【勇者放浪記】トリックスターファンタジーTRPGスレ [無断転載禁止]©2ch.net (184レス)
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10: GM ◆zTA3Hlbo9w 2016/06/11(土)12:41 ID:ZJ2RR4p7(9/11) AAS
男の一人がトリスタンの剣を踏みつけようとしたところで、トリスタンは手をかざすと一瞬で彼の手に剣が装着され、
一撃のもとに男の首筋を断った。
「ギャアアアアアア!!」
一人が絶命すると、男たちは一気に怯む。すぐさまもう一人を袈裟斬りにする。
「ちょっと待てぇ! こいつがどうなってもいいのか?!」
残りの男、ロイがイリスに抱きつき、そのまま首を絞めようとしてきた。
「バルログ!」
トリスタンは剣に念じた。するとイリスの手にその剣が握らされる。
「さぁイリス、そいつを殺すんだ!」
「は?もうこの女には何もできね…ぐっ…!!」
イリスは男のわき腹に剣を突き刺し、そのまま崩れゆく男から剣を引き抜いて止めを刺した。
二人の傍らには三人の男の死骸が転がった。
「トリスタン…私…」
「良いんだ…これで。お前もこれで人殺しさ。冒険者は誰でも通る道だ」
そこからさらに離れた、クローランド方面を見渡す丘で、二人は夜を過ごすことにした。
装備を脱いでお互いに返り血を拭きあい、トリスタンの少ない保存食は分けて食べた。
満天の空の下、二人は並んで横になった。ふと、イリスがトリスタンの手を握り締める。
それに呼応し、トリスタンはイリスを抱き寄せた。そして唇を奪う。イリスは目をそっと閉じた。
「拒まない…んだな」
イリスが脚を絡ませ、トリスタンもそれに応じ、一つになった。
「イリス…俺、お前の防具の機能性ってやつが分かったような気がするよ」
そのまま二人は抱き合って眠り、朝がやってきた。
湿地の水かさが下がるまでゆっくりと朝を過ごし、そして二人は王都方面へと向かった。
街道が見えてきたあたりで、二人はまた抱き合ってキスをした。
「ここまで見たいだな。イリス、残念だけど」
「ねえ、トリスタンは冒険者になったらどうするの?」
イリスの真剣な眼差しに、トリスタンは困ったような顔で答える。
「うーん、とりあえず出世して王都のギルドにでも入れるようにするよ。
そして、俺は自分のギルドをいつか作る!またきっと会えるさ」
イリスはその答えに悲しそうな瞳で、しかし元気に返した。
「うん!きっとトリスタンならなれると思うな。そのときは、一緒にギルドやろうね。
結局…私もヒトゴロシになっちゃったし」
「じゃあ、これで…」
「待って!これ…!」
イリスは胸元にあった青い宝石をトリスタンに渡した。
「これがあれば、きっとまたトリスタンに会える気がするの。じゃあ、絶対に忘れないから。命の恩人さん」
「うん、元気で」
そして二人はここで別れることになった。
この出来事がその後大きな流れを産むことになることは、この時点では二人は何も知らない。
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