【天候擬人化】にっしょくたん 2スレ目 (783レス)
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580: TロG ◆n41r8f8dTs 2013/11/25(月)00:14 ID:HpAltg7K(7/10) AAS
一先ず、私はにっしょくに手元のココアを渡す様に言う。
にっしょくは私が怒ると思っていたのか、少し呆気に取られた様な表情を見せる。
少し迷う素振りを見せると、恐る恐る、ココアを私の元に寄せた。
倉刀は非常に器用な奴だが、時たま飲み物の温度調節をミスる時がある。
そんな時に私は大きく息を吸い込んで、ゆっくりと吹く。すると我ながら不思議だが熱過ぎたのが適度な温度になる。
この自分でもどう身に付けたか分からない小さな妙技を、私以外の人間に使う日が来たようだ。
まず大きく息を吸う。吸って、吸って……そして口を小さく開ける。
開けてゆっくりと、私はココアに息を吹きかけた。一体何をしているのだろうと、首を傾げるにっしょく。
「飲んでみろ」
私がズイッと、ココアを差し出す。当然というか、怪訝な顔つきのにっしょく。
無言で反応を待っていると、ゆっくり、にっしょくはカップに手を伸ばして持ち上げた。
そうして口に一口運んだ。運び、カップを口から離して、言った。
「あつくないです……おいしいです」
「だろう?」
素直に驚いているにっしょくに、私はどんなもんだと言いそうになるが止める。
止めて、これが大人の貫禄だという感じでにやりと笑ってやる。正直私も大人気なかったのだ。
ただ、どこから来たかも分からぬ子供に自分のペースを乱されて、少々抑えが利かなかっただけで。
「お……はるとしゅらーさんのこと、すこしみなおしました」
「少しか……いつになったらちゃんと見直してくれるんだ?」
「そうなるまでに、わたしはあしたでここからさよならです」
急に何を言い出すかといえば……いや、でもさよならしないといけないよな。
倉刀の気まぐれでこんな所に連れてこられたが、この子にはこの子なりに帰るべき場所があるのだろう。
どうせいつも暇だし、明日町に連れて行って親御さんでも探してやろう。いや、そこまでやるのは警察の仕事だが。
「寂しいが仕方ないな。なら、せめてものお土産でお前の事を教えてくれないか。知りたいんだ」
私の要望に、にっしょくは最後までココアを飲み干すと、ふぅ、と一息ついた。
そして私にカップを向けると、内心喋りたそうな、しかしそれを隠すような声で言った。
「ここあいっぱいにつきごふんくらいはなしてあげます」
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