【天候擬人化】にっしょくたん 2スレ目 (783レス)
【天候擬人化】にっしょくたん 2スレ目 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1307723856/
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320: ◆GAIA///6T. [] 2012/02/07(火) 15:25:05.12 ID:UznWEg4m ※1月2日の話ですしおすし 「あけましておめでとうございます」 『あけましておめでとうございます』 「しかし新年早々こんな大勢で……」 「いいんですよ、賑やかな方が楽しいですから」 「……いいのかね」 「本人がいいって言ってるんだから遠慮はいらないでしょう」 「まあ……そうだが」 「別に気にすることないよ。いつもはボクとふたりだからね」 「……だからってくつろぎ過ぎじゃあないか?」 「ぬくぬくです」 「お前も大概にしておけよ」 「ほりごたつははじめてなのです」 「さよけ。 とは言いつつオレも初めてで……うわ、これ凄え」 「あっという間に占領されてしまいましたね」 「と、言いつつにっしょくの横に潜りこむなよ」 「こうして炬燵に潜って天板に顎を乗せる珍妙な集団が形成されたのだった」 「私はやらないわよ」 「でも炬燵には入るんですね」 「……いけない?」 「いや、別に……失礼しました」 「……むさ苦しい」 「悪かったな」 『男 四 人』は卓袱台に座っている。 (別にいいんですが……何か哀しいです) 紅一点の心の叫び。 「それじゃあ皆さん、ご飯を頂きましょうか」 てんきゅうさんがお重を持って台所から出てきた。 「ひょっとして御節ですか? てんきゅうさんが作ったんですか?」 「ボクも手伝ったよ」 「お前は殆ど何もしてないだろ……」 「……かまいたち。 なんで知ってるんだ?」 「三日前大掃除の手伝いに来たんだ、たいふうと」 「……なんだと?」 「……掃除だっての」 「……ふん」 「……で、ほとんどてんきゅう殿とたいふうとで作っていた」 「どうも、ありがとうございました」 「お礼を言われるほどのことはしてないわよ」 「たいふうさん料理できたんですね。 今度何か作ってくださいよ」 「御節を食えばいいだろ」 「それもそうですね……たいふうさんはどれを?」 「伊達巻にお煮染め」 「栗金団や昆布巻きもたいふうだな」 「……なんで見ただけで分かるのよ?」 「何でって……」 「見りゃわかるよな?」 「……」 「たいふうさん人気があるんですね」 「何か違う気がする……」 「きにすることはありません」 「この黒豆美味いな」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1307723856/320
321: ◆GAIA///6T. [] 2012/02/07(火) 15:25:22.80 ID:UznWEg4m 「何だかんだで息があってるわね」 ところ、てんきゅう宅の庭。 餅搗きをする男2人。 杵を持つのはアース。 手水はかまいたち。 去年の内にやっておくべきことの気はするが気にしてはいけない。 「りきみすぎてこわさないでしょうか」 「そのくらい加減できるだろ」 因みにかまいたちの方の動きは早すぎて、どのように餅を弄っているのかよく分からない。 「やっぱり男の方は頼りになりますね。 搗いたお餅を食べるのも久しぶりです」 「あの二人が異常に頼りになるだけの気も……」 「うーん」 にっしょくが立ち上がった。 「ひまです」 「お餅搗きを眺めているのも楽しいですよ」 「あきました」 「あら」 「せっかくなのでおしょうがつらしいことがしたいです。かるたはありますか?」 「骨牌? そこの戸棚に入ってますよ」 「ではおかりします。 ダイヤ、やりましょう」 「遠慮しておきます」 「……いかづち?」 「オレもパス」 「むぅ」 「ボクは参加するよ」 「あなたたちもつきあいなさい」 「……私ですか?」 「命令形かよ! ……仕方ねえな。 まあいいか、暇だし」 「たいふう、よみてをおねがいします」 「私? いいわよ……ええと、いろは歌留多と百人一首があるけど、どっち?」 「ひゃくにんいっしゅはぜんぶおぼえていません」 「そう、ならいろは歌留多ね」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1307723856/321
322: ◆GAIA///6T. [] 2012/02/07(火) 15:25:44.93 ID:UznWEg4m 庭で餅搗きをする野郎2人。 それを眺める女三人。 カルタ取りをする者達。 「せいっ」 「よっ」 「せいっ」 「よっ」 「嘘から……」 「はい」 「月夜に釜を……」 「はい」 「瑠璃も玻璃も……」 「はい!」 「知ら……」 「はい」 「あの……てんきゅうさん」 「何でしょうか?」 「折り入ってお願いがあるんですが……ちょっと耳を貸してくださいます?」 「はい? ……はい……うふふ……ええ、勿論構いませんよ。 こちらへどうぞ」 「あ、ありがとうございます……」 「……」 餅搗きを眺めるのが一人になった。 餅は既に3つ完成している。 もち米どんだけあるんだろう。 「……」 元々ぼんやり眺めていただけだったのだが、一人になると急に退屈になってきた。 いかづちは立ち上がって、てんきゅうがダイヤを連れて入った部屋――襖は閉められている――の前に立った。 「てんきゅう」 「はい?」 返事が聞こえた。 襖は開かない。 そのまま話を続ける。 「暇だから表の雪掻きでもしてるよ」 「いえ、そのようなことをなさらなくても……」 「いいんだって。 暇だし、世話になってるんだから何かしらのことはしたいし」 「……じゃあお願いしますね」 「おう」 「いかづち」 縁側に戻って靴を履くと、アースが話しかけてきた。 「……こら。 杵を下ろすならちゃんと下を見ろ」 かまいたちが渋面を作る。 「何?」 「外へ出るなら……服を着ろ。 ココは人の世だぞ」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1307723856/322
323: ◆GAIA///6T. [] 2012/02/07(火) 15:26:11.48 ID:UznWEg4m 物置の中に、言われたとおりスコップがあった。 他に脚立や何やも置いてあったが、家が純和風な造りで文明の利器もろくろく見当たらない所為だろうか、ひどく不似合いに見えた。 ともあれ、玄関を出て近くの道の雪掻きを始めるいかづち。 ちゃんと服を着ているが、にじのダッフルコートで、これの下は普段の恰好であり、下手をすると露出狂である。 モノがにじの物であるのでサイズが合っておらず、大分アブない。 しかしそこはいかづち、何も気にせず雪掻きに精を出す。精を出す。 暇であることも手伝って、近隣の家の前まで手を伸ばしていたが――気合を入れすぎたのか、話しかけられるまで気づかなかった。 「少々よろしいか」 「はい? え? うわ!?」 「見たところ"お仲間"のようだが……」 「そ、そのようですね……」 「ダイヤモンドダストという娘をご存じではないか?」 「へ? ダイヤ? えっと、はい、今ここの家に……」 「むう、矢張りか! すると貴女(きじょ)はこの宅の方かね?」 「いや、いや! その、私も客で……ちょ、お呼びします!」 返事も聞かず、駆け入るいかづち。 「誰が?」 かまいたちとアースは、流石と言うべきか、餅を搗きながらでも来訪者に気付いたらしい。 どうせ聞こえるだろうからひとまずは無視し、今度は花札を始めていた連中を尻目に、縁側からまだ閉まっている襖の奥に声を掛けた。 「ダイヤ、ダイヤー」 暫く間があって、遠慮がちに襖が開かれ、ダイヤが顔だけ出した。 「どうしたんですかいかづちさん……顔がメタモンになってますよ?」 眉を顰めるダイヤ。 奇妙な表情のまま手招きを繰り返すいかづちを見て、 「えっと……そちらへ行かなきゃいけません?」 何故か、渋る。 漸く顔の筋肉が解れてきたいかづちが、 「客だよ、お前に」 と言うと、 「お客さん?」 首をかしげる。 「どなたでしょう?」 「オレに訊かれてもなあ……」 「どんな方です?」 いかづちが答えようとすると、 「失礼致すぞ」 野太い声がした。 どうやら痺れを切らしたらしい……と。 「きゃあ!」 ダイヤが悲鳴を上げ……たのだと思ったが、どうやら歓声だったらしく、満面の笑みで飛び出してきた。 驚いたことに……ダイヤは着物を着ていた。 目を丸くするいかづちだが、ダイヤは気にも留めず、玄関の方へ飛び出していった。 「普段は色々な恰好をしているのに、着物は恥ずかしいだなんて変なダイヤさん」 こちらはゆっくりと歩いてきて微笑むてんきゅうさんだったが、いかづちは上の空のようだ。 「でも、一体どなたがいらしたのかしら?」 「ああ、ええと、アースとおんなじかもっとでかい奴が……」 「何だと?」 てんきゅうといかづち、外にいたアースとかまいたちが玄関に回ってみると…… その大男に、ダイヤが抱きついていた。 「でも、どうして急にこちらへ?」 「ダイヤが知人の宅を訪ねるから今年は帰ってこないというのでな。 ならば普段お世話になっている方にご挨拶をする丁度よい機会だと思ったのだ」 ここで4人に気付いたらしく、 「ダイヤ、紹介を頼む」と、ダイヤを降ろした。 「他にもいらっしゃるので、中に入って……てんきゅうさん?」 「ええ、どうぞ」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1307723856/323
324: ◆GAIA///6T. [] 2012/02/07(火) 15:26:58.40 ID:UznWEg4m アース級が二人もいると床が抜けないか心配になる。 「……あ、アニキ?」 「はい。 私のお兄様です」 「冬将軍と申す。何時もダイヤが世話になっているようで……」 長い挨拶が始まった。 ……合点がいったが、どうも納得できない。 「えっと……あまり似てないんですね……」 いかづちがかなり萎縮している。気持ちは分かるが、そんなに怖いか。 「そうですか? そっくりだと思いますけど」 何処がだ。 みんながそう思ったが、黙っていた。 「それじゃあ、皆さんをご紹介しますね。 先ず、こちらの和服の女性がてんきゅうさん。 このお家の……」 大分賑やかになった。 ダイヤが和服を恥ずかしがっていたのも忘れてはしゃいでいるが、冬将軍が何もツッコまない辺り、 家では(正月だけかも知れないが)普通に和服を着ているようだ。 あれ? そういえばいかづちが見当たラナイナー。 ドコヘイッタノカナー。 「むう、実に旨い餅だ」 「搗きたてですからね。 かまいたちさんとアースさんが作ってくださったんですよ」 「成程成程。しかし餅米も尋常のものではなかろう」 「ええ。 それは――」 「てんきゅうー。 たいふうが呼んでるよー」 台所はたいふうとてんきゅうが担当することにいつの間にかなっていた。 理にかなっている。 「はいはい。 ……では失礼しますね」 てんきゅうが傍から離れた冬将軍を、ちょっと離れたところからダイヤが見ていた。 険しい目で。 「どうしました。 おにいさんにかまってもらえなくてむくれているのですか」 冬将軍は、今度はカゲロウに話しかけている。 「それは……無くはないんですけど。 ……ちょっとまずいですね……」 「なにがですか」 「お兄様の好みのタイプにどストライクなんですよ、てんきゅうさん」 「ほう」 「で、お兄様はせっかちな上、頑固というか強引なところがあるので……」 「なるほど」 で、そのお兄様はさっきからカゲロウを質問攻めにしている。 あ、喋るのをやめた。 カゲロウがほっとしている。 しかしそれで冬将軍がカゲロウから離れるかというとそんなことはなく、 まじまじと、或いはじろじろとカゲロウを眺め…… 「なあ……お主。 今一つ尋ねてもよいか」 「…………なんでしょうか」 「何故におなg「冬将軍殿!」のような恰好を」 アース選手ファインプレー。 「是非とも一度お手合わせ願いたいのですが」 冬将軍の眼の色が変わる。 武人の魂が騒いだらしい。 「ほう……正月早々故自重しようと思っていたのだが……挑戦を受けたのでは話は別というもの。 受けて立とうではないか!」 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1307723856/324
325: ◆GAIA///6T. [] 2012/02/07(火) 15:27:15.78 ID:UznWEg4m 戦闘? 描写しろ? いやだよ面倒臭い。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1307723856/325
326: ◆GAIA///6T. [] 2012/02/07(火) 15:28:08.37 ID:UznWEg4m 「いやはや! なかなかやるではないか!!」 酒を飲み交わし上機嫌な冬将軍。 アースもアースでなかなか愉快そうに見える。 「どうだ? ダイヤを嫁に貰わんか?」 酒が相当入っている所為か、とんでもない事を言い出した。 「……いや、そんな、妹さんは私には勿体無いです」 「それもそうだな! がははははははは!」 豪快な笑いに誤魔化されそうになったが、こいつシスコンだ。 「嫁といえば!」 どうした。 「どうだてんきゅう嬢、吾輩の嫁にならんか?」 まったくせっかちである。 強引らしいし下手するとそのまま話が進んでしまうのではなかろうか。 勝手に。 「あらあら」 対するてんきゅうさん余裕の微笑み。 「いけませんよ。 私にはちゃーんと愛する夫がいるんですから」 …… ………… …………………… !? 「むう……そうなのか。 いやあ、残念なことだ」 流石に夫がいると聞かされては食い下がるわけにもいくまい。 でも、えっ!? 夫!? 冬将軍が暇を告げたあと。 まあ当然ながら質問されるよね。 「て、てんきゅうさん!? 結婚してらしたんですか!?」 「方便ですよ」「嘘に決まっているだろう」 てんきゅうさんとかまいたちが同時に言う。 「好い方なのはわかりましたが、いくらダイヤさんのお兄様とはいえよく知りもしないのに……」 「……かまいたち、なんでうそだとわかったんです?」 「そりゃ…… 簡単だろ。 まず。この家に男の気配は全くない。」 「はあ……」 「ところでダイヤ、それにあってますね」 「へ? ああっ!」 「今まで夫が居るというような言葉も全くなかったしな。 それに、てんきゅう殿は振袖を着ている」 「成程……」 「……ところでてんきゅうさん、いかづちさんの姿が見当たりませんが……」 「いかづちさん? ああ……彼女にもお兄さんが居ればよかったんですけどね」 てんきゅうさんは微笑むが、他の者の大半は首を傾げるばかりであった。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1307723856/326
327: ◆GAIA///6T. [] 2012/02/07(火) 15:29:19.35 ID:UznWEg4m 骨牌や花札はカゲロウの一人勝ちだったよ。 あとニーニャニーニョは暖房の効いた冬の室内にいるとどっちなんだろう。 http://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1307723856/327
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