[過去ログ] 【伝奇】東京ブリーチャーズ【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (285レス)
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155: 多甫 祈 ◆MJjxToab/g 2017/01/17(火)18:37 ID:3X/Kk8Gv(1/5) AAS
 しゅんとした表情で祈が橘音を目で追っていると、ふと祈の方を向いていたノエルと目が合う。
するとノエルは任せてとでも言いたげに笑んで、祈にウィンクをしてみせた。
そして机を叩いて立ち上がると、橘音へ向かい猛然と抗議を始めるのだった。
>「何それ仲間外れ!? ってかさっき無力化するための秘策があるって言ったじゃん。
>この前の八尺様の時はわざわざ男装させて一番危ない役をやらせといて今回は危ないから駄目って何なのさ!
>それに――男4人で行くなんて絵的にむさ苦しすぎるじゃないか! 僕は美少女がいないとやる気が出ないんだ!」
「御幸……」
 残念ながら抗議の結果は振るわなかった様子だが、抗議をしてくれたことが祈は嬉しい。
 御幸 乃恵瑠。雪女の種族に生まれた明るい青年。
八尺様を討ち果たしたあの夜、八尺様の魂の消滅という結末に戸惑い、
気持ちを消化できず悩んでいた祈。それを救ったのはノエルであった。
 ノエルの持つ、子どもに読み聴かせる絵本やおとぎ話のような優しい世界観。
それは祈が八尺様の死を受け入れ、彼女の再生を正しく祈ることに繋がった。
ノエルの話が事実であるかどうかは別にして、
そんな優しい話を聞かせてくれる誰かがいるということに祈は救われたし、
男に抱きしめられたことなどない祈は今思い出しても頬が熱くなるような思いだが、
抱きしめられた時はめちゃくちゃ安心した。その安心感は祈の揺れる心を安定させたのだった。
 そんなことがあったからと言って二人の関係に何らかの変化があった訳ではないが、
祈の目にはノエルへの信頼が以前よりも見えるようになった。
 祈はまるで頼れる兄ができたような感覚が――、
>「橘音くん……君はどうなんだい?」
>「……と聞いたところで正直に答えるはずはない。そこでまずはその仮面を引っぺがす!」
(……ん?)
 祈が事の推移を見守っていると、どうやらノエルの話が脱線したらしく、
祈という美少女成分(祈は自分のことを美少女だと思っていないので元々そんなものはないのだが)が足りないなら
性別不詳の橘音が補えばいいじゃない、実は君は女の子なんだろうさぁその仮面を取り給え、
ほれほれ良いではないか良いではないか、あーれー。そんな流れになりつつあった。
 橘音の仮面は、ブリーチャーズの全員が無意識か意識的か触れることのなかった疑問だ。
単にファッションのつもりであるやも知れないが、顔の下に大きな傷があってそれを気にして隠しているのやも知れない。
そんな様々を考慮して誰もが触れてこなかったものに、ノエルは脱線した暴走列車で突っ込んでいく。
>「ひぃぃ……、ス、ストップストップ!ステイ!ハウス!おすわり!!」
 今まさに橘音の仮面にノエルの手が伸び、列車は激突するかに思われた。
だが。
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