【天候擬人化】にっしょくたん 2スレ目 (783レス)
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703: G 2015/12/30(水)00:59 ID:lzPKcFgw(11/16) AAS
「紙コップ、捨ててきますね」
空のコップを持って、ダイヤが立ち上がり、一冬の手からもそれを奪う。一冬が声をかけあぐねている間に、ダイヤは歩き去っている。
「に……エクリプス、それちょうだい」
にっしょくは三秒間静止すると、残った中身を喉に流し込み、容器をダイヤに渡す。
残された三者は、無言。
「いっとう」
皆既の声に、一冬はたじろぐ。この昏き声が目の前の幼女から発せられたものだとは、一瞬、わからない。
「やめておきなさい」
「……何を」
「これはちゅうこくです。わたしは、あなたのことがきらいではありませんから、みすみすみをおとしこむのをみすごしてはおけないのです」
一冬は困惑するばかりである。最早彼女を幼女としては認識できなくなっていたし、それを措いても、妙な荘重さを感じている。
「……どういう」
「あなたのそれに、だいやがこたえることはないでしょうし、たとえだいやにこたえるいしがあったとしても、それはまともにはせいりつしません」
にっしょくは溜息を吐く。
「そういうれいもなくはないですが、わたしのしるかぎりかずすくないそれはほとんどすべてがひげきてきですし、ほんのわずかなれいがいにおいても、かなりよろしくないけっかをもたらします、これはかくじつに。なにしろひたいしょうてきですから」
一冬は凝結している。理由こそわからないものの、日食の言うことが悉く真実であることは、何故か納得していた。否応なしにさせられていた。
「そもそも、あなたのそれはいっかせいのさっかくであるとだんげんしてもいいでしょう。ひきずるのはよしなさい。じかくがないのがこまったものですが、
もっともじかくありきでやっているならたちがわるいのですが、あのこはああいうこなので、ひとにかんちがいをさせるのがたいへんうまいのです」
これは無理にでも否定したいところである。
「わたしたちはもうすぐたちさることになるでしょう。あなたにわかるかたちでふたたびまみえることも、まずありえません。これはけしてふくみをもっていうことではないとりかいしていただきたいのですが、もっとみのたけにあったあいてをさがすべきです」
一冬は唇と臍を噛み締めている。聞きたいことは山とあったが、何を聞くべきなのかわからない。言いたいことはいくらでもあったが、何を言うべきなのかわからない。考えたいことは死ぬほどあったが、何を考えるべきかわからない。
「かんちがいしないでください――はくじょうのゆえではないのです。そうしつをけいけんしないためには、おもいでにするほかはないから」
「きょうのことには、こだわらないほうがいいです。ゆめでもみたとおもってわすれるか、さもなければ、ときどきそういえばあんなことがあったなあ、と、おもいだしてください。どちらかといえば、こうしゃのほうが、わたしたちもうれしいです」
にっしょくはそこで発言を打ち切ると、”うー”の頭を撫で回し始めた。
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