――時に何もなくても――服装を変える。
今日の彼女は、トレッキングブーツを履いて、チェックのハンチングと吊りズボンでボーイッシュに決めている。少年探偵を気取っているのだろう。
省13
695: G 2015/12/30(水)00:51 ID:lzPKcFgw(3/16) AAS
「だいや」
「なんですか」
「つかれました」
「まああきれた。まだ始めたばかりじゃありませんか」
「わたしはあなたよりほはばがせまいのです。それに、ここさっきもとおりませんでしたか」
ダイヤは弾かれたように周りを見回す。
「……むしめがねでばかりみているからです」
「うっ……」
ダイヤは肩を竦めて、
「まあ、こういう場合はさておくとしても、目的があるのに当てども無く彷徨うのはよろしくないかもしれませんね。土地勘があるわけでもないですし……」
省27
696: G 2015/12/30(水)00:52 ID:lzPKcFgw(4/16) AAS
2.
蛇の道は蛇。彼の道は藪蛇。
別に彼が外に居たのに深い意味は無い。
天気が良く、風が心地よかったので、たまには――実のところ生まれて初めてだが――外で本を読むのもいいか、と気取ってみただけにすぎない。単なる気まぐれだ。
そんな他愛のない気まぐれのお陰で、彼は茨の道に踏み込む羽目になる訳である。
この日は休日なので、勿論学校の制服は着ていない。早めに昼食を済ませて、昼には近所の図書館に来た。
前に借りた分を返し、予め目星をつけてあったものと、その他数冊を借りて、早々に帰途についた。自分の家の、自分の部屋で読むのが、最も落ち着くため、今日もそのようにするつもりだったのだが、ふと、そんなことをしてみる気になった。
聞こえるのは風に枝葉の騒ぐ音ばかり。彼の感覚神経が、視覚に集中しているためだ。後はせいぜい、時折自分の頁を繰る音が交じるだけ。俯き加減の視線には、銀縁レンズに拡大された、活字の彙が入るのみ。
だから、近づく影には気付いていない。本の世界に没入している。
「ミス・マープル」
省24
697: G 2015/12/30(水)00:53 ID:lzPKcFgw(5/16) AAS
彼としては明確に返事をしたつもりではなかったため少々弱ったが、ダイヤが完全に決め込んではしゃいでいるのを見て、矢張り気持ちが動いた。元より、どうしても嫌だとする理由は特にない。
「でも、そう言われても、具体的に何をすれば? えっと……」彼はダイヤをなんと呼べばいいのかわからないことに気付き、次いで自分の名前も明かしていないことに気付いた。
「俺、上座一冬」
「かみざいっとう……どんな字をお書きになるんですか?」
一冬はあたりを見回して手頃な棒を探し、なかったので靴で地面に書いた。
ダイヤは何処か熱っぽい視線で数秒文字を凝視し、
「探偵さんらしいお名前ですね」等とのたまう。
「たんていらしいなまえってどんなですか」一冬より先に、にっしょくが言う。
「それはほら、金田一耕助とか、神津恭介とか」
「それはたんていらしいなまえではなく、たんていのなまえです」
省29
698: G 2015/12/30(水)00:54 ID:lzPKcFgw(6/16) AAS
3.
女三人よれば姦しい。女二人に男一人だと嫐られる。
BGMはテノールの歌声。曲の名前も分からなければ、歌詞の英語も聞き取れない。一冬、意識してジャズを聞くのも、喫茶店に入るのも生まれて初めてである。ましてやチェーン店ですらない。
内心、かなり狼狽しているものの、生来の鉄面皮はそれを押し隠してしまっている。
意識しないとあまり浮かばない表情は、それで得することも少なくないが、損することもしばしばである。今回はどっちだろうな、とぼんやり考えている。
喫茶店へやって来たのは、無論というべきか、ダイヤの発案である。そんな所へ入ったことのない一冬は尻込みしたが、ダイヤに「勿論支払いは気にしなくて結構です。協力いただくんですから」等と無理やり連れ込まれた。
問題はそこではなく、彼の見栄として、そんな位なら自分が奢りたい、とも思ったのだが、悲しいかな彼の財布には八百円しか入っていない。自分の分だけなら恐らく十分だろうが、そうするのもさもしい気がして、大人しく奢ってもらうことにした。
それにしても驚いたのは、彼女らの淀みなさである。ダイヤはどう足掻いても同年代にしか見えず、せいぜい数歳の年上、を超えることはないだろうに、喫茶店に入ることにしても、支払いの申し出にしても、気負ったところは見当たらない。
更に注文に際しても、オレンジジュースを頼んだエクリプスは兎も角として、当たり前のようにブルーマウンテンをオーダーするに及んでは、もうごく慣れているとしか思えない滑らかさである。
一冬も彼女らの如くあらねばならない気がして、迂闊にもエスプレッソなどを注文してしまい、激しく後悔した。差し当たり鉄面皮はこの時はためになっただろう。
省5
699: G 2015/12/30(水)00:55 ID:lzPKcFgw(7/16) AAS
ダイヤの掲示した条件は、不可欠のものとして、雨風を凌げること、容易には他人に発見されないこと。努力目標として、ある程度の日数以上保つこと、入る時に多少の"手続き"を――ドアを押し開けるよりいささか厄介な――必要とすること。
要するに、自力ででっち上げるには少々荷が重い訳だ。誰も、特に大人があまり寄り付かない場所に、何かしらの”箱”がなくてはならない。
真面目に考えている自分に多少呆れつつも、一冬は地図の一地点を指し示した。
その説明を聞いて、ダイヤは目を輝かせる。目を輝かせるのが得意技なのだろうかと、一冬は思う。
一冬がエスプレッソを飲み終えるのを待って、三人はその場所へ向かった。
辺りをきょろきょろ見回しながら先陣を切るダイヤと、犬に跨がり泰然として続くにっしょく。殿は仏頂面の、本人は情けない顔をしているつもりの一冬がつとめる。
彼の思考は大きく二つの事柄に占められていた。ひとつは、このふたりは一体何者なのかということ。謎めかざれば謎めき謎めく謎の存在である。あまりにも掴みどころがない。
今ひとつは、傍から見て自分たちがどう映るかということである。道往く人もさることながら、知り合いにでも見られた日にはどう思われるか分かったものではない。訊かれても説明できる自信がない。
「いっとう」
「……なに、えっと、エクリプス。……て言うか、君、ほんとはなんて云うの」
省5
700: G 2015/12/30(水)00:57 ID:lzPKcFgw(8/16) AAS
さてもたどり着いたるは、幼き一冬がかつて秘密基地をつくった、その場所である。
数年にもなるか、寄りつかなかったその場所の、変わりようと変わらなさに目を細める一冬と、はしゃぎ回るダイヤとにっしょく(それと犬)は、連れのようには見えない。
それというのは陸橋の裏側である。フェンスの隙間に強引に体を捩じ込むと辿り着ける訳で、中学生ともなると若干罪悪感を感じる程度には不法侵入である。
だいたい小学生というのは、特に公共の場に関して、そう云うことに無頓着である。当時の一冬たちがそうだったし、当世の小学生にも同様であるらしかった。
地面に転がった石を足掛かりにして、腕の力で以ってよじ登ると、若干の窪みがあり、天井と三方向の壁を備えた、それなりの広さが確保されている。
「……」
一冬が完全に状況を理解する前に、ダイヤに催促されて、一冬は手を貸した。一瞬、いくら相手の要望とはいえ、色々と女性を案内するには不適切なところだったか、
などと考えたが、ひんやりとした、しっとりとした手の感触にどぎまぎして、すぐそれどころではなくなった。
「ここですの?」一冬の後ろからダイヤが覗きこむ。
「そう、なんだけど……」こんなに狭かったっけ。
省18
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 83 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 0.013s